空模様 エピローグ | だっちゃきaスト時々Da-iCE

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読んでくれる皆様に愛とリスペクトを♡

ゆ「真司郎くん…?」







日高の予想だにしない言葉に頭ん中真っ白なってた
俺を、ばあちゃんの呼ぶ声が現実へと引き戻す





與「ばあちゃん…一人で外出たら危ないやろ」

ゆ「だって、だって、帰ってこないから」

與「うん、一緒帰ろ、な?」




制服の袖を握って怯える、ばあちゃんの背中を
さすった




最初は、じいちゃん死んでもうて寂しんやから
しゃあないって思ってた


母さんや父さんが、ばあちゃんに真一郎だって
訂正する度にホンマに悲しそうな顔で俺を見る
んが可哀想で可哀想で…

俺がじいちゃんの名前で呼ばれるん受け入れる
だけで、ばあちゃんが落ち着くんやったら別に
それでもええやん?って思った


その頃は、まだ時々もとに戻る事も多かったし
やけど…その時間も最近は殆ど無くなった



いつまで、じいちゃんのふりせなあかんのか
このまま、ばあちゃんどんどん壊れてくんか



ずっと、可愛がってくれた優しい姿を覚えて
るけど…



完全に「真司郎」だと思い込まれて、甘えて
来たりするんは…

正直…ホンマに怖なる時あんねん






ゆ「千晃!」




その存在に気付いて目を見開いて大声で叫ぶ




與「ちゃうから、な、帰ろ」

ゆ「ヒドイ!真司郎くんどうして?!何で隠れて
会ったりするの?!」

與「ちゃうって言うてるやろ!暴れんなって!」

ゆ「いやぁ!!」




訳わからんこと叫びながら、日高の方へ行こうと
パニックになって手がつけられん


俺の好きやった、ばあちゃんはどこ行ったんや…
こんな姿、誰にも見られたないのに

どうして…

選りに選って日高の前で…






空「與くん!おばあちゃんの名前は?!」



暴れるばあちゃんの両手を掴んで忙しいのに

そんな質問する日高にイラついてシカトするけど
それでも何度もしつこく聞いて来る



與「うるっさいな!ゆうのや、ゆうの!」



叫ぶばあちゃんの声に負けないように張り上げた




空「ね、ゆうのさん!ゆうのさん!ゆうの!」





突然ばあちゃんの名前を連呼して俺たちの間に
割り込もうとする




空「ゆうのちゃん!!」




その呼びかけに、どんなに力入れても抑えられ
無い程、暴れてたばあちゃんが動きを止める




ゆ「…ち…あき?」

與「ばあちゃん、コイツは…」
空「ゆうのちゃん、その人は真司郎くんじゃないよ」




遮った日高の言葉に、顔を上げる




ゆ「真司郎くんよ…、何言ってるの?」

空「ゆうのちゃん、真司郎くんは本当に本当に
あなたを愛してました」

ゆ「真司郎くんは…ずっと千晃を忘れなかった…」

空「ずっと、ずっと、あなたを大切に想ってました」

ゆ「嘘よ…だって…だって…」




普段は、知らん人とは会話なんてしない筈なのに
日高の言葉ひとつひとつ、すがるような顔で聞き
れる




空「千晃はね、みっくんとずっと一緒だよ?」

ゆ「みっくん……」

空「うん、千晃はずっとみっくんといる」

ゆ「…………」

空「隠れ家で告白して、別れて、それでも大好きで
2人は又、隠れ家で永遠の愛を誓ったんだよ」

ゆ「…………」

空「4年間ずっと海を見て千晃はみっくんを待って
たんだよ」

ゆ「…隠れ家………隠れ家…みっくん…」





何度も、記憶の引き出しの奥を探すみたく繰り返し
つぶやく









ゆ「!!!」





何かを思い出して、外してた視線を日高へと戻す






ゆ「…ずっと待ってた」

與「?」

空「千晃はみっくんを待ってました」

ゆ「…ずっと…ずっと待ってた…」

空「ずっとずっと、待ってました」

ゆ「………待ってた……千晃は、待ってた」

空「…………そう、待ってました」

ゆ「……待ってた…海で…海でずっとずっと…
日高を待ってた!」











日高に向かって叫んだ、その名前が日高自身の
事じゃないってのを理解すんのに、多少時間が
掛かった

ばあちゃんの言う「日高」は、今目の前におる
コイツやなくて、日高のじいさん

ほんで、ばあちゃんは日高越しに、ずっと怯え
とった「千晃」と話してる







空「千晃は真司郎くんを奪いに来ません」

ゆ「…………」

空「真司郎くんも千晃の所へ行きません」








ゆ「でも!守るって!千晃を守りたいって!」

空「でも真司郎くんは、ゆうのちゃんを選んだ」

ゆ「…………」

空「ゆうのちゃんが好きだから」

ゆ「……私を………」

空「真司郎くんと千晃は、思い出の中の事です」









空「真司郎くんは、ゆうのちゃんと幸せでした」

ゆ「…………」

空「ゆうのちゃんも幸せだったでしょ?」

ゆ「…………」

空「だから、もし千晃が来ても絶対に絶対にあなた
以外を選んだりしません」

ゆ「…………」

空「千晃の所へ行ったりしません」








何度も何度も躊躇ってから、やっと言葉を紡ぐ






ゆ「ほ…、本当に?」





恐る恐る「千晃」と対峙する

それに日高は、ホンマに嬉しそうに笑うと







空「だって、真司郎さんは、ゆうのちゃんを愛して
たでしょ?」














ゆ「ああ……あぁっ…」




声をあげて頭を抱えて後ずさりする、ばあちゃんの
肩を支えると俺の顔をじっと見つめ返す



一瞬、日高と会話になっとったから気を抜いとった
けど又、訳分からんくなったのかと身構える










ゆ「真…一郎?」

 




耳に届いたのは久しぶりに呼ばれた俺の名前で
あまりに唐突過ぎて言葉が出ない




ゆ「真司郎くんは…もう…いないの?」

與「!!」




続けられた、その質問にどう答すべきか悩んだけど
俺かて限界やった

もう…ホンマの事に向き合って欲しかった





與「そうや…じいちゃん死んで…もう一年や」








ばあちゃんは子供みたいに泣き崩れると何度も
じいちゃんを呼んだ







俺ではなくて、夕焼けの綺麗な空へ向かって
何度も何度も


その名前を呼んだ







ゆ「真司郎くん…



真司郎くん…




真司郎くん…」











ゆ「あなた…真一郎の彼女?」

空「え?!!!//////」

與「ちゃうわ!ただの部活一緒の奴や!」





ひとしきり泣くと、何故か日高の手を握って離さ
へんから家まで一緒に来た日高に、とんでもない
質問をぶちかますと、そのままドアを開ける俺の
横をすり抜けて部屋へと向かった




こんな爆弾残された場所に、とどまらあかんとか
何の拷問や…


記憶ほんのちょっと戻った途端に何ぶちかまして
くれてんねん//////





空「おばあちゃん、元気になるといいね」

與「……おお」

空「じゃあ…そろそろ、帰るね?おばあちゃん
與くん待ってるだろうし」

與「…やな」

空「また明日ね、バイバイ」







感情が処理できひん内にちっこい体が背中を向く
から、咄嗟にその腕を掴んだ







空「ひゃっ!」

與「あ…悪い」

空「ど、どしたの?」

與「や…何やろ」

空「(๑・∀・๑)???」





あんなキツイ言葉で責め立てた事なんて、まるで
覚えてないみたいに穏やかに笑う日高に戸惑う



何なん…

何やねん、コイツ…



アホなんか?











與「あの…、あのさ…」

空「うん」

與「……また、ばあちゃん…会いに来たって」

空「え…?」

與「や…お前と話すと安心したっぽいし…
…来んな言うたのに…ゴメンやけど…」





目を丸くして俺を見る日高以上に調子が良すぎる
言葉に驚いた

何言ってんねん、俺





空「来る!来るよ!絶対来る!!」





嬉しそうに、親戚ん家のチワワみたいな顔する

ホンマ…こいつ…





與「うるっさ(笑)」

空「?!///」






俺が笑うと、アホみたいに真っ赤になった









知らんけど、ご機嫌なって帰る背中が小さくなる







小さい割にいちいち声デカイし

終いにゃ、ばあちゃんが悩んでた女の孫やし




でも、苦手な連んでコソコソする女子っぽい所が
ないとことか、犬みたく人懐っこいとことか…





何や…

















何でやろな…












不思議と日高と一緒におんの…
居心地いいねんな