焦げた肌を
冷ますように


夜風がそっと
涼を運ぶよ


耳に響いた蝉の声
今宵は鈴虫の合唱


過ぎ去りし夏
秋の訪れ


巡る季節を
追いかけて


やがて冬がきて春がきてそしてまた夏がくる


何かが変わると信じて
変わらないままだとしても


決して止まることなく
歩き続ける


隣で静かに寝息を立てる子供たちも
やがては大人になって


私のもとから巣立ち
違う家族を持つ日がくるのだろう


祝福すべき事だけど
なんだか少し淋しくも思うよ


そして彼らもまた
止まることなく歩き続ける


季節と共に巡ってゆく
変化と安らぎを追って


この体が朽ち果てても
魂は彼らの中で生き続ける


静寂な秋の夜に
一人ぼんやり思う事