今年早々に出会えた心掴まれる絵本は



こちらの番組から。


生まれつき聾唖で
だんだん目も見えなくなっていく
アッシャー症候群を患い、
夜を手ばなし、昼を手ばなし、
冒険心も、大好きな本も手ばなしていく。
できていたことができなくなっていく絶望感の中で、
タブレットで本を読み、
スマートフォンで会話をし、
やがて見えなくなる世界を
アプリを通して全力で記憶する。
音もなく、トイレットペーパーの芯を覗くような視野で見える世界が、
どれほど愛おしいものなのか――
著者の心からの願いが一冊の絵本になりました。

失ったものは二度と戻ってきません。
「今」を後回しにしていませんか? 
(あとがきより)




夜間や薄暗い建物内での視力が低下した

ことを


       夜を手ばなした




この言葉に心射抜かれました。



この挿絵にも。




手ばなさざるをえないものが

涙色とも見える川に流されていきます。


川に流していく前に

夜を

胎内にいる赤ちゃんのように

全身で抱き抱えている挿絵が響きます。





次の場面では


   次にボールを手ばなした


動くものが捉えられなくなり‥。



全力で記憶する


奪っても奪っても

奪いきれないもの

決して失いきれないものがある

その一つが記憶だと思うのです。



失っていく喪失感を訴えた絵本というより

今あるものを愛おしむこと


やりたいと思ったことは

後回しにしない

後悔する生き方をしたくない


その想いを表現せずには

投げかけずにはいられない

と感じました。




インタビューも交えた番組でしたが

美しいと思うこと

愛おしいと思えるものとの出会いを

ただ嬉しいと思われている表情でした。



狭い視野の中から見える世界を

微笑みながら見つめ

写真を撮られる姿が心に残りました。




こうしたいのに、できない

この悶々とした気持ちを

時間も自由もある時期に

自分で自分に言い聞かせて我慢


もちろん

それを許さない声もあったけど

私も諦め勇気が出せなかった。


今年も

精一杯勇気を振り絞って踏み出していこう。


ドキドキして怖いし胸痛むこともあるけど

その時手にできた記憶は

宝もの。


宝もの箱の中に

一つ一つ

記憶 という宝ものを今年も入れていこう。



この絵本の魅力は

言葉の美しさと

冬華さんがタブレットで吹き込む

絵の生命力。


空が焼けるような夕焼けを描く

冬華さんの力強さが美しくて。






             1320円税込



元旦の日

今年最初に出会えた絵本を

絵本屋つきのあめから

お届けします。








📚今年のチャレンジの一つは

 いわた書店岩田徹さんが育てられた

 選書カルテでの

 絵本屋つきのあめ 一万円選書です。


ホームページ

申込み欄からの受け付けを開始いたします。


お申込みいただきましたら

今月半ばに

選書カルテをお渡し致します。


岩田さんが

何年もの時間を重ねて作られた

一万円選書です。

勇気を出して

じっくり大切に育てていこうと思います。