寒い冬にこそ読みたい絵本




表紙の挿絵を

なんて美しいんだろうと眺めています。


挿絵は

赤羽末吉さん。


文は

再話 矢川澄子さん

とあります。


矢川澄子さんの魅力は

清水真砂子さんの御本で再確認でき


愛おしい ハイジ の訳が

矢川澄子さんと知りました。


アニメのハイジの台詞も

矢川澄子さんの訳が美しいので

胸に響くのですね。


多くの人が

アニメのハイジを通して矢川澄子さんに

出会っているのです。




こちらの御本も

清水真砂子さんのロックな魂を

冒頭から感じられます。



この御本の中で

最初に紹介されているのが

今日の絵本

つるにょうぼう

なのです。


鶴の恩返しは

よく知られている物語ですが


この

つるにょうぼう

では

以前にリモート絵本講座でも語り合った

「かわいい」

の意味にも触れられています。



こちらです。

読み返すと五行論

矢川澄子さん訳の絵本にも触れていました❗️





「かわいい」と言う言葉に

自分の思い通りになりそうなもの

こちらに揺さぶりをかけてこない

支配の立場を保持できるもの

への見極めを綴られる清水真砂子さんの


かわいい などと悠長なことが

どうして言っていられましょう


の言葉に頷いてしまう

赤羽末吉さん

矢川澄子さんならではの物語です。




絵本にたどり着くのにも

いくつものつながりや

手渡し があるように

今日は嬉しいシンクロが重なった日。



敬愛するメンター川岸治療院院長 川岸先生が

「鶴の恩返し

 って 何を教訓として

 伝えたいのでしょうね

 と 患者さんと話してましてね」と


嬉しいトスが上がり

この絵本を思わず語りました。


川岸先生の絵本の読みが興味深く

ますます、この絵本を深く読めました。

川岸先生の読みは後ほど。


(川岸先生が治療院の一角に

絵本コーナーを作ってくださり

患者さんとの絵本の語らいが嬉しいのです。)



お休みされていたSNS再開されました!


ブログ再開してほしいね〜

と読者の方と話していたところでした。






コメント、メッセージにも気さくに

答えくださるファンの多い先生です。

コロナ禍でも変わらず患者の強い味方です。





あまりにも有名な結末により

「決して開けないでください」

の言いつけを破ったから招いた結果のように

なっていますが


この

つるにょうぼう

を読むと違う印象を受けるのです。


鶴の恩返し

ではなく つるにょうぼう なのです。




見れば つばさに矢をうけて
苦しそうにしています。

よ平は近づいていって、矢をひきぬき
ていねいに介抱してやりました。
    (カラー文字は本文より抜粋)
吹雪の中、矢を受けた鶴の
瀕死の様子を
痛いほど語る挿絵です。

この挿絵があるから
よ平に助けられた悦びが理解できます。


グリム童話などもそうですが
この物語にしても
元は子どものための物語ではなくて
大人のための読物なのです。

矢川澄子さんの 再話は
この出会い直しの場面を


よ平の家の戸を ほとほとたたき
人の姿に身を変えてまで
よ平の元に行き
「女房にしてくださいまし」
たえいるような あえかな声でした
と。

本との出会いで嬉しいのは
普段使わない言葉にふれること。

特に子どもとも読める絵本で
聞いたことのない言葉に出会っていくことは
子どもにとっても
とても豊かなことです。

わかる言葉に言い換えることなどせずに
子どもに 任せていきましょう。

たえいるような
あえかな声
こんな美しい日本語が
読み手と聞き手の間に
ふくらみを持たせてくれます。


よ平家は
そっと手をさしのべ
むすめをなかに ひきいれました。

一瞬でよ平の心を奪う
つるの化身の美しさとすごみも感じる
ページです。


よ平には すぎたしあわせでした。


口がふえたことを心苦しく思ったのか
娘がはたを織ることを申し出ます。

「私が織っているうちは
 けして のぞき見なさいませんように」

きっと



この挿絵のように

自分達のしあわせのために

それだけを思って織ってたのでしょう。



やつれた姿で差し出した

織物は


しっとりとふくよかな美しさは

ただただ 目をみはるばかりでした


肌の美しさを語るような表現です。



こうしてむすめは二度

反物を織りましたが

娘の肌の色が白くなっていくことで

やつれていく様子を表しています。



急に大金を手にした人のところには

それに目をつけた人が

寄ってきて

もっと儲けようと囁きます。


「なんで そんなにお金がいります」

娘にいわれてもよ平は寝ても醒めても

お金のことばかり。

娘は涙を浮かべて見守っていました。



よ平が言いつけを守れず

障子から見たものは


一羽の鶴が

血にまみれ

じぶんの羽をくちばしでひきぬいては

はたにかけているのでした。



挿絵は障子の隙間から

血を滲ませた鶴の羽根を

控えめに描いたものでしたが

痛みだけではなく神々しさも感じました。



川岸先生の読みが興味深いのは
「むすめは よ平が もう言いつけを守らず
 覗きみるのでは と思っていたのでは
 
 もう終わらせたかったのでは」と。

なるほど。

織れないと断っても
お金のことが頭から離れないよ平は

きっと再び、せがむでしょう。

こうして
終わらせようと
もしかしたら
怒りをぶつけたかもしれないし


むすめがいなくなったことを嘆き
出会いの頃のように
想ってほしかったのかもしれません。

人が陥りそうなこと
見失ってはいけないこと
お金の怖さ
過すぎていけないこと
がこの物語から感じられます。



去年のリモート絵本講座で
読みあった時は
共依存からの脱却とも読めました。

人をあてにする人の行動パターン
搾取することは
暴力の一つでもあります。

そこから抜け出すこと
自分で終わらせていくしかないこと
チャンスの活かし方にまでにも
読みあいはつながりました。

まだまだ読みあいたい作品です。







はらはらと

羽根が舞っていることを感じます。



👹2021 2/3(木)節分の夜

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 2022 1/30(日)   14:00-15:30


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 ご予約ありがとうございます。


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 希望日を明記してご予約くださいませ。


 zoomが初めての方は

 お手伝いしますので安心して えい!っと

 ご連絡下さいませ。


 少人数の小さな集まりです。



 リモート絵本講座のブログが

 なかなか追いつかずにいるのですが

 昨年末も

 本当にしあわせな時間をいただきました。


 今年も続けていこうと思いますので

 よろしくお願いします。








絵本屋つきのあめ

からお届けします。