寒い冬の物語を読みあえるのも
あとしばらくです。



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冬の雪深い物語を前々回もご紹介していますが
雪の絵描き方
様々な雪の世界にひたるのも
真冬絵本の楽しみ

温かい場所にお住まいの方には
雪便りとなるのでしょうか。


今日の絵本は…。
とても美しく、絵本ならではの
可愛らしさもありながら
私にはちょっとだけ こわい物語です。


かわいい ふわっふわの
うさちゃんですが
その繊細さ、儚さが、なんだか
切なくこわいのです。




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魅力的な作家さんです。


表紙のうさぎの男の子が
小さな緑のそりを引っ張りながら
ぼたん雪が降り積もる森のなか、

雪の日だけにあらわれる道に
いざなわれます。


この絵本の紙の手ざわりも
この物語にぴったりです。

ちょっと厚みがあって重くて
雪の中を進む物語にぴったりです。


前々回の月夜のみみずくの絵本が
終始みみずくの目線で描かれているのに対し

今日の絵本は様々な登場人物目線で
描かれています。

本当にすごい絵本だと改めて思うのは
絵本の雪の絵が
その日のお天気や時間帯など
受ける光によって表情が変わるのを
今感じています。

曇り空のリビングで開いた絵本が
お日様がさすと
絵本の雪山もしっかり光を受けとめています。




ゆきの日にだけ あらわれる
ふわふわころり の家が見えてきました。




ふわふわころり は優しい顔ではありますが
ムーミンの雪男みたいに大きくて

幼い子達は怖がるだろうなぁ。


ふわふわころりは雪を
大きなバケツにつめてはひっくり返して
雪のテーブルといすを作っています。

砂のプリンならぬ
雪のプリンの要領で。
かまくら より簡単かも!
やってみたい…‼︎




雪のいすに座ると

    「ゆきの おかしをどうぞ」

ゆきの結晶のペロペロキャンディみたいなのを
途中からついてきた りすといっしょに
いただきます。


     ひとくちたべると きゅうっと あまい。




そこに 風船みたいに
糸をつけたふわふわ浮かぶ曇を
いくつも束ね持った
ゆきぐも と呼ばれる女の子がきます。

かわいいけど
真っ白な顔に黒い目

かわいいけど
赤黒い血の様なコートの色が
こわいなって思うのです。



おかしを食べ終わると
ゆきぐもはゆきを降らせはじめます。

その美しさに ふわふわころりは
このゆきぐもの降らせる雪が
一番きれいだとため息をつくのです。




うさぎは
熱を出している妹のために
窓越しの雪を見せたくて
ゆきぐもに家に来てはくれないかと頼みます。




    「ええ いいわよ。



       あなたの いちばん だいじな おもちゃを
         わたしに くれるなら。」




ベットの中の妹に

「もうすぐ ゆきぐも がくるよ」


と窓辺に誘いながら

いちばん だいじな おもちゃを抱えて
外に置きに行こうとする兄さんうさぎです。




ふわふわころりのうでに座った
ゆきぐもが雪を降らせ

踊りながら
どんどん降らせ
 積もらせます。

息をのむほどの
圧巻の雪の美しさはやはり
おそろしいほど です。



夜、おもちゃがないことに気づいたお母さんに
訊かれると


    「すいろに おとしちゃった」


嘘をつくのもドキンドキン
こわいことです。



そのおもちゃの車は
ずうっと前にお父さんがくれたくるま。


     おとうさんは もう かえってこない。



妹のベットサイドで
本を読んで寝かせながら
そのくるまの事を思っています。

きっとお父さんのこと
その時のこと
おもちゃの手ざわりも…。

妹は夢の中。

窓から見る降り続く闇を見つめる
まだ幼い兄さんうさぎの大人っぽさ が

お父さんがいない親子三人の日々を
思わせます。




寂しかったり
切なかったり
しんみりあれこれ…。

物語の終盤はみなさんの胸には
どんなふうに響くのでしょうか。

去年より
最後の場面を明るく受けとめている自分が
嬉しい私です。
 

去年は
セカイノオワリ の
「スノーマジックファンタジー」と合わせて
絵の世界にどっぷり つかる読み方もしました。
セカオワの世界感にぴったりで
この読み方もおすすめです。



寒い日に
ひんやり冷たい
ちょっとこわい物語を
暖かい部屋で
安心できる人と ひっついて読む…。

幼い子に大切な経験です。

大人のお役目かもしれませんね。

真冬のおすすめ絵本
雪を恋しく思う方にも もちろん。



今日の物語はこれでおしまいです。

幼い子も
大人も 時には立ちどまってみるのも
いいものです。

読んだ後のおしゃべりが楽しみです。




ごきげんよう。



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