ごきげんよう。



心に響く台詞のある
映画との出会いがありました。


その映画に背中を押され
いつご紹介しようかと思っていた絵本を
読みあいたいと思います。







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先日ご紹介した


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同じ大塚敦子さんの作品です。

エルマおばあさんの絵本では
猫が 寄り添いましたが

今日の絵本では
セラピー犬、わんちゃんが
子ども達に 寄り添う物語です。



以前 私は ある小学校四年生の教室で
この絵本を読みました。

ちょっと荒れた子がいるクラスで
若い女性の先生が がんばっておられました。


先生は私に気を遣って下さり
子ども達をまとめようと一生懸命でした。

お気持ちが嬉しくて
信頼関係もできている先生だったので

任せていただきたい とお伝えしました。




いつもの如く 最後にみんなでまとまれたら
いいな

息を合わせながら読んでいこうと…。



教室の机を下げて
みんなで床に体育座りで 
と子ども達に伝えました。


案の定 荒れてる男の子は 輪から外れ
一人の子にケンカをふっかけています。



このセラピードッグの絵本を
読む事を知らせると
ふっかけられている子は 
輪の中に戻ってきました。


最後に 荒れた彼も
ドスドスと輪の中に。

私の直ぐ前のアリーナ席に
座っている子を蹴散らし座ろうとします。


「この場所に 座りたいみたいやから
ちょっと 場所あけたってくれる?」と
行動を通訳。

少しずつ つめてくれたので
めでたく着席。

「ありがとう」と代弁。



表紙を見るなり彼は
「きっしょー なんやねん こいつ
  ハゲてるやんけ」


教室が重い空気に。
どうして 髪の毛がないのか
知っているこもいる様子です。





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読み進めると 
抗ガン剤で髪の毛が抜けた子が
何人も登場します。

「なんやねん。こいつら」


私は この子が寂しい思いをしている事を
知っていました。

彼が言っている言葉は
彼が言われている言葉です。



つらい治療の場面も出てきます。


ひっこみがつかなくて まだ暴言は続きます。
物語を理解している子達は
彼を不憫そうに見ています。


背骨に針を刺し薬を入れる場面が
見開きページで大きく写しだされる場面では


彼は黙ってうつむいて
もう 何も言えなくなっていました。





無菌室で一人で何日も がんばる子の写真を
顔を上げ見つめます。



      チイちゃんは この部屋の中に
              26日間も入って がんばった。



ベットで ヤッター!をしている
チイちゃんの写真を見た時


全員の息があいました。



後半は
院内学級に向かう様子
花壇のお世話
保育士さんを交え 楽しい計画を立てる様子

仲間同志の誇らし気な笑顔
訓練をがんばってる子

管をつけたまま 
ピースサインでシャワーの子は
さっき 背中に薬を注射していた子…

その笑顔に 辛くて痛い場面を見てきた
教室の子ども達は 圧倒されています。



楽しい場面は続きます。

仲間同志の繋がりを感じるとびっきりの笑顔

お医者さんごっこをする子達

こんなふうに自分の治療を
遊びのなかで昇華させることが大切だと
学びました。

うちの娘も 幼い時
もう一度 手術を受けないといけない と
説明すると

ままごとをしながら
家中のぬいぐるみの口元に
お茶碗をひっくり返し麻酔をしていました。




プレイルームでの笑顔は
公園で遊ぶ子と なんら変わりません。




    わたしたち どこにいても
                たのしいこと みつけるよ




プレイルームに 机を持ってきて
みんなで ご飯を食べてる様子は
前回の記事 わくわく講座の食事場面と同じです。





    ひとりになれる場所だって みつける。


ニット帽をかぶった 四年生くらいの子が
一人で本を読んでいます。




家族と離れて寂しい。
だから仲間と深く結びつく。
だけど 一人になりたい時もある。


どの気持ちも 
教室の全員が わかるようになっています。




プレイルームに来れなくなっている
セイラちゃんのベットに
仲良しのワンちゃんのチロマがいます。

もう 起きられないけど
チロマの背中を撫ぜています。






納棺の場面
チロマがセイラちゃんの棺の横で抱っこされ
セイラちゃんに顔を寄せています。



暴言を繰り返した彼はうつむき
無言で罰を受けています。
後悔 自己嫌悪 悲しみ…
みんなで 黙って受けとめます。

みんなが自分を責めずにいてくれることを
感じながら。



私は 彼が この気持ちを味わう事が予測できました。
だから 黙っていました。
ある意味厳しい事をしたと思っています。


知識がなかったこともありますが
絵本の中で スタッフや特にお母さんに
優しくされている子達は
頭では わかっていても嫉妬の対象であり

それが暴言を吐かずには いられない
と 改めて感じています。


その気持ちは



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この絵本でも ふれています。
   (2016.11/30 気持ちをわかって)

今日の絵本の監修をされた
聖路加病院の細谷亮太先生の翻訳です。





      犬の体って ほんとにあったかい。


車椅子の女の子のひざに乗った犬の
ふわふわの背中に目を閉じてもたれる
女の子。




      なんにもいわなくても
         私の気持ち、わかってるみたい。


自分より大きなゴールデンリトリバーに
身を委ねる
ニット帽とマスクの子。




点滴の管のついた手で 
ワンちゃんを全身で抱きしめ




                また きてね。




絵本の最後に 監修をされた
細谷先生が
小児病棟の役割について書かれています。


入院した事が その子にとって
トラウマではなく
いい経験となるように看てあげることが
小児病棟の大事な仕事である

とあります。


つらい事悲しい事を
受けとめてくれる 犬との出会いは
救いになる
と。


この 
救いになる

の言葉を深く共感できる映画が



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一匹の猫の存在が
どれほど救いになるかを 深く描いた映画でした。

悲しい場面の中で
特に 雨に打たれた後の
タオルをかぶった 猫ちゃんの可愛らしさは
特別です。

YouTubeでも観れるようなので是非。


映画の中で

人間が 猫を飼う のではなく
猫が そばにいてくれるんだ

という台詞が 心の深いところに
沈んでいきます。


今日の絵本の紹介は
どうしたらいいのだろうか と
ブログを始めてから ずっと考えていましたが

映画を観終わり
ご紹介したいな 
と思いました。


いい映画でした。



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仕事でご一緒した 
若い女性の小児科の先生に
絵本を何冊かお貸しした時のお手紙が
挟んでありました。
素敵な先生なので。




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楽しい事を見つけだし 
笑い合う…。

どんな時にも 大切な事ですね。



映画の中で もう一つ 素敵な台詞


   何かいい物語があってそれを語る相手いる
   それだけで人生は捨てたものじゃない


まさに…。


今日も物語を共に過ごした下さり
ありがとうございます。


ごきげんよう…。




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