ごきげんよう


小学校は 修学旅行のシーズンですね。

ヒロシマ に 修学旅行旅行に行く学校も多いと思います。



もう 10年以上 近くの小学校の 平和登校日に 絵本を読ませていただいています。

毎年 一年、二年生に読むのですか 低学年の子達が 聞ける 戦争の絵本は そう多くは ありません。

みんなで 物語の世界に 入れる絵本を探し 読む経験は 私を鍛えてくれます。

そして 小学生達も 昨年聴いてくれた 二年生が 待っていてくれて 一年生を 引っぱっていってくれる という形が ずっと 引き継がれています。

我が子も お世話になった 大好きな 学校です。

 
この絵本は この夏読んだ絵本の中の一冊です。 





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表紙を見て

「これ なんやろう? なんの鍵?」の声が聞こえます。

作家さんの 名前を読み アメリカ人だと伝えると

「えー………」


この絵本の前に 原爆の 紙芝居を 読んでいることもあり 驚きの声が あがります。









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真っ黒に 焦げた お弁当。

子ども達の表情が 変わります。





私が 一番 心に 刺さったのは







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綺麗な 無傷の ワンピースです。

「持ち物も 人格  」という 言葉に 納得する私は
このワンピースの持ち主を 思い巡らせ  胸がつまります。




そして


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表紙の鍵です。

何の鍵なのか 何のための鍵なのかが わかり みんな 言葉もありません。






原爆記念館に 収められている 展示物の 持ち主の名前を あげながら エピソードが 続きます。


持ち主の 姿が 浮かんでくる 写真ばかりです。





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足音が 聴こえてきそうです。









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子ども達が 一番驚いた 人の影が、やきついた 石段です。


想像を超える 恐ろしいことが おこったことが 伝わっているのが わかります。



先生方も 子ども達の 集中力を 感じ 伝えてくださいます。

私は 絵本が 見えるように 動きながら読むので

「みんなが 絵本を見つめ 全員の頭が 同時に 動くんです」と にっこり子ども達を見つめながら 教えてくださいます。






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最後の ページでは この絵本に登場した 遺品のエピソードが ふりがな付きで 載っています。




展示されている 一つ一つに 当然 持ち主がいて その日常が とても自然に 子ども達にも伝わっていくのがわかります。




毎年 先生方は 子ども達の 感想を まとめ届けてくださいます。

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私も 毎年 読み返し 気持ちいっぱいの 感想に 勇気づけられ 絵本を選び 読ませていただきます。



今年も 気持ちの こもったお手紙を 一生懸命書いてくれて ありがとうございます。
優しい言葉が あふれていて 嬉しいです。
大切にします。



先生方も 毎年 子ども達のそばに座って 御自身の物語として 聴いてくださいます。

校長先生が  一緒に 聴いてくださった今年の 経験は 子ども達にとって 貴重な思い出に なったはずです。

大人が 物語に 引き込まれている姿  物語を共に観る大人の 胸の震えも 子ども達をより深いところへと 向かわせます。



それが 子ども達にとっては すごく幸せで 豊かな経験と なります。

「図書室で この絵本をみんな 本当によく読んでいます。もぉ 取りあいです!」にこにこと 嬉しそうに先生が 教えてくださいました。


この 大人の 表情や 感受されたことが また 子ども達に 巡っていく…


私が 一番 お伝えしたい事 です。



以前にも「 知る 」ことから 始まる本を ブログに書いてきましたが

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(2016 10/26「黄金の山より 貴重なもの という思い」参照) ヒロシマ ナガサキも 何が あったのか 知る ところから はじまります。



ヒロシマ を見てきた子も これから 行く子達も 
絵本を読むことで 少しでも 見方 感じ方が深く
優しく なってほしいです。

何より一人一人の思い出深い 修学旅行でありますように…


八月だけ 平和の本として 読むのではなく 日常のなかで 読んでほしいと思うのです。




子ども達の前で 絵本を閉じ この絵本は 裏表紙と表表紙と つながって見る 絵本だと 伝えました。

表紙に戻ると 「この鍵が 何か わかった‼︎」と 子ども達が ちょっと誇らしそうでした。


絵本の裏表紙 表表紙の 意味が わかると より絵本が 味わい深いものと なります。


そして 二回目 読む時は 表紙の意味が わかったうえで 読んでいく事になります。


それも 伝えられて 嬉しいなぁと思うのです。





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「ただいまー」って 子どもたちが 家に帰ってくる事  今日も 何事もなく 日常が 流れていく事は
とても幸せな ことです。


 

今日の物語は これで おしまいです。


それぞれの ヒロシマ ナガサキを 胸に おさめて
いただけますように…