国際球界関連情報 | 欧州野球狂の詩

欧州野球狂の詩

日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

(1)オランダ人右腕がマリナーズと契約

 オランダからまた1人、マイナーリーガーが誕生することになりました。L&Dアムステルダム・パイレーツに所属するトム・デブロック投手(17)が、このたびドイツ・レーゲンスブルグでのMLBヨーロッパアカデミーへの参加を経て、マリナーズと契約することが決まったのです。


 デブロックは今年、イタリア・ティレニアでのMLBアカデミートーナメントに参加した他、チェコ・プラハで行われたヨーロッパジュニア選手権でも、オランダ代表の一員としてプレーしました。オランダの野球情報サイト「Honkbalsite.com」によれば、今後は9月にアリゾナ州でのインストラクションリーグに参加し、来年2月にピオリアでのスプリングトレーニングに合流する予定とか。チームに在籍するオランダ人選手では、ラース・ハイヤー投手とスコット・ローネンバーグ投手に続き3人目となります。


 デブロックと同世代のオランダ出身マイナーリーガーでは、今季は既にラチッド・エンゲルハルト内野手(オリオールズ)とルアー・フェルカーク内野手(ツインズ)が大西洋を渡ることが決まっています。3人ともまだ17歳と、これから経験を積む時間はいくらでもあります。ともにジュニアユーロを戦った盟友たちに刺激を受けて、アメリカの地でも大いに飛躍してもらいたいものです。


ソース:http://www.mister-baseball.com/dutch-rhp-tom-de-blok-signs-seattle-mariners/


(2)キューバ最強の一塁手が亡命、MLB入りへ

 キューバからまた1人、スーパースター候補生が海を渡りました。今春のWBCでキューバ代表の正一塁手を務めていたホセ・ダリエル・アブレイユ内野手(26)が、MLB入りを目的に同国からの亡命を果たしたのです。


 アブレイユはキューバ国内リーグの2012‐13シーズンで、打率.382、出塁率.535、長打率.735という規格外の成績を記録した怪物スラッガー。WBCでも打率.360、出塁率.385、長打率.760を記録し、世界トップクラスの選手たちが揃う国際大会において、その実力がフロックではないことを証明してみせました。現在は、ドミニカ共和国もしくはハイチのいずれかに辿りついているとみられます。今後はキューバ国外において住民登録を行い、かつアメリカの入国管理局の審査を経たうえでMLB入りを目指すことになりますが、これには数か月がかかるものとみられています。


 今後はアロルディス・チャップマン(レッズ)、ヨエニス・セスペデス(アスレチックス)、ヤシエル・プイグ(ドジャース)という、同郷のスターたちと同じ道を歩むことになるとみられるアブレイユ。しかし、キューバ野球における亡命絡みの話では、先日キューバ野球連盟が選手の資格を国外にも開放し、亡命せずに自由に海外リーグに移籍できるようにするという報道があったばかり。この話との関連性がどうなっていたのかはやや気になるところです。


ソース:http://www.mister-baseball.com/jose-abreu-cuban-star-defect/


(3)五輪競技復帰プロジェクトにあの超大物が参加

 世界野球・ソフトボール連盟(WBSC)が推進する五輪復帰プロジェクト「スイング・フォー・ザ・フェンス」の推進チームに、心強い仲間が加わりました。香港が生んだ映画界のスーパースターであるジャッキー・チェンが、広報大使としてプロジェクトの一端を担うことになったのです。2008年の北京五輪で聖火リレーのランナーを務め、大会テーマソングも歌った彼は、プロジェクト参加について以下のように語っています。


 「野球とソフトボールは現在グローバルに成長を続け、多くの少年少女たちを引き込むことに成功している。この2つのスポーツは、チームワークと規律、そして困難に直面した時にそれを乗り越えるための術を教えてくれる、とても素晴らしいものだ。だから、僕はこの両競技が2020年五輪に復帰することを支持するよ。IOCのメンバーたちから実施種目として選ばれることを、心から望んでいる」


 WBSCの共同会長を務めるリカルド・フラッカリ氏とドン・ポーター氏は、ジャッキーのプロジェクト参加について次のような声明を発表しています。「ジャッキーがこのプロジェクトに、野球とソフトボールのサポーターとして参加してくれることは、我々にとってとてつもない誇りだ。彼はハードワーク、アスレティシズム、決意、そして最高レベルの才能を身を以て体現する国際的なスターであり、それらは五輪種目へと再び戻るうえで我々にとって欠かせない要素なんだ」


 一方、ジャッキーの地元である香港球界のリーダーである、香港野球協会のフィリップ・リー会長もこの知らせには大喜び。「ジャッキー・チェン氏のスポーツやフィットネスへのコミットメント、そして彼が持つ世界的な知名度は、このプロジェクトにおける数えきれないほどのサポーターたちに対して、物凄く大きなインスピレーションを与えることでしょう。そしてそれは、五輪という世界最高峰の舞台に野球とソフトボールを復活させるための、WBSCの活動におけるとても大きなサポートとなるはずです」と、その期待度の高さを強調しています。


 2020年大会における実施種目を決めるIOC委員による投票は、来月8日にアルゼンチン・ブエノスアイレスにおいて行われる予定。野球・ソフトボールは、この投票の対象となる3つの「ファイナリスト」の中に名を連ねており、投票の行方が注目されます。投票日まで1か月を切ってからの、国際的なスターによる大きな後押し。果たしてこれがどのような影響をもたらすのか、大いに注目したいところですね。


ソース:http://www.mister-baseball.com/big-screen-ballpark-jackie-chan-joins-team-put-baseballsoftball-2020-olympics/