【Wahoo!スポーツ】カリブの意地!!連合チームがニカラグア撃破 | 欧州野球狂の詩

欧州野球狂の詩

日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

(2011年10月12日)

【カリビアンオールスターズ3-2ニカラグア】

 これが「小国のプライド」だ。2013年WBCの北中米予選開幕戦で、バハマ・ジャマイカ・米領バージン諸島で作る連合チーム「カリビアンオールスターズ」が、カリブの強豪ニカラグアを3-2で撃破した。協会の資金力に乏しいが故の、苦肉の策が生んだ奇跡。カリブの島々は歓喜に沸いた。


 試合終了の瞬間、選手たちは優勝したかのように大喜びし、マウンド付近でともに抱き合った。肌の色も国籍も、出自も何もかもが違う。共通するのはカリブの英語圏で生まれ、そして心底から野球を愛しているということだけだ。


 背負う国はバラバラでも、チームの一体感は単独チームに勝るとも劣らない。唯一の大リーガーである先発のエース・マスターソン(インディアンス、ジャマイカ)が、自慢の高速シンカーを軸に打たせて取る投球で5回を2失点。後を受けた5投手も、懸命なリリーフでニカラグア打線を0に封じた。2009年WBCでのドミニカ―オランダ戦を彷彿とさせる、守り切っての勝利だった。


 チーム結成の発端はバハマだった。昨年WBC予選が行われるとの報を聞き、単独チームでの出場を検討。しかし強化資金の不足で、バハマ単独では出場が厳しいとの結論に至った。そこでひらめいたのが、カリブ海の連合チームでの出場。水面下でのMLBとの交渉で事前に許可を得たうえで、似たような境遇にあるジャマイカと米領バージンに声をかけ、合同でチームを結成したのだ。


 強化合宿はおよそ2週間かけて、アメリカ・フロリダで実施。2009年大会の日本顔負けの準備期間を割き、選手同士の連携の成熟に努めた。二塁手のカートライト(バハマ)は「もともと同じ英語圏だし、慣れたらそんなにやりにくさは感じなかった。連合チームだからとかは特に意識しなかったよ」と笑う。インディアンスがプレーオフ出場を逃したことで、マスターソンが早い段階から合流できたことも大きかった。


 試合会場では、3つの協会が合同で制定した「カリブ諸島旗」を背負い試合に臨む。もちろん最終的な目標は、それぞれが単独チームとしてWBCや予選に出ることだ。しかし、今はともに1つの目標に向け突き進む。先制の2点適時打を放った遊撃手のリチャードソン(バハマ)は「俺たちが背負うのは、それぞれの国だけじゃない。カリブという地域全体を背負っているつもりで戦っているんだ。次のカナダは強い相手だが、勝つためにベストを尽くすよ」と意気軒高だった。

================================

 はい、2011年初の妄想ニュース記事、「Wahoo!スポーツ」のコーナーです。元ネタは、昨日のエントリで紹介した「カリビアンオールスターズ」。もちろん現時点でこのようなチームは存在しませんが、こういうことが本当にあったとしたら、それもまたドラマだと思いませんか?