これぞ大番狂わせ!!東大が早稲田から5年ぶり勝利 | 欧州野球狂の詩

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 いやー、昨日は久々にびっくりしましたね。えっ、何がって?大学野球ですよ、大学野球!!東京六大学秋季リーグで、なんと東大が我が早稲田から、それも斎藤、大石というプロ注目の2投手から白星を挙げちゃったんです。


 試合前までリーグ戦35連敗中だった東大ですが、2点リードされた3回に山越、高山の適時打で同点。そしてついに6回、春季リーグでチーム首位打者に輝いた2年生、舘の適時打で勝ち越しに成功。1点リードの8回にも2番手大石の暴投の間に追加点を挙げ、4-2という僅差で試合をものにしました。


 東大先発の1年生・鈴木は、緩急を生かした投球で148球、9回を投げ切り2失点。奪三振が1つもなく7四死球と、数字だけ見れば決して誉められたものではないとはいえ、「打たれるくらいならギリギリのところにボールを集めよう」と、際どいコースに投げ続けた結果。事実、甲子園出場経験者がずらりと並ぶ早稲田の打線が、130キロ前後の鈴木のボールにきりきり舞いさせられてました。


 東京六大学の中で、東大は他の5チームと比べ、明らかなハンデを負っています。それは、国公立大学のため、優秀な選手をスポーツ推薦でかき集められないこと。もちろん、日本で最難関の入試を課す大学なので、受験によるブランクという点も無視できません。その割には、中盤くらいまでは割と競ったゲームをしてくる侮れないチームだし、リーグ戦優勝するうえでは、確実に勝ち点(2勝以上)を挙げなければならない相手でもある。なので、プロ予備軍と言っても過言じゃないような早稲田や慶応、明治と言ったチームでも、東大相手にはムキになって本気で勝ちに来るわけ。ただでさえ実力で上回っている相手が、ガチで倒しに来るんだから、そう簡単には勝てないというのが実情なんですな。


 ただ、東大の選手たちだって、決して負けるためにリーグ戦に臨んでるわけじゃない。事実昨日の試合では、「そう簡単に負けてたまるか」という彼らの気迫を随所に感じました。ピンチを再三作られても、投手が最後のところで踏ん張り、バックもしっかり守り切って、打線がワンチャンスを生かすという、まさに「番狂わせを起こすためにはこうすべき」というお手本のような内容。去年のWBCでの、オランダ対ドミニカ戦を思い出させられた気がします。早稲田からしてみれば、初回の二死満塁などチャンスであと一本が出なかったことが、終盤の焦りの伏線となったんだろうな。


 それにしても、圧倒的格上の相手である早稲田に勝ち、斎藤佑樹の通算30勝を阻止した東大の御手洗監督と選手の皆さん、本当にお見事でした。おめでとうございます。俺は現役早大生ですが、この試合に関しては、途中から東大の応援に回ってました(笑) 今年は、チームとしてもかなり実力を伸ばしているとのこと。これからも、六大学を盛り上げられるよう頑張ってください。


 しかし、斎藤と大石大丈夫か?特に大石、昨日は最速150キロ右腕が140キロ前後しか出ず、制球も最悪の部類。ドラフト目前のこの時期の不調は、正直彼らにとっては痛手だと思うんだけどね…。年は彼らの方が1つ下とはいえ、同級生としてプロにはぜひ行ってほしいと思っているので、少々心配です。


※以下蛇足※

 ミスターベースボールのサイトが、昨日からどうやら見れなくなっている模様。ヨーロッパ方面の野球事情を知る上での重要な情報源なのに、どうすりゃいいんでしょうかね?