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日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

 昨日行われた高校野球宮城県予選で、東北学院の投手が熱中症で病院送りになったらしい。


東北学院・本田圭佑、延長15回完投!本家超え8強へ…宮城大会

7月22日8時0分配信 スポーツ報知

 ◆第92回全国高校野球選手権 ▽宮城県大会・4回戦 仙台商4―4東北学院=延長15回引き分け再試合=(21日・Kスタ宮城) 全国各地でケイスケ君が大暴れだ。石川ではW杯南ア大会で活躍したサッカー日本代表MF・本田圭佑(24)=CSKAモスクワ=の母校・星稜が8回コールド発進。“松井秀喜の再来”との呼び声高いスーパー1年生・森山恵佑が公式戦初スタメンで3安打と鮮烈デビューを飾った。宮城では東北学院のエース・本田圭佑(2年)が仙台商戦で延長15回215球の熱投。引き分け再試合となり、試合後は熱中症で救急車で搬送された。

 この男、やはり「持っている」。東北学院の本田圭佑は「名前だけ」ではなかった。延長15回。2死満塁で、サッカー日本代表のエースと同姓同名の右腕は最後の力を振り絞った。相手の打球がフラフラと頭上に上がる。遊飛で試合が終了したのを確認すると、味方に抱きかかえられるようにして整列した。15イニング、215球。打者66人に1人で立ち向かう熱投に、主将の板井剛基(3年)は「頼もしい投球だった」と声を震わせた。

 “本家超え”がかかる一戦だった。岡田ジャパンが南アフリカW杯で敗退した16強の戦い。しかも、相手の仙台商のユニホームカラーはパラグアイと同じ赤と白。しかし、こっちの本田は譲らない。相手ベンチから「本田圭佑はベスト16で終わりだぞ!」とヤジられても動じなかった。延長に入ってからは足元がおぼつかない。味方に声をかけられても笑顔も返せない。だが、決め球の「無回転」チェンジアップと強気の直球を武器に何度もピンチを切り抜けた。

 この日の仙台市の最高気温は約35度。試合後には熱中症の症状があったたため、すぐに救急車で病院に搬送された。22日の再試合で登板できるかも分からないが、魂の投球は味方に勇気を与えた。日頃から「本田選手のように強くなりたい」と漏らす右腕。だが、女房役の捕手・山川陽介(3年)は「本当に強いからこそ言える言葉だと思う」と言う。この試合での輝きは、本家にも負けていなかった。
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 名前がサムライブルーのエースと同姓同名で、記事の書き方にかなりこじつけ感があることはさておき。

 なんでそんな状態で途中交代させなかったの、監督!!

 最近の猛暑には、皆さん正直堪えてると思うけど、真夏のマウンド上は暑いなんてレベルじゃない。俺も実際経験あるからわかるけど、時には40度だって平気で越えるし、まさに危険水域なんだ。とてもじゃないけど、まともな神経してたらあそこで215球も投げられないよ。サウナの中で投げてるようなもんなんだぜ!?

 なのに、東北学院の監督(この人も、俳優の渡辺徹と同姓同名だ)は一切変えなかった。別の記事では「「行けるか?」と聞いたら「行けます」と答えたので投げさせた」なんて言い訳してるけど、それでも危険と判断したら引きずってでもマウンドから降ろすのが、指導者としての仕事じゃないの?監督が判断できないなら、主将が無理言ってでも降ろさせるべきだった。それが、本当の意味での仲間を思う気持ちなんじゃないの?そりゃ、ほとんどの投手は「行けるか?」なんて聞かれたら「行ける」と答えるにきまってるよ。もともとプライドが高い人種だし(俺はたまたまそうじゃなかったけど)、トーナメント制だから負けたら全部が無になってしまうしね。

 だからって、指導者がそれに流されちゃだめだ。選手生命が絶たれることも選手にとっては辛いけど、それ以上に死んだりしたらどうすんの?たとえそれが、本人が続投を望んだ結果起きたことであれ、遺族には一生かけて償わなくちゃいけないんだぜ。確かに高校野球においては、勝利は大事なものだ。上でも言ったように、たった1つの黒星が文字通り「ゲームセット」を意味するわけだからね。でもそれ以上に大事なのは、やっぱり人の命じゃないのか?日本最高峰のプロ野球ですら、先発投手は中6日置いている現実を考えるべきだ。死者を出すリスクを犯してまで勝とうとする、そんなものはもはやスポーツじゃないよ。

 また「野球の本質が変わる」なんて言われるかもしれないけど、やっぱり高校生年代はWBCやアメリカのアマ野球みたいに、投球数制限と登板間隔の制限を設けないとだめだと思う。もしそういうルールを作れば、9人ぎりぎりで出てくるような高校の大半は、間違いなく甲子園には出られなくなるだろう。でも、犠牲者が出るような今の仕組みに比べたら、はるかにマシだと思う。今までにも、今回のような腐った根性論に基づいた、高校時代の登板過多などが理由で、ダルビッシュや涌井、前田健太みたいな投手になる可能性を断たれてしまった元選手だって、日本には大勢いるはずだ。日本球界全体のためにも、これ以上そんな被害者を増やすようなことはしてほしくない。名もなき一高校野球ファンとして、それだけはぜひ言っておきたいと思う。