私がフリーになった頃、コンピュータ業界は本当に人出がぜんぜん足らない状態でした。
世の中の企業は一斉に我先にとコンピュータに手を伸ばしていき、人出が足らずに掛け持ちをするフリーエンジニアもいました。
午前中は一緒の現場にいるのですが、午後からは「○○に行くから今日はこれで帰るから!!」と言って、帰って行きました。
当時、私はフリーになったばかりの人間だったので、未だ詳細設計ができるレベルでした。
掛け持ちをしていたSE(システムエンジニア)はさらに上位工程ができる人たちだったので、私はやったことがありませんでした。
午後から別のところに行くと言って、酒を呑みに行ってたり、家に帰ってたりする人がたくさんいました。
質は今に比べれば最悪で、くずのような人間がたくさんいました。
それでも、人出が足らないから続けることができた状態です。
2か所と契約しているから1月1人月も働かないでもらえる金額は2人月分です。
1人月100万円という仕事もざらだったので、そのようなくずの人でも200万位貰っている人もいました。
その他にも飲み屋でリクルート活動です。
たまたま隣に座っている全くの他人に話しかけて飲んだ勢いでちょっと仲良くなり、
「仕事は何をやってんの?」
「いくらもらってんの?」
「コンピュータに興味ない?」
「いくらもらえるよ!!」
てな具合で取引成立!!
当時は全くの別業界の人が明日からはコンピューターのプログラマとして通用していました。
1ケ月のメーカー教育まで着いていたのでそういうことが可能だったのです。
昨日隣で酒を呑んでいた全くの超初心者を今日はメーカーに月50万円で販売をして、本人に30万円渡せば大喜びで、自分は20万円の儲け!!なんていう時代が本当にあったのですから!!
そんなことがあって、この業界はくずの吹き溜まりとなっていったのであります。