小説~HAL~王子の行方。 | COCONUT☆HEADBUTT!!

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よろしくお願いしまーす(^0^)

「佐藤院長からよ。」


慌てて電話を俺の部屋に繋いだ母親が言った。


「何だかお急ぎらしいから、

早く出て。」


「もしもし?」


受話器を取る。


「自宅にいるのか?」


開口一番、院長は

気の抜けた声でそう言った。


「はい?いますけど…?」


自宅謹慎を言い渡したのは、

あんたじゃなかったっけかの科白を飲み込む。


「あの子は?

あの子は一緒じゃないのかね?」


「あの子って……王子、じゃない、

神生くんがどうかしたんですか?」


「いないんだよ。

見回りに行ったらいなかったとかで、

今、病院中探して……」


「決まってるわ!

またあいつが連れ出したのよ!!」


受話器の向こうで、

中澤涼子の叫び声が聞こえた。

地団駄でも踏んでそうな勢いだ。


王子が、いない?


「静かにしたまえ。

いや、いいんだ、

もう少し、探してみるよ、

いや、夜分にすまな……」


「待ってください!」


電話を切ろうとする院長を

引き止める。


「いつからいないんですか?」


「12時の見回りの時にはいたらしい。

ずっと泣いてて……」


時計を見る。

もう40分は経ってる。


「何か言ってませんでしたか?」


「何を?」


「ガイザーはどこって聞きませんでしたか?」


「ガイザー?中澤君、あの子にガイザーはどこって

聞かれたかね?

あの子はしゃべれないんだろう?あ!

中澤君!」


「もしもし!ウザい男ね!

何様のつもりよ!」


院長から受話器を奪い取ったのか、

いきなりキンキンした中澤涼子の声が

響く。


「あんたでしょ!あんたがまた連れ出して

隠してるんでしょ!

あたしを陥れるために!!」


「答えろ!!

あの子が行方不明になったとなれば、

あんたの責任問題だぞ!!」


「聞かれたわよ!!

ガイザーはどこ?

ガイザーはどこって、

バカみたいにそればっかり言ってるから、

いい加減あたしも頭に来て

言ってやったのよ!

ガイザーはあんたをおいて帰ったってね!!」


バカな。


「…………屋上だ。」


「は?」


「王子は屋上だ。

それも一番高いところ。

今から向かうから、

屋上を探せ!!

いいな!!」


「何よ!あたしに命令す、」


最後まで聞かずに電話を切り、

車を飛ばして病院に向かった。


間に合ってくれ。


だって、

俺が言った。


迷子になったら、

なるべく高いところから手を振れと。


神様。


ペタしてね


のおおおおおおお。風邪引いたあ。喉痛くてノド、咳が出てゴホゴホ、後頭部がズキズキ胸するんだあ。頭が刺す様に痛いんですけどお。ホントに風邪かしらん恐