これからどうするか考える。
どこから根回しだ?
この病院と言う名の
縦社会で、
研修医が出来ることなんて
タカが知れてる。
「……親父を使うしかねーか~……」
とりあえず、親父に連絡を取り、
最初に入院していたと言う内科医と
中澤涼子の上司に連絡を取ってもらった。
親父は、
珍しいな、おまえが、俺を頼るなんて、と笑った。
確かに、
親父と電話でしゃべること自体が
始めてかもしれなかった。
内科医は思った通り、
男性医師だ。
左手の消毒を頼む。
中澤涼子の上司は、
俺の説明をすべて聞いてはくれたが、
憶測で担当を代えるわけにはいかない、
と言った。
ごもっとも。
資料をそろえます、と答えて電話を切る。
あと……、なんだ?
ああ。
控え室に戻り、
業務報告用にあてがわれたパソコンで、
ガイザーを検索する。
王獣騎士ガイザー。
ヒットした項目は、
想像通り、テレビの着ぐるみヒーローだった。
公式ホームページをクリックすると、
ライオンをモチーフにした
黄金色の剣を構える正義の味方が
大写しになっていた。
これ?
すでに最終回で終わってるらしく、
ご声援有難うございました、と出ている。
主人公の鷹原隼人をクリックして
王子にガイザーと呼ばれた謎が解けた。
似てた。
確かに。
長めの前髪とか、
顎の形とか、
目のあたりとか、
俺、
鷹原隼人にそっくりじゃん。
ほよほよーん。GWなので温泉に行くよーん。)ワクワク~
ってか、学、この時点では、27歳設定なんですけど、ちょっと子供過ぎかな。