小説~ONESTAR番外編~リホちゃんの逆襲 | COCONUT☆HEADBUTT!!

COCONUT☆HEADBUTT!!

よろしくお願いしまーす(^0^)

小説~ONESTAR番外編~


「ナカジマ!!」

「おまえ、バカじゃねーの?サヤマリュージにケンカ売るなんて!殺されるぞ!」


殺されはしないと思うけど、再起不能にはなるかも。

キレたリュージを誰も止められない。

たぶん、リホちゃんですらも。


「言えねーかー。」


リュージは、靴の先で倒れこんだチャラ男を転がす。

チャラ男を取り囲んでた男達は、飛び退ってリュージから逃げた。


「……す、すいませ……」


チャラ男が、息も絶え絶えに謝った。


どうする?

羽交い絞めにしてリュージを止めるのと、

体育館まで全力疾走して、先生を呼んでくるのと、どっちが効果がある?


「……謝んのは俺じゃねーだろ。」

「……え?……」


地面に仰向けに倒れてるチャラ男の顔スレスレを、リュージは勢い良く踏みつけた。


「ヒッ!!」

「リョーコに謝れっつってんだよ。」


チャラ男は、恐る恐るあたしを見た。


何?

あたし?


「……す、すいませんでした。」


チャラ男があたしに謝ると、lリュージは、「許してやれよ、リョーコ。」と言った。

あたしが慌てて頷くと、リュージも満足そうに頷き、あたしの肩を抱いた。


「さーて、ライブ行くぞ~。」

「あ、あの、リュージ。」


あたしの背中で、チャラ男を囲み、

男達が「大丈夫かっ!!」「しっかりしろっ!」って大騒ぎしてる。

誰かが叫ぶ。

「おまえ、あのサヤマを怒らせてこの程度で済むなんて奇跡だぞ!」


そう、その通りだ。

リュージが、あの程度で治めるなんて。


「リホコ!来いよ、何やってんだよ。」


大丈夫かしらと男達を見てたリホちゃんをリュージが呼ぶ。


「あーあー、おまえ、ちょっと右手、来てるぞ。ギター弾けなかったらおまえのせいだからな。」


リュージは、

走って追いついたリホちゃんじゃなく、あたしに言った。


「無茶しやがってよ。どーせ、リホコが囲まれてんの、あたしのせいだわ、何とかしなきゃとか思ったんだろ。」


その通りだ。

だって、遅れたあたしのせいだし。


「だからって男4人に向かってくなよ。俺呼べ、俺をさ。」

「う、うん。」


何?

じゃ、今のは、リホちゃんじゃなく、あたしを助けに来たってこと?


「ねえ、リュージ。」


ドキ。

あたし達に追いついたリホちゃんが言う。


「あたし、チケット持ってない。」

「えええっ?!おまえ、ヤマザキからもらってないの?」


びっくりしたリュージがあたしの肩から手を離す。

急に、肩が軽くなる。


あ……れ?

そりゃそうでしょ。

あたしの肩には、何も乗ってないんだから。

だけど、何だろ?そんな軽さじゃなくて、

何?これ。


「おまえ、チケットとっくにソールドだぜ?どーすんだよ。」

「何とかなるかと思って。」

「思ってじゃねーよ、チケット手に入れられなかったヤツの方が多いって噂だぜ?」

「だって持ってないんだもん。ちょうだい、リュージ。」


リホちゃんがリュージに手を差し出す。


「いや、俺の余ってたチケットもケンヤに返したし。」

「じゃ、あたし、入れないじゃん。」

「リュージ、ヨッシーに電話したげて。ヨッシー、チケット持ってるはずだから。」

「あ?ああ、そっか、ちょっと待てよ。」


リュージがごそごそポケットから携帯を出して、ヨッシーに電話をかける。

「どうしてヨシアキがチケット持ってるって知ってるの?」

「え?」


携帯で話してるリュージから目を離さずに、リホちゃんがそう言った。


「そう思っただけだよ。」

「ふうん。ねえ、どうして遅刻したの?」

「ごめん、ちょっと時間間違って……」

「あっちから来たよね?あたしより先に来てたってことだよね?」

「そ、そうなの、時間間違って早く着いちゃったから、図書館行ってて、」

「ねえ、どっちと一緒だったの?」

「え?どっち?」

「リュージとヨシアキ。」


そう言うとリホちゃんは、やっとあたしを見た。

唇の端を上げ、うっすらと微笑む。


それ、

笑ってるの?怒ってるの?

どっち?


ペタしてね うっへー、リホち、こえーっ苦笑番外編、続きます!