Mackie ONYX 800R 導入しました!! | KT Studio Works

Mackie ONYX 800R 導入しました!!

もう何年探してきたことか。念願の1台が届きました。

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Mackie ONYX 800R

音質と価格のバランスが取れた数少ない製品だと思います。チャンネル単位で48V、LOW CUT、PADのON/OFFが出来る上、1-2chはMS Decoderやマイクのインピーダンス切り替えまで付いているという充実ぶり。でもメーカーからしてみたら採算が取れなかったのか、流通量はあまり多くなかったみたい。 Mackie製品はよく需要と供給のバランスが崩れるって個人的なイメージ。最近はBig knob、しばらく品薄感が続いて、最近国内でもようやく出回り始めたみたい。代理店さんも苦労を強いられている様に思われます。

この800Rを手に入れる最近まで、PreSonusのDigiMax D8をメインのマイクプリにしていました。特段不満は無いんですがね、もっと良くなるなら良くしたいという願望から、800Rが手に入るチャンスをここ何年も待っていました。
奇しくも800Rと同じ時期に流通していた1200Fも入手のチャンスでしたが、こっちはプリというよりI/F寄り。ならばProTools9との組み合 わせも悪くないと思いつつ、中長期的に見てドライバの対応が怪しい。ルーティングの変更もFireWireで繋ぐ必要があるし、録りの最中にそれやってら れないなと。12chというプリの数は魅力的だったけど、現に今、主に歌で1ch、とあるに生楽器に1ch、しかもそれらを同時に録ることが無いので、 8chでも多いくらい。それに1Uと2U、どっちも一長一短ですが、ずっと狙っていた800Rで落ち着きました。

音質はさすが。適当にSHURE SM57やRODE NT2でチェックしてみましたが、DigiMax D8と比較して特に中域の情報量が多い印象。
かつてはMS1202のプリ部を使って歌を録っていたこともあるのですが、Mackieらしい独特の"太さ"はこの機種にも健在。それでいて強烈な癖はないので、ソースを選ばず万能に使えそうな予感。GAINも稼げるし、持っていないけどリボンマイクに試したらどんな感じになるんだろうと新たな興味が湧いてきたりして。


さて、1Uという決して大きくない筐体に8chのアナログとデジタルの入出力を持っている同製品、乗りこなすにはまず必須とケーブルが...

8chマルチ

完成品がコレ

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既製品はどうしても高い上、プリとAudio I/O同士を至近距離に設置する身としては1mか精々2mもあれば十分なのに、192 I/Oとの組み合わせ = スタジオを想定しているのか、カスタムオーダーしない限り3m前後からか多いみたい。となれば自作です。まだ自分のものと確定していない、支払い前の時点から製作し始めたりして(笑) もう準備は万全!


部品の調達をば。
まずは線材。
今回はたまたま会社近くのTOMOCA電気さんで、リール切り売りの切れ端を1mという絶妙な長さかつ価格で入手出来ました。
ずっと気になっていた、Belden 1512C
普通に買ったら¥1,400/m前後のところを、何と¥500 !

初めてのBelden製マルチ、堅くて取り回しはしにくいですが、許容範囲。
これだけしっかりした造りが堅い理由がなのだから、むしろ感謝すべきところ。

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針金並に堅い寄り線の芯を中心に、銀紙と薄い紙で8本がコーティングされていました。


続いてはD-sub端子。千石電商さんへ。
側のカバーは音声信号が通るわけではないので、音への影響はゼロではないにせよほとんどないであろうと割り切って、"台湾製"とやらの安っすいのに。

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もっと安いのは探せばあるんですが、譲れなかったのは「手回し」仕様であること。安いのにこの条件はバッチリ クリア! (^^)b 手回し仕様で割高かと思いきや、ミリとインチ両方のネジが付属しているというまさかの充実ぶり。Mackieは米国のメーカーだけに、事実インチネジでした。
「手回し」カバーといえば、個人的には真っ先にHRS(ヒロセ)製品が思い浮かぶ訳ですが、今回入手したものに比べてかなり高い。¥1,000前後? 高いなりに手回しの部分も太くて使い勝手がいいんですがね、でもせっかくお金かけるなら音に影響する他の部分かなと思い、コネクタは奮発して日本航空電子製のものを選んでみました。

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ノーブランド品はなんと\70、日本航空電子製は¥540、前者が安すぎるのか、後者が高すぎるのか。実際音がどれだけ違うのかは比べようがないわけで、¥70円のそれが超音悪いとも思えない。
ピンの部分が前者は白く、後者は黒いのですが、既製品でも白いコネクタを使っている製品を見るし、正に"安心料"だったか?


お次は、脇役ながら凄く重要な一品
ビニールチューブ

先バラにする側の1chずつをこれでコーティングすることで、絡まりにくくなります。
以前は収縮チューブを使っていましたが、ムラが出やすいので今回から採用。
1512Cは一本一本が太くて堅めなのでまだいいですが、MOGAMIでこれをしなかったら取り回しが大変。絡まりまくる! スタジオで一回配線してしばらく動かさない環境だったら要りませんが、PAだったり出張レコーディングな方々には必須ではないかと。

直径3mmがよろしいと思われ買ってみたものの、ぴったりすぎ。"遊び"が少なくて大変なので、もう1サイズ大きいのでも良かったかも。


そしていざ製作。
ピン配はAvid ProTools 192 I/O や HD I/Oと同じ。
いろいろ調べていたら、どうもこの配列って元々はTASCAM DTRSレコーダーで採用されて、TASCAM独自規格と思いきやいろんなメーカーが採用するようになり、いつの間にかオーディオ業界の標準となっていっ たそうな。少なくともYAMAHA、TASCAM、Avidはこの配列。XLRキャノンがどこのスタジオも大体2番HOT(日本国内においては特に)になっているのも規格が存在している訳じゃないって話に似ているかも。
この各社配列が同じというのはアナログに言えることで、AES/EBUだとかなり違うので要注意!


と、念願の800Rを入手!をご報告するはずが、D-subケーブルの製作記になってしまいました(笑)
でも、材料の調達や半田付けの手間暇を惜しまなければ、ケーブルは自分で作りたいもの。
そういえば数ヶ月、ギターくんが昔ライブで投げていたというボロボロのギターを丹念に直しつつ、本人の要望に添って少々の改造、その時一緒に内部の線材を全部Beldenに変えたりして再生させるなんてこともしました。
再生前はボロボロすぎて音を出せる状態になかったので、実際どの程度音質の改善に成功したかは分からないのだけど、そうやって手を加えると愛着が湧くわけで、実際本人はすごく大事に弾いてくれて、いろんな新しいテイクを量産してくれるようになったなー (*^o^*)

「良い音」「良いテイク」の基準は人それぞれだけど、そのこに辿り着くためにあらゆる手段が考えられるはず。
気の合う仲間とのコミュニケーション
手元の楽器や機材に対する趣向や愛着
地味だけど、それらが確実に良い音楽を生み出すと思うし、そう信じて止みません。