SONY MDR-CD900ST の修理 その2 | KT Studio Works

SONY MDR-CD900ST の修理 その2

さて、今年初のエントリーです。
既に10日過ぎてしまいましたが、あけましておめでとうございます。

昨年を振り返ってみると、投資した年だったなと。
特にプラグイン系。セールを狙って買い漁り(笑)
制作中の音源は未だ1曲として完成を見ていないものの、いろんな試行錯誤が近い将来実を結ぶかと。
最早この場所が音響機器の買い物レポートみたいになっていますが、ありがたいことに、この筋の分野に興味あるなし関係なく、「読んだよ」と声を掛けてくれる周りの友人知人からの評判が上々です。「長いよね」ともよく言われますが。

今年もゆるーく書きたいことを書きたいときに書いていきますのでお付き合いくださいませませ <(_ _)>


さて、昨年も良い勉強になったヘッドホンの修理について、今回はまた別の個体をいじってみました。
所有のヘッドホンもかれこれ4個目。レコーディングに関わる人が今年は増えそうな予感、かつ増えてくれていろんな刺激が生まれることを期待して、その準備。

前回入手したCD900ST はだいぶ疲れ気味だった個体をカスタマイズしながら再生させるという試み。今回は「Rchが死んでいる」という個体をとりあえず普通に使えるように修理です。

まずはテスターで数カ所テスト。
ハンダごてを握るまでは、正直何処に原因があるのか分かりませんでしたが、配線を外しながら更にチェックしていくと、L-Rの渡りケーブル(渡り線、"渡り"とも)が断線していることが判明。これまた厄介な個体を手に入れてしまった。保守用として部品取りにしようかとも思ったのですが、今はヘッドホンの数を1つでも増やしたくて、直してみることにしました。

SONY純正の保守パーツは安くないので、ドライバー等々、代替えが利かないものは純正品を用意するしかありませんが、今回のようなケーブル1本だったら汎用品を使ってみようと会社近くのトモカ電気さんへ。今年も電線の件ではお世話になります... <(_ _)>
というのも、調べてみるとこの渡りケーブルだけってどうやら入手できないみたい。
頭上に当たる部分のバンドにケーブルが通った状態で1つのパーツ。参考までにSONYサービスステーションへ電話して聞いてみました。

HEAD BAND ASSY X-2113-142-2
\3,780

国内で唯一900STの修理をSONY公式で行っているメイクアップ・カンパニーさんから取り寄せた場合は少し安いみたい。
http://www.makeup-c.com/mitorizu/index.html

これはこれとして、今回はちょっといただけない。
そこで汎用品として用意したのがこちらのケーブル

MOGAMI 2368
外形は2Ø、何と40円/m !!

これと併売されていたほんの少ーし太い2.16Øの2901は100円/m
でも今回は2芯で事足りるので2368。細ければいいといって何処のメーカーか分からないただの導線を使うのは心許なかったので、一応メーカー品を。

ここまでの部材調達までは順調。店頭へは普段使っている900STを持ち込んで太さを比べて購入したのですが、何とこれがハンガーの溝に入ってくれない。

KT Studio Works

本来はこうなるはず。
太さはほぼ同じなんですが、2368の方が純正のより硬く、融通が利かない感じ。

しばらく考えます。
素直に純正のバンド買おうかな...
と、そこでふと目に入ったのが長年メインとして使っているMDR-7506

KT Studio Works

ご覧の通り、ハンガーの構造がそもそも違うんですね。
これを応用して、穴を空けて通してしまえと。

早速ピンバイスを用意。

KT Studio Works

MDR-7506をお手本に、この位置へ穴開け。

KT Studio Works

MOGAMI 2368をこの手の修理に使うなら、ドリルの経は2.5mmがいいみたい。
1.5mm、2.0mm 2.5mmの3本が付属しているピンバイスを用意してみたのですが、2.0mmでは小さすぎで、"遊び"を考えると、2.5mmで空けるのが丁度いいみたいです。

KT Studio Works

穴を空ける位置は、もう少し上し上が良かったかと。ハンガーと少し干渉してしまうかも知れない位置。

余談ですが、あまり"改造"には私自身積極的ではありません。やむを得ずその必要があるとき一番に考えるのは、「元に戻せない改造はしない!」ということです。でも改造を平気で出来る技術、応用力みたいなのはいくらでも欲しいと常々思っていますが。今回穴こそ空けましたが、純正のケーブルに載せ替えたときも目立たないレベルかなと。

「元に戻せるように」というのは、世界遺産の絵画を修復する技術者の間でも常にテーマになっているそうです。というか規定がちゃんとあるんですって。
「改造」って定義が難しいですが、メーカーの保証が効かなくなるようなのは「改造」なのでしょう。
もっとも900STにはメーカー保証なんて元々なくて、壊れたら即修理なのであまり関係なしです。
パソコンだったら、ハードディスクを交換しても、工場出荷時のハードディスクを持っていれば、修理出すときに載せ替えて出せる...みたいな感じでしょうか。

KT Studio Works

3種類並べてみました。
左から...
今回の修理品。MDR-7506のハンガーにあるようなケーブルを留める機構がないのでちょっと暴れています。実用は問題なしですが、ここがどこかに引っかからないかというのが少し心配 (^_^;)
続いてノーマル900ST、7506。

修理代ですが、線材が1m 40円に、ピンバイスが1,000円強。えらい安く修理完了! (=⌒▽⌒=)
最後、いつもながらにこの方法で修理をされようとしている方へ、ご参考になれば嬉しいです。


SONY MDR-CD900ST
SONY MDR-CD900ST
posted with amazlet at 11.01.18
Sony
売り上げランキング: 2525


SONY ステレオヘッドホン MDR-7506
ソニー
売り上げランキング: 16046