イエーイ!!ドバイショック?何を騒いでいるのやら、安売りのチャンスじゃん。どんどんオーバーシュートしろ!!ボトムでまってるぜい!!って感じの三日坊主です。こういう時はチャンスなんだから、ごちゃごちゃ言ってないで、みんなそこに乗っかればいいのに。儲けが目の前に転がっているというのに悲観論ばっかり。だから景気も回復しねえんだよ。
上から配分が降ってくるのを待つんじゃなくて、目の前にチャンスが転がってんだから、当てにならないものを待つよりも目の前の手に届くものに手を伸ばせよって話です。その方がよっぽど手っとり早いのに。
なんちゃって。悲観論ばっかりなので、多少明るく書いてみました。
まあこういう時はタイミングですから、そう簡単に復活しそうもないので悲観論が横行してしまうのですが、9000円割れ、8500円割れくらいまでは行きそうですかね。個人的には8000円割れくらいまで行ってくれると尚おいしいのですけれど。月曜日に一気に戻っちゃったらチャンスもクソもないのですが、もう一押し来ねえかな。
日本の政治や経済を憂うような話を書いておりますけれど、それと金儲けは別の話なので、そっちはそっちでよろしくやらせてもらう浅ましさが信条です。さて前回は多様性のお話と、政治的な対立図式が深刻になっちゃったという話を書きました。その辺から続きを書いて行きます。
対立図式を煽って、反対する人を抵抗勢力と名指しして、徹底的にぶっ叩いてしまったが故に、本当は郵政民営化にしたって、小泉改革そのものにしたって、問題点はあったけれど、正しい所だって探せばあるはずなのに、敵対勢力をボロクソに叩いてしまうと、もうそれが正しいかどうかなんて関係ないとばかりに、亀井大臣のような恨みを晴らすための小泉否定、何が何でも否定、全部否定で一つも意味がない。という風になってしまう。
前原大臣が日航の政策でかなりヘタを打っているのも、自民党何が何でも否定という対立図式に対する恨み節が全面に出てしまって、政策的な合理性があれば自民党案だって利用すべきという当たり前の感覚まで失わせてしまっている。見直すと言って意気揚々と拳を振り上げたものの、合理的な政策を埋め込んでおくという簡単なトラップに引っかかって自爆している。ライブドアメール事件再びって感じでした。
民主党の連中や亀井大臣がそういう風に思ってしまうのは、彼らの問題でもあるので、小泉竹中だけのせいではありません。友愛ってどこがだよって気もします。が、そういう敵対図式をあらゆるレイヤーで利用して、何でもかんでも白か黒かで論じようとしていた所は非常によくない事だと思う。特にそこに国民まで巻き込んで、深刻な分断線を引いてしまった。
本当はルール主義を貫徹させなければならない所は、グレーゾーンという言葉がある通り、白黒つけない曖昧な所が多い事こそ、徹底的に是正すべきであったはずで、そっちは適当に誤摩化しているくせに、人の多様性をたった二色で塗りわけて、それをもとにしてこっちか向こうかにわけて考えてしまうような、そういう短絡的な下らないコミュニケーションを蔓延させた責任は許し難いものがあると思える。
だからこの下らない感覚を捨てないとどうにもなりません。政治家や役人達にはある程度お灸を据える必要はありますから、政治家達が政治家やステークホルダーに対して、ある程度恨みを晴らす必要はあるでしょう。やられたらやり返さないと所詮は権力闘争ですから、甘い事は言っていられないのかもしれない。しかし民主党を支持したくせに納得がいかないと拳を振り上げている一般の国民を斬り捨てるような事があっちゃならない。そういう人達が全く納得がいかないような状況に放置してしまえば、破壊されてしまった対立図式の修復は困難になってしまう。
亀井大臣のようなお人が、別に支持されたわけでもないのに政権党に入ってやりたい放題にやっている図式は正直自分だって腹が立つし、社民党の福島なんかが、わかったような顔をして足を引っ張っている光景なんかを見ていると、イライラするし、正直、「死ね!!」と思ってしまう事もしばしばです。大っ嫌いなんですよ本当は。が、そういう人達を支持している人達も少なからずいるわけで、敵扱いしてしまえば、小泉を否定した意味が無くなってしまうのではないかと思える。
最終的にはいずれにせよ決断は下さないとマズいわけで、それをグズグズしているわけにも行かないけれど、反対している連中を敵扱いしてボロクソに叩くような事を繰り返すのは実りがなさ過ぎる。反対する人にはその人なりの理由もあるし、それをまあ多くの人が賛成しているから、納得は行かないけれどしょうがないと思ってもらうような説得を怠っちゃマズい。それを繰り返す事がルサンチマンを中和する効果が多少は期待出来るのではないかと思えます。
それ以外にも目を覆いたくなるような、明らかに適性を欠いていると思える、愚かな閣僚達の振る舞いも目立って来ている。それを任命した鳩山首相の力量もその程度なんだろうし、文句は山ほどあるし、はっきり言って自民党のバカ大臣とレベルは一緒の閣僚もちらほら見える、さっさと首にしろと言いたいのは山々。
しかしコイツらをバカ扱いして叩いても、肝腎の今のこの国の問題の根源には届きません。スッキリするかもしれないけれど、益々出口は遠ざかってしまう。だからバカに向かってバカと言ってもしょうがないので、そんな事に時間を割いている場合ではない。どうやって今の状況を打破するのかを考えないとどうにもならない。
経団連なんかが言う民主党の政策が成長戦略が無いという意味は、今まで通り大企業優遇の方向性を維持せよという意味であって、これからの方向性として目指している日本の社会の姿とは何の関係もない。彼らの企業に金が残り、株主利益が増えるようにしろという意味です。もちろん経営者としてはまあ言い分はわかります。しかしそこを優遇しても、株主の半分は外国資本なので儲かっても海外に流出してしまう。様々な規制緩和をやっても、海外に出資をして行って、海外で資産が増殖して行くだけで日本には帰って来ない。海外から投資が集まって国内の経済成長に繋がればいいけれど、日本の国内の企業に投資をして日本を買う人なんか殆ど出て来ない。借金まみれで、人口は減って行き、超高齢化社会を迎える全く魅力のない国に成り果てている。これを魅力ある国へと変化させる為には、ただ企業を優遇したってどうにもなりません。
黒船だハゲタカだと騒いでいたけれど、実態は日本が黒船として海外に進出していった所ばかりで、逆は殆どなかった。どっちがハゲタカなんだよって話です。まあもちろん日本の企業が外国行って非常識な事をしているわけではないのでハゲタカじゃありませんけど、というかむしろ日本人に対する扱い方よりも外国で外国人に対する扱い方の方が人としてまともに扱っているような気がする。だから規制緩和は規制緩和で別にやるのは構わないけれど、今の構造のままだと、それが日本の多くの国民にとって何らかのプラスになるのかと言えば、殆どが企業が儲かるだけで、多くの国民にその実感は殆ど感じられない構造に変化してしまっている。だからみんなで文句を言っていたのでしょう。
もちろん企業は企業で、マーケットでの競争によって利益を最大化するべきだし、そのこと自体を否定しても仕方が無い(これを悪者扱いする言説もあり、意外と人気があるのが厄介なんですが)。だけど、それが国民生活には直結しない時代に変化しているのだから、それを国策として優遇して行く意味は無い。日本の社会に対して何らかの還元をするようなコミットメントのある企業を優遇すればいい事です。
そういう大企業の広告費に支えられている新聞やテレビが、民主党は成長戦略が無いと言うのも、要するに広告主にとって有利な政策ではないと喚いているにすぎず、ここまでグローバル化が進み、末端まで景気回復の実感が起業の好業績とリンクしていない時代である以上、成長するための戦略そのものが、これまでの必勝パターンには頼れなくなってしまっている。
今までは大企業の工場、製造業にばかり金を出して来た。これからはそういう所を優遇する必要は無い。むしろそこからどうやって金を取り上げるのかを考える事の方が大切で、もちろん取り上げるだけでは本当に逃げてしまうので、社会に還元する事によって優遇されるようなインセンティブメカニズムを設計していく必要がある。企業が日本社会にコミットするようなインセンティブをどうやって埋め込むのか?いかに分権化のリソースとして企業を動機付けるのか?その辺が課題でしょう。
そして例えそうであるしかないとしても、現段階ではそれでも日本経済を底支えしているのもやっぱり間違いないのも確かであり、ダイレクトに景気回復の実感を多くの国民的な実感として感じられなくとも、それで儲かって楽になる人もいる事は確かですし、好業績と末端までの国民にとっての好景気がリンクしていない時代とは言っても、業績悪化は結構ダイレクトに国民生活を直撃してしまう、これまた厄介な構造に変化してしまっているので、末端にポジティブな影響がトリクルダウンするのは時間がかかる上に反応もしょぼいものしかなくなっているのだけれど、ネガティブな影響は速攻響いてしまう。だからこれからは大企業優遇から方向を転換すると言っても、いきなりそんな事が出来るわけもないので、今のパッとしない景気の状況からして、それらを全く打たないで、放置しておくというのも、不満を増大させる要因になる。
つまり大企業を優遇するなという事を要求しながら、それを実際に貫徹して景気回復の見通しが立たなければ、何をやってんだ!!と不満が出て来てしまう。優遇するな!優遇しろ!!二つの解決不能な命題を突きつけている事になる。これに答えるのは簡単な話じゃない。
企業にとってありがたい政策も打つ必要があるのだけれど、それが国民生活にとって問題の先送りではなく、未来への先行投資になるような布石も同時に打たないとマズい。何らかの立ち位置をとった瞬間に、梯子を外したい人がいっぱいいるわけで、そういう連中もそれなりに納得行くような状態にしてあげないと、余計へそを曲げてしまう。
これらを同時に何とかする方法というのは非常に限られていて、どれも確実じゃないと言ってしまえば、何も出来ない。
今民主党不況だと自民党なんかがほざいていますが、デフレ宣言したと言ってもこれまでそれを誤摩化して来たのは自民党ですし、無策だったのも彼らの責任です。が、現政権は民主党ですので、今適切な対策を打てるかどうかは民主党にあるに決まっている。
どうもその能力がないのか、それともやる気がないのか、今イチ反応が鈍いのですけれど、民主党が市場の不信任に対して割と無反応であるのは、背景にこの問題があるわけで、例えば市場を安定させてデフレに対処出来たとしても、その事を国民的な景気回復として実感出来ない時代になっている。かといって対処しないでいると無策だと叩かれる。
多少インフレ気味になるくらいの金融政策によって、おもいっきりケツを押してやらないと日本の景気回復はないのは確かなので、そういった政策は必要なんですが、それが国民的な実感としてトリクルダウンするまでには時間がかかる上に反応もしょぼいものになる。そしてインフレ気味になっているにもかかわらず、国民に景気回復の実感がないとなると、インフレによる悪い方の実感は影響してしまいかねない。
内需中心の産業構造に転換するという事で、円高容認とも受け取れるような発言が閣僚から出て来たりしていますので、どこまで切実に考えているのかはわかりませんけれど、内需中心型の産業構造へ転換すると言ったって、その具対策も打ってないのに、円高をただ放置しているだけでは、構造転換なんて進まないし、実際問題、今失業している人や就職の当てのない人達はいっぱいいるわけで、今の産業構造のまま円高を放置しておけば日本の経済は打撃を受け、そういう時だけは末端がダイレクトに痛い目に合う。
とりあえず合意した政策の中で民主党がやると言っているものの中では、高速道路を無料化してしまうという方法が、両立不可能な要求に対して一定程度満たせるのではないかと思える。だからこれに反対するのは反対するで、それは人の自由なんで好きにすればいいのだけれど、それじゃ具対策が何かあるのか?それよりも確実な方法で両立不可能な要求を満足させる何らかの方策があるのか?それを考えないと話は前に進まない。
しかも民主党が掲げている政策の中からです。勝手に何らかの政策を国民の合意もないのに押し進めるようになったのでは、それは民主主義とは言わない。自民党と同じになってしまう。その事を考えた方が実りがあるでしょう。どこに金を付けるとか付けないとか何を優遇するしないの話ではなくて、構造転換をソフトランディングさせる為の今までの産業構造に対してもそれなりに景気回復の助けとなるような政策且つ、地方分権、内需中心のポスト工業化社会、超高齢化社会への対処です。
仮に百歩譲って民主制の手続きを無視する事を脇に置くとして、合意出来る何らかの方策があると思えるか?分け前をよこせではなくて、借金を増やさず、財政再建を成立させられるような範疇で、景気対策になるのだけれど、それが同時にこれからの日本の変化に対する先行投資の意味合いも含むような政策が。
そういう事を考えないとどうにもならないような気がする。高速道路なんて無料化しなくとも、何らかの出口戦略があるのであれば高速道路は今のままであったって構わない。それを考える事の方が実りがある。
自分がなぜこの政策にこだわるのかというと、この政策はすでに合意調達は済んでいる。だからそれをやっても、手続き的には問題はないはずで、後はそれを国民が梯子を外さずにはいられないとか、民主党が合意調達をしているという事を背景にして突破する事を躊躇してしまうか、そういう問題があるだけです。
しかもこういう問題は支持率が下がり出したらもう手遅れでもある。実際すでに民主党の議員や閣僚の間からは若干及び腰になっているような感じも見受けられる。マニフェストマニフェスト騒いでいたのに、それの意味が分かっていないのだから、どうにもならない。何とかに付ける薬は無い。
バカに向かってバカと言ってもしょうがないので、こんな奴らに期待するだけ無駄なので、とっととやると言った事をやらせてしまわないと何も手が打てなくなる。今のデフレ状況にただ手当をすれば、一時的な景気の回復にはなるだろうけれど、構造転換の為の布石を何も打てなければ、それは将来にツケを先送りしている事にしかならない。同じ事が繰り返されて行くだけで、復活の経路はどんどんか細くなって行く。
高速道路無料化というのはまず大企業にとっては結構減税効果としてバックアップ出来ると思う。ヘタな減税措置なんてしたって、それを必ずしも有効に活用出来るとは言えないわけで、日本の企業の問題である高コスト構造を是正する意味では有効なのではないかと思えます。
高コスト構造のうちまず輸送コスト削減をバックアップするのに非常に意味のある政策だと思う。しかも無料にした瞬間からその効果が出るわけだから、国家に余計な事をお願いして変な裁量を与え利権化や介入を許すより、よっぽど民間の活力を生かせるのでマシだと思える(とりあえず誤解されたくないので書いておきますけれど、自分は民間至上主義者ではありませんよ。民間だって悪い事をする奴はいっぱいいるし、必ず暴走を引き起こす可能性を常に抱えている。そういう事を是正する為に統治権力というのはあるわけで、それを否定するのなら、政府なんて必要ないアナキズムになってしまう。自分は気持ちはアナーキストで権力者は嫌いですが、必要だとは思っています。が、今の日本ではその政府がそもそも一番信用出来ない。霞ヶ関なんて泥棒の類いと一緒でしょう。しかも責任も取らなくて済む。ここまでこの国を二進も三進もいかない状況にしているわけだから、彼らにはその能力もない。もちろん自浄作用なんてあるわけない。だから泥棒で無能で責任も取らない連中に任せるよりは、少なくとも業績に対しては責任を持っている人達に任せて、脱法行為をすればサンクションもあるわけなので、しょうがないから民間に任せた方がマシだという話です。あくまでも)。
暫定的な措置で減税をするとか安くするとか無料にするとかではなくて、将来にわたってずっと無料になるというのは、確実に企業の経営の面では計画も立てやすいでしょう。元々ずっと無料にする為に作ったわけで、有料である事が暫定であったはずですし。
日本は諸外国と比べて、交通機関や輸送機関はトップクラスで発達しているのだけれど、何せコストが高過ぎる。有料道路代、空港使用料、港湾の荷揚げ料金、上海から福岡に持ってくるよりも、福岡から東京に持ってくる方が高い、外国から日本に運ぶよりも、日本の国内を輸送する方がコストが高くついてしまうのだから、ここを是正すると、結構企業は楽になると思う。
そしてこれはもちろん大企業優遇措置というだけではなくて、中小企業にとっても勝負しやすくなる環境を整える意味でも、スタートラインが揃うので、少なくとも輸送コストの面だけで見れば、初期手持ち量や立地の問題をある程度そろえて、勝負しやすくなれると思う。要するに景気対策として結構効くのではないかと思える。
もちろんそれ以外に初期手持ち量の差は圧倒的でもあるので、最適化しても勝つ方は決まっていると言える、それが自由な競争とは言えないのは確かなんですが、そこは中小企業向けの対策を別個で打つ必要はあるでしょう。それを書き出すと話がそれるので、それが必要であるとは思っているし、それは高速を無料化しようがしまいが現段階ですでにある取り除く事の困難な格差でもあるので、高速の無料化とリンクさせて考えるべき事ではないように思います。これはすでに書きましたね。
国民がそれによって旅行が出来たりレジャー観光に生かせるという意味もありますけれど、それよりも多くの企業が輸送のコストカットが出来れば、それは国民にとっても様々な形で好影響を及ぼすでしょう。
そしてなぜこれが優れているのかと言うと、景気対策としてもそれなりに効果があるだろうし、これから目指そうとしている社会を実現させる意味でも非常に効果的であるだろうと思えるからです。分権化の過程では自動車が交通のメインにならざるを得ないと書きましたけれど、そこでもやはり高速道路がただで使えるかどうかはかなり違いがある。
そして一番重要な点は大都市に集中している企業も、その分散化の流れに乗れば地方へと拠点を移す事も出来るようになる。地方にいても輸送コストや交通のアクセスがクリアされれば、必ずしも大都市にヘッドクォーターを置く必要は無くなる。そうなれば地方も活性化出来るし、企業も損益分岐点は劇的に下がるので、経営は楽になる。輸送コストと土地代といった固定費を下げる事が出来れば、働いている人も人件費削減にこれまでほどは怯えないですむ。ここが出来るかどうかが分権化を機能させる事が出来るかどうかの分水嶺でもあると思える。だからそれぞれの地域が企業を呼び込めるように、法人税率を地方の裁量に任せてしまうとか、更に突っ込んだ政策が必要ではあるのだけれど、現段階で高速を無料化にするというのは、そういう事への布石にもなる。
今の日本の問題は経済の損益分岐点をいかにして下げるのか?というのが重くのしかかっている。都市部に大企業が集中していれば、基本的にコストを下げると言ったって、電気を消すとか、コピー代をケチるとか、人の首を切るとか、採用を渋るとか、ボーナスカットするとか、工場を海外に移すとか、そういう発想になってしまうわけですが、海外の方が人件費が安く輸送コストまで日本国内に工場を造っても結局大差ないとか、逆に高くつくような状況で、海外に出て行くなと言ったって、それは無理ってもんです。
今のこの国は何となく大企業を敵かなんかと勘違いしているような風潮があって、敵扱いして文句を言っているわりには、何を言っているのかと言えば、俺を働かせろ、仕事をくれ、って話になる。まあ気持ちはわかりますけれど、なんかおかしくねえか?って感じがする。自分はある時期に会社員から料理人に職を変更してからは、ずっとフラフラといろんなお店、いろんな土地を渡り歩いて来たので(それを料理人は修行と言う。都合がいい呼び方ですね)、仕事をくれと言う感覚が理解出来ない。自分がそのお店にとって必要な人材だという事を認めさせれば、別に欲しくなくとも仕事はある。労働条件が悪けりゃ別のとこに行くか、自分で独立すればいい話で、人に雇ってもらうのに、企業に文句を言って俺の権利を認めろ、と言う感覚が正直全く理解が出来ない。
お客さんが減って売り上げが減れば、当然店が潰れる事もあるわけで、俺の給料を補償して仕事もよこせなんて言えるわけがない。まあ言うだけなら言えるでしょうけれど、言ってもなんにもならない。ある日突然店はもぬけの殻、給料持ち逃げされてトンズラが関の山です。そうなる前に鼻を効かせ、目を光らせて、ヤバくなったら出し抜かれないように自分の身は自分で守るしかなく、別の仕事の口を探すしかない。もちろん労働者の権利というのはあるわけですから、権利を主張するのは当然な事なんだろうけれど(料理人だって労働者である事には違いないはずなんですが、それが問題になっているのを見た事がない)、仕事がないのに仕事をよこせというのは労働者の権利というか、企業に言ってもどうにもならない所もあるだろうと思う。
極端な話、安い賃金の外国人労働者と同じ給料で働けるか?と言えば無理に決まっているし、そういう人達よりも素晴らしく働けるのか?と言えば、同じ人間ですから、多少はいっぱい働けても、人の二倍三倍は働けません。休みも返上し、寝る間もおしんで働くとしたって、一日24時間しかないのだから、スキルが素晴らしければ、倍は働けるかもしれないけれど、三倍は絶対無理でしょう。二倍以上働けば、給料が倍でも採算はあうわけですが、途上国の人達の賃金は二分の一どころか、劣悪な環境で、給料も数分の一で文句も言わない。それに日本人でそういう人達の倍も働いている人なんて殆どいないでしょう。ヘタすりゃというかかなりの確率で途上国よりも働いてないかもしれない。
この状況で企業を叩けば、そりゃ企業としてみりゃ出来ない相談だぜと思っても仕方なく、自分が金を払っている立場になれば、間違いなくリーズナブルな選択をするに決まっている。消費者として何かを買うとき誰しも予算に合わせた、なるべく合理的な選択をしているはずです。この状況で文句を言われれば、そりゃキャノンの会長じゃないけれど、国内に工場を置いているだけありがたく思え!的な愚痴の一つも言いたくもなる。経営者としてそれを言っちゃうのはどうかと思うけれど、俺たちだって、出来る限りの事はしてるんだと主張したくなる気持ちもわかる。
外需頼みの産業構造の内需への転換という事を言っていますけれど、日本の外需産業はすでに世界企業へと進化を遂げているので、国内へのリターンがそれほど実感出来なくなっているという話なだけで、外需がダメだとか必要ないとかって話ではない事はお分かりでしょう。日本の外需産業は世界に通用する素晴らしい企業がいっぱいありますから、そういう所はそういう所でこれからも頑張って勝負してもらう必要はあるに決まっているわけで、構造を転換すると言ったって、所詮は外需中心の大企業の肩にまだまだしばらくの間は日本経済を牽引してもらう必要がある。
大企業の横暴的な図式は昔からあるでしょうし、彼らに問題がないとは思わないし、どっちが強い力を握っているのかと言えば、圧倒的に大企業の方が強いに決まっているので、大企業に文句を言いたい気持ちはよくわかる。だけど、ここで対立図式でもめていても、出口はないのは間違いなく、そろそろ敵を見つけ出して叩く図式で時間を浪費する無駄を止めて、どうするのかを考えた方がいい。企業にとっても嬉しいと思えて、それが国民生活にとってもプラスになるような構造を模索してシフトした方が、みんな幸せになれんじゃねえかと思える。不毛な断罪合戦はこりごりです。
ローマ帝国が300年間繁栄したのは、人類最初の無料の高速道路網8万キロを作ったからであり、それを学んでナチスドイツのヒトラーが無料のアウトバーンを建設し、失業者が600万から30万に減り、爆発的な成長を遂げ、ワイマール共和国が破綻してからわずか5年でヨーロッパ最強の経済大国にした。
戦後それを学んだアメリカのアイゼンハワーがドイツの経済政策を真似て、東部一極集中のアメリカの経済を、地域分散型の経済に変化させる為に、無料の高速道路網を作ったおかげで、50年代60年代の輝かしい経済成長を遂げ、年率で経済成長率3%の増加分は高速道路無料化から生まれたと言われている。分散化が進んだから世界一の航空網も構築出来たと言える。
もちろんこれらの成功のモデルというのは、グローバル化以前だし、公共事業としての高速道路建設自体も推進力にはなっているので、一概に無料化のおかげだけだというつもりはない。だけど流通コストを下げ、流れを良くしてやるという事は、国家の成功モデルとしては基本の政策であると言えます。今は高速を無料化すると他の交通手段の需要が下がると騒いでいたりもしますけれど、人口減の一極集中超高齢化のままで行けば、どの道需要は減るしか無い。人口を分散させてこそ、他の交通手段が地方都市でも採算が合うようになる。
高速道路網をこの財政の厳しい状況でこれから整備して無料化せよって話ではないわけで、今あるものを無料化した時点から経済成長が始まる。この一点だけを取ったってそれなりに合理性のある成長戦略です。
アメリカはフリーウェイを作り、航空網を整備し、金融ビックバンと通信のビックバンを行った事によってマンハッタンにいなくても、アメリカ中どこにいても企業が立地出来る国になったからこそ、ダウ30社の中で6社しかマンハッタンの会社は無い。マンハッタンから出て行った事によって、もちろん再活性化した会社もいっぱいあるし、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、ウォルマート、カーギル等々、みんな地方から生まれた産業で、それが世界企業にまで成長を遂げている。そこが決定的に日本とは違う。都に行って一旗揚げると言う感覚、大都会でないとチャンスが無い国家像というのは先進国モデルではない。途上国型のモデルです。日本がこの20年30年で一部上場のグローバル企業が何社生まれたでしょうか?殆どありません。この20~30年で地方から生まれた世界企業があるでしょうか?皆無です。
シリコンバレーはカリフォルニアのワイン畑の中。ヨーロッパなんかでも村の中に人が住み、森や村の中に企業がある。病院にしろ、教育機関にしろ、高速の無料化などによって交通の問題さえクリア出来れば、土地代が安い所に建てた方が、儲けは大きくなる。
ビジネスのリゾート化を進めているのが先進国のモデルであって、リゾートにたまに行くのではなくて、そこが気持ちいいのだからそこに住んで、会社もそこに持って行ってしまえばいいという発想に切り替わっている。
日本のように満員電車に揺られて、片道一時間以上もかける通勤だけでへとへとな状態ではいい仕事はできません。日本人の就労時間は先進国中ずば抜けて長い時間拘束されているのに、それに対して仕事の効率は先進国中最低レベルで低い。長い時間働いてもそれが結果になっていない。こういう構造を変えないと効率も悪いし幸せになれません。
この面から考えても人件費に対する費用対効果が上がれば、同じ人件費でより効率が良くなれば輸送費や固定費だけではなく、人件費の面まで効果が見込めるのではないかと思える。働いている人に余裕が生まれれば会社もハッピーになるし働いている人達もハッピーになれる。そうして人口分散が進んで行けば、一次産業へのシフトもよりやりやすくなるでしょうから選択肢も増えて行く。
もちろんそれで都会がしぼんで行く事はあり得ない。都会は都会で魅力的であり、例えばマンハッタンなんかだって人が溢れかえっているし、観光客もいっぱいいる。都会で遊びたいと思う人はいるわけで心配する事は無いでしょう。
もう少し続きます。
上から配分が降ってくるのを待つんじゃなくて、目の前にチャンスが転がってんだから、当てにならないものを待つよりも目の前の手に届くものに手を伸ばせよって話です。その方がよっぽど手っとり早いのに。
なんちゃって。悲観論ばっかりなので、多少明るく書いてみました。
まあこういう時はタイミングですから、そう簡単に復活しそうもないので悲観論が横行してしまうのですが、9000円割れ、8500円割れくらいまでは行きそうですかね。個人的には8000円割れくらいまで行ってくれると尚おいしいのですけれど。月曜日に一気に戻っちゃったらチャンスもクソもないのですが、もう一押し来ねえかな。
日本の政治や経済を憂うような話を書いておりますけれど、それと金儲けは別の話なので、そっちはそっちでよろしくやらせてもらう浅ましさが信条です。さて前回は多様性のお話と、政治的な対立図式が深刻になっちゃったという話を書きました。その辺から続きを書いて行きます。
対立図式を煽って、反対する人を抵抗勢力と名指しして、徹底的にぶっ叩いてしまったが故に、本当は郵政民営化にしたって、小泉改革そのものにしたって、問題点はあったけれど、正しい所だって探せばあるはずなのに、敵対勢力をボロクソに叩いてしまうと、もうそれが正しいかどうかなんて関係ないとばかりに、亀井大臣のような恨みを晴らすための小泉否定、何が何でも否定、全部否定で一つも意味がない。という風になってしまう。
前原大臣が日航の政策でかなりヘタを打っているのも、自民党何が何でも否定という対立図式に対する恨み節が全面に出てしまって、政策的な合理性があれば自民党案だって利用すべきという当たり前の感覚まで失わせてしまっている。見直すと言って意気揚々と拳を振り上げたものの、合理的な政策を埋め込んでおくという簡単なトラップに引っかかって自爆している。ライブドアメール事件再びって感じでした。
民主党の連中や亀井大臣がそういう風に思ってしまうのは、彼らの問題でもあるので、小泉竹中だけのせいではありません。友愛ってどこがだよって気もします。が、そういう敵対図式をあらゆるレイヤーで利用して、何でもかんでも白か黒かで論じようとしていた所は非常によくない事だと思う。特にそこに国民まで巻き込んで、深刻な分断線を引いてしまった。
本当はルール主義を貫徹させなければならない所は、グレーゾーンという言葉がある通り、白黒つけない曖昧な所が多い事こそ、徹底的に是正すべきであったはずで、そっちは適当に誤摩化しているくせに、人の多様性をたった二色で塗りわけて、それをもとにしてこっちか向こうかにわけて考えてしまうような、そういう短絡的な下らないコミュニケーションを蔓延させた責任は許し難いものがあると思える。
だからこの下らない感覚を捨てないとどうにもなりません。政治家や役人達にはある程度お灸を据える必要はありますから、政治家達が政治家やステークホルダーに対して、ある程度恨みを晴らす必要はあるでしょう。やられたらやり返さないと所詮は権力闘争ですから、甘い事は言っていられないのかもしれない。しかし民主党を支持したくせに納得がいかないと拳を振り上げている一般の国民を斬り捨てるような事があっちゃならない。そういう人達が全く納得がいかないような状況に放置してしまえば、破壊されてしまった対立図式の修復は困難になってしまう。
亀井大臣のようなお人が、別に支持されたわけでもないのに政権党に入ってやりたい放題にやっている図式は正直自分だって腹が立つし、社民党の福島なんかが、わかったような顔をして足を引っ張っている光景なんかを見ていると、イライラするし、正直、「死ね!!」と思ってしまう事もしばしばです。大っ嫌いなんですよ本当は。が、そういう人達を支持している人達も少なからずいるわけで、敵扱いしてしまえば、小泉を否定した意味が無くなってしまうのではないかと思える。
最終的にはいずれにせよ決断は下さないとマズいわけで、それをグズグズしているわけにも行かないけれど、反対している連中を敵扱いしてボロクソに叩くような事を繰り返すのは実りがなさ過ぎる。反対する人にはその人なりの理由もあるし、それをまあ多くの人が賛成しているから、納得は行かないけれどしょうがないと思ってもらうような説得を怠っちゃマズい。それを繰り返す事がルサンチマンを中和する効果が多少は期待出来るのではないかと思えます。
それ以外にも目を覆いたくなるような、明らかに適性を欠いていると思える、愚かな閣僚達の振る舞いも目立って来ている。それを任命した鳩山首相の力量もその程度なんだろうし、文句は山ほどあるし、はっきり言って自民党のバカ大臣とレベルは一緒の閣僚もちらほら見える、さっさと首にしろと言いたいのは山々。
しかしコイツらをバカ扱いして叩いても、肝腎の今のこの国の問題の根源には届きません。スッキリするかもしれないけれど、益々出口は遠ざかってしまう。だからバカに向かってバカと言ってもしょうがないので、そんな事に時間を割いている場合ではない。どうやって今の状況を打破するのかを考えないとどうにもならない。
経団連なんかが言う民主党の政策が成長戦略が無いという意味は、今まで通り大企業優遇の方向性を維持せよという意味であって、これからの方向性として目指している日本の社会の姿とは何の関係もない。彼らの企業に金が残り、株主利益が増えるようにしろという意味です。もちろん経営者としてはまあ言い分はわかります。しかしそこを優遇しても、株主の半分は外国資本なので儲かっても海外に流出してしまう。様々な規制緩和をやっても、海外に出資をして行って、海外で資産が増殖して行くだけで日本には帰って来ない。海外から投資が集まって国内の経済成長に繋がればいいけれど、日本の国内の企業に投資をして日本を買う人なんか殆ど出て来ない。借金まみれで、人口は減って行き、超高齢化社会を迎える全く魅力のない国に成り果てている。これを魅力ある国へと変化させる為には、ただ企業を優遇したってどうにもなりません。
黒船だハゲタカだと騒いでいたけれど、実態は日本が黒船として海外に進出していった所ばかりで、逆は殆どなかった。どっちがハゲタカなんだよって話です。まあもちろん日本の企業が外国行って非常識な事をしているわけではないのでハゲタカじゃありませんけど、というかむしろ日本人に対する扱い方よりも外国で外国人に対する扱い方の方が人としてまともに扱っているような気がする。だから規制緩和は規制緩和で別にやるのは構わないけれど、今の構造のままだと、それが日本の多くの国民にとって何らかのプラスになるのかと言えば、殆どが企業が儲かるだけで、多くの国民にその実感は殆ど感じられない構造に変化してしまっている。だからみんなで文句を言っていたのでしょう。
もちろん企業は企業で、マーケットでの競争によって利益を最大化するべきだし、そのこと自体を否定しても仕方が無い(これを悪者扱いする言説もあり、意外と人気があるのが厄介なんですが)。だけど、それが国民生活には直結しない時代に変化しているのだから、それを国策として優遇して行く意味は無い。日本の社会に対して何らかの還元をするようなコミットメントのある企業を優遇すればいい事です。
そういう大企業の広告費に支えられている新聞やテレビが、民主党は成長戦略が無いと言うのも、要するに広告主にとって有利な政策ではないと喚いているにすぎず、ここまでグローバル化が進み、末端まで景気回復の実感が起業の好業績とリンクしていない時代である以上、成長するための戦略そのものが、これまでの必勝パターンには頼れなくなってしまっている。
今までは大企業の工場、製造業にばかり金を出して来た。これからはそういう所を優遇する必要は無い。むしろそこからどうやって金を取り上げるのかを考える事の方が大切で、もちろん取り上げるだけでは本当に逃げてしまうので、社会に還元する事によって優遇されるようなインセンティブメカニズムを設計していく必要がある。企業が日本社会にコミットするようなインセンティブをどうやって埋め込むのか?いかに分権化のリソースとして企業を動機付けるのか?その辺が課題でしょう。
そして例えそうであるしかないとしても、現段階ではそれでも日本経済を底支えしているのもやっぱり間違いないのも確かであり、ダイレクトに景気回復の実感を多くの国民的な実感として感じられなくとも、それで儲かって楽になる人もいる事は確かですし、好業績と末端までの国民にとっての好景気がリンクしていない時代とは言っても、業績悪化は結構ダイレクトに国民生活を直撃してしまう、これまた厄介な構造に変化してしまっているので、末端にポジティブな影響がトリクルダウンするのは時間がかかる上に反応もしょぼいものしかなくなっているのだけれど、ネガティブな影響は速攻響いてしまう。だからこれからは大企業優遇から方向を転換すると言っても、いきなりそんな事が出来るわけもないので、今のパッとしない景気の状況からして、それらを全く打たないで、放置しておくというのも、不満を増大させる要因になる。
つまり大企業を優遇するなという事を要求しながら、それを実際に貫徹して景気回復の見通しが立たなければ、何をやってんだ!!と不満が出て来てしまう。優遇するな!優遇しろ!!二つの解決不能な命題を突きつけている事になる。これに答えるのは簡単な話じゃない。
企業にとってありがたい政策も打つ必要があるのだけれど、それが国民生活にとって問題の先送りではなく、未来への先行投資になるような布石も同時に打たないとマズい。何らかの立ち位置をとった瞬間に、梯子を外したい人がいっぱいいるわけで、そういう連中もそれなりに納得行くような状態にしてあげないと、余計へそを曲げてしまう。
これらを同時に何とかする方法というのは非常に限られていて、どれも確実じゃないと言ってしまえば、何も出来ない。
今民主党不況だと自民党なんかがほざいていますが、デフレ宣言したと言ってもこれまでそれを誤摩化して来たのは自民党ですし、無策だったのも彼らの責任です。が、現政権は民主党ですので、今適切な対策を打てるかどうかは民主党にあるに決まっている。
どうもその能力がないのか、それともやる気がないのか、今イチ反応が鈍いのですけれど、民主党が市場の不信任に対して割と無反応であるのは、背景にこの問題があるわけで、例えば市場を安定させてデフレに対処出来たとしても、その事を国民的な景気回復として実感出来ない時代になっている。かといって対処しないでいると無策だと叩かれる。
多少インフレ気味になるくらいの金融政策によって、おもいっきりケツを押してやらないと日本の景気回復はないのは確かなので、そういった政策は必要なんですが、それが国民的な実感としてトリクルダウンするまでには時間がかかる上に反応もしょぼいものになる。そしてインフレ気味になっているにもかかわらず、国民に景気回復の実感がないとなると、インフレによる悪い方の実感は影響してしまいかねない。
内需中心の産業構造に転換するという事で、円高容認とも受け取れるような発言が閣僚から出て来たりしていますので、どこまで切実に考えているのかはわかりませんけれど、内需中心型の産業構造へ転換すると言ったって、その具対策も打ってないのに、円高をただ放置しているだけでは、構造転換なんて進まないし、実際問題、今失業している人や就職の当てのない人達はいっぱいいるわけで、今の産業構造のまま円高を放置しておけば日本の経済は打撃を受け、そういう時だけは末端がダイレクトに痛い目に合う。
とりあえず合意した政策の中で民主党がやると言っているものの中では、高速道路を無料化してしまうという方法が、両立不可能な要求に対して一定程度満たせるのではないかと思える。だからこれに反対するのは反対するで、それは人の自由なんで好きにすればいいのだけれど、それじゃ具対策が何かあるのか?それよりも確実な方法で両立不可能な要求を満足させる何らかの方策があるのか?それを考えないと話は前に進まない。
しかも民主党が掲げている政策の中からです。勝手に何らかの政策を国民の合意もないのに押し進めるようになったのでは、それは民主主義とは言わない。自民党と同じになってしまう。その事を考えた方が実りがあるでしょう。どこに金を付けるとか付けないとか何を優遇するしないの話ではなくて、構造転換をソフトランディングさせる為の今までの産業構造に対してもそれなりに景気回復の助けとなるような政策且つ、地方分権、内需中心のポスト工業化社会、超高齢化社会への対処です。
仮に百歩譲って民主制の手続きを無視する事を脇に置くとして、合意出来る何らかの方策があると思えるか?分け前をよこせではなくて、借金を増やさず、財政再建を成立させられるような範疇で、景気対策になるのだけれど、それが同時にこれからの日本の変化に対する先行投資の意味合いも含むような政策が。
そういう事を考えないとどうにもならないような気がする。高速道路なんて無料化しなくとも、何らかの出口戦略があるのであれば高速道路は今のままであったって構わない。それを考える事の方が実りがある。
自分がなぜこの政策にこだわるのかというと、この政策はすでに合意調達は済んでいる。だからそれをやっても、手続き的には問題はないはずで、後はそれを国民が梯子を外さずにはいられないとか、民主党が合意調達をしているという事を背景にして突破する事を躊躇してしまうか、そういう問題があるだけです。
しかもこういう問題は支持率が下がり出したらもう手遅れでもある。実際すでに民主党の議員や閣僚の間からは若干及び腰になっているような感じも見受けられる。マニフェストマニフェスト騒いでいたのに、それの意味が分かっていないのだから、どうにもならない。何とかに付ける薬は無い。
バカに向かってバカと言ってもしょうがないので、こんな奴らに期待するだけ無駄なので、とっととやると言った事をやらせてしまわないと何も手が打てなくなる。今のデフレ状況にただ手当をすれば、一時的な景気の回復にはなるだろうけれど、構造転換の為の布石を何も打てなければ、それは将来にツケを先送りしている事にしかならない。同じ事が繰り返されて行くだけで、復活の経路はどんどんか細くなって行く。
高速道路無料化というのはまず大企業にとっては結構減税効果としてバックアップ出来ると思う。ヘタな減税措置なんてしたって、それを必ずしも有効に活用出来るとは言えないわけで、日本の企業の問題である高コスト構造を是正する意味では有効なのではないかと思えます。
高コスト構造のうちまず輸送コスト削減をバックアップするのに非常に意味のある政策だと思う。しかも無料にした瞬間からその効果が出るわけだから、国家に余計な事をお願いして変な裁量を与え利権化や介入を許すより、よっぽど民間の活力を生かせるのでマシだと思える(とりあえず誤解されたくないので書いておきますけれど、自分は民間至上主義者ではありませんよ。民間だって悪い事をする奴はいっぱいいるし、必ず暴走を引き起こす可能性を常に抱えている。そういう事を是正する為に統治権力というのはあるわけで、それを否定するのなら、政府なんて必要ないアナキズムになってしまう。自分は気持ちはアナーキストで権力者は嫌いですが、必要だとは思っています。が、今の日本ではその政府がそもそも一番信用出来ない。霞ヶ関なんて泥棒の類いと一緒でしょう。しかも責任も取らなくて済む。ここまでこの国を二進も三進もいかない状況にしているわけだから、彼らにはその能力もない。もちろん自浄作用なんてあるわけない。だから泥棒で無能で責任も取らない連中に任せるよりは、少なくとも業績に対しては責任を持っている人達に任せて、脱法行為をすればサンクションもあるわけなので、しょうがないから民間に任せた方がマシだという話です。あくまでも)。
暫定的な措置で減税をするとか安くするとか無料にするとかではなくて、将来にわたってずっと無料になるというのは、確実に企業の経営の面では計画も立てやすいでしょう。元々ずっと無料にする為に作ったわけで、有料である事が暫定であったはずですし。
日本は諸外国と比べて、交通機関や輸送機関はトップクラスで発達しているのだけれど、何せコストが高過ぎる。有料道路代、空港使用料、港湾の荷揚げ料金、上海から福岡に持ってくるよりも、福岡から東京に持ってくる方が高い、外国から日本に運ぶよりも、日本の国内を輸送する方がコストが高くついてしまうのだから、ここを是正すると、結構企業は楽になると思う。
そしてこれはもちろん大企業優遇措置というだけではなくて、中小企業にとっても勝負しやすくなる環境を整える意味でも、スタートラインが揃うので、少なくとも輸送コストの面だけで見れば、初期手持ち量や立地の問題をある程度そろえて、勝負しやすくなれると思う。要するに景気対策として結構効くのではないかと思える。
もちろんそれ以外に初期手持ち量の差は圧倒的でもあるので、最適化しても勝つ方は決まっていると言える、それが自由な競争とは言えないのは確かなんですが、そこは中小企業向けの対策を別個で打つ必要はあるでしょう。それを書き出すと話がそれるので、それが必要であるとは思っているし、それは高速を無料化しようがしまいが現段階ですでにある取り除く事の困難な格差でもあるので、高速の無料化とリンクさせて考えるべき事ではないように思います。これはすでに書きましたね。
国民がそれによって旅行が出来たりレジャー観光に生かせるという意味もありますけれど、それよりも多くの企業が輸送のコストカットが出来れば、それは国民にとっても様々な形で好影響を及ぼすでしょう。
そしてなぜこれが優れているのかと言うと、景気対策としてもそれなりに効果があるだろうし、これから目指そうとしている社会を実現させる意味でも非常に効果的であるだろうと思えるからです。分権化の過程では自動車が交通のメインにならざるを得ないと書きましたけれど、そこでもやはり高速道路がただで使えるかどうかはかなり違いがある。
そして一番重要な点は大都市に集中している企業も、その分散化の流れに乗れば地方へと拠点を移す事も出来るようになる。地方にいても輸送コストや交通のアクセスがクリアされれば、必ずしも大都市にヘッドクォーターを置く必要は無くなる。そうなれば地方も活性化出来るし、企業も損益分岐点は劇的に下がるので、経営は楽になる。輸送コストと土地代といった固定費を下げる事が出来れば、働いている人も人件費削減にこれまでほどは怯えないですむ。ここが出来るかどうかが分権化を機能させる事が出来るかどうかの分水嶺でもあると思える。だからそれぞれの地域が企業を呼び込めるように、法人税率を地方の裁量に任せてしまうとか、更に突っ込んだ政策が必要ではあるのだけれど、現段階で高速を無料化にするというのは、そういう事への布石にもなる。
今の日本の問題は経済の損益分岐点をいかにして下げるのか?というのが重くのしかかっている。都市部に大企業が集中していれば、基本的にコストを下げると言ったって、電気を消すとか、コピー代をケチるとか、人の首を切るとか、採用を渋るとか、ボーナスカットするとか、工場を海外に移すとか、そういう発想になってしまうわけですが、海外の方が人件費が安く輸送コストまで日本国内に工場を造っても結局大差ないとか、逆に高くつくような状況で、海外に出て行くなと言ったって、それは無理ってもんです。
今のこの国は何となく大企業を敵かなんかと勘違いしているような風潮があって、敵扱いして文句を言っているわりには、何を言っているのかと言えば、俺を働かせろ、仕事をくれ、って話になる。まあ気持ちはわかりますけれど、なんかおかしくねえか?って感じがする。自分はある時期に会社員から料理人に職を変更してからは、ずっとフラフラといろんなお店、いろんな土地を渡り歩いて来たので(それを料理人は修行と言う。都合がいい呼び方ですね)、仕事をくれと言う感覚が理解出来ない。自分がそのお店にとって必要な人材だという事を認めさせれば、別に欲しくなくとも仕事はある。労働条件が悪けりゃ別のとこに行くか、自分で独立すればいい話で、人に雇ってもらうのに、企業に文句を言って俺の権利を認めろ、と言う感覚が正直全く理解が出来ない。
お客さんが減って売り上げが減れば、当然店が潰れる事もあるわけで、俺の給料を補償して仕事もよこせなんて言えるわけがない。まあ言うだけなら言えるでしょうけれど、言ってもなんにもならない。ある日突然店はもぬけの殻、給料持ち逃げされてトンズラが関の山です。そうなる前に鼻を効かせ、目を光らせて、ヤバくなったら出し抜かれないように自分の身は自分で守るしかなく、別の仕事の口を探すしかない。もちろん労働者の権利というのはあるわけですから、権利を主張するのは当然な事なんだろうけれど(料理人だって労働者である事には違いないはずなんですが、それが問題になっているのを見た事がない)、仕事がないのに仕事をよこせというのは労働者の権利というか、企業に言ってもどうにもならない所もあるだろうと思う。
極端な話、安い賃金の外国人労働者と同じ給料で働けるか?と言えば無理に決まっているし、そういう人達よりも素晴らしく働けるのか?と言えば、同じ人間ですから、多少はいっぱい働けても、人の二倍三倍は働けません。休みも返上し、寝る間もおしんで働くとしたって、一日24時間しかないのだから、スキルが素晴らしければ、倍は働けるかもしれないけれど、三倍は絶対無理でしょう。二倍以上働けば、給料が倍でも採算はあうわけですが、途上国の人達の賃金は二分の一どころか、劣悪な環境で、給料も数分の一で文句も言わない。それに日本人でそういう人達の倍も働いている人なんて殆どいないでしょう。ヘタすりゃというかかなりの確率で途上国よりも働いてないかもしれない。
この状況で企業を叩けば、そりゃ企業としてみりゃ出来ない相談だぜと思っても仕方なく、自分が金を払っている立場になれば、間違いなくリーズナブルな選択をするに決まっている。消費者として何かを買うとき誰しも予算に合わせた、なるべく合理的な選択をしているはずです。この状況で文句を言われれば、そりゃキャノンの会長じゃないけれど、国内に工場を置いているだけありがたく思え!的な愚痴の一つも言いたくもなる。経営者としてそれを言っちゃうのはどうかと思うけれど、俺たちだって、出来る限りの事はしてるんだと主張したくなる気持ちもわかる。
外需頼みの産業構造の内需への転換という事を言っていますけれど、日本の外需産業はすでに世界企業へと進化を遂げているので、国内へのリターンがそれほど実感出来なくなっているという話なだけで、外需がダメだとか必要ないとかって話ではない事はお分かりでしょう。日本の外需産業は世界に通用する素晴らしい企業がいっぱいありますから、そういう所はそういう所でこれからも頑張って勝負してもらう必要はあるに決まっているわけで、構造を転換すると言ったって、所詮は外需中心の大企業の肩にまだまだしばらくの間は日本経済を牽引してもらう必要がある。
大企業の横暴的な図式は昔からあるでしょうし、彼らに問題がないとは思わないし、どっちが強い力を握っているのかと言えば、圧倒的に大企業の方が強いに決まっているので、大企業に文句を言いたい気持ちはよくわかる。だけど、ここで対立図式でもめていても、出口はないのは間違いなく、そろそろ敵を見つけ出して叩く図式で時間を浪費する無駄を止めて、どうするのかを考えた方がいい。企業にとっても嬉しいと思えて、それが国民生活にとってもプラスになるような構造を模索してシフトした方が、みんな幸せになれんじゃねえかと思える。不毛な断罪合戦はこりごりです。
ローマ帝国が300年間繁栄したのは、人類最初の無料の高速道路網8万キロを作ったからであり、それを学んでナチスドイツのヒトラーが無料のアウトバーンを建設し、失業者が600万から30万に減り、爆発的な成長を遂げ、ワイマール共和国が破綻してからわずか5年でヨーロッパ最強の経済大国にした。
戦後それを学んだアメリカのアイゼンハワーがドイツの経済政策を真似て、東部一極集中のアメリカの経済を、地域分散型の経済に変化させる為に、無料の高速道路網を作ったおかげで、50年代60年代の輝かしい経済成長を遂げ、年率で経済成長率3%の増加分は高速道路無料化から生まれたと言われている。分散化が進んだから世界一の航空網も構築出来たと言える。
もちろんこれらの成功のモデルというのは、グローバル化以前だし、公共事業としての高速道路建設自体も推進力にはなっているので、一概に無料化のおかげだけだというつもりはない。だけど流通コストを下げ、流れを良くしてやるという事は、国家の成功モデルとしては基本の政策であると言えます。今は高速を無料化すると他の交通手段の需要が下がると騒いでいたりもしますけれど、人口減の一極集中超高齢化のままで行けば、どの道需要は減るしか無い。人口を分散させてこそ、他の交通手段が地方都市でも採算が合うようになる。
高速道路網をこの財政の厳しい状況でこれから整備して無料化せよって話ではないわけで、今あるものを無料化した時点から経済成長が始まる。この一点だけを取ったってそれなりに合理性のある成長戦略です。
アメリカはフリーウェイを作り、航空網を整備し、金融ビックバンと通信のビックバンを行った事によってマンハッタンにいなくても、アメリカ中どこにいても企業が立地出来る国になったからこそ、ダウ30社の中で6社しかマンハッタンの会社は無い。マンハッタンから出て行った事によって、もちろん再活性化した会社もいっぱいあるし、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、ウォルマート、カーギル等々、みんな地方から生まれた産業で、それが世界企業にまで成長を遂げている。そこが決定的に日本とは違う。都に行って一旗揚げると言う感覚、大都会でないとチャンスが無い国家像というのは先進国モデルではない。途上国型のモデルです。日本がこの20年30年で一部上場のグローバル企業が何社生まれたでしょうか?殆どありません。この20~30年で地方から生まれた世界企業があるでしょうか?皆無です。
シリコンバレーはカリフォルニアのワイン畑の中。ヨーロッパなんかでも村の中に人が住み、森や村の中に企業がある。病院にしろ、教育機関にしろ、高速の無料化などによって交通の問題さえクリア出来れば、土地代が安い所に建てた方が、儲けは大きくなる。
ビジネスのリゾート化を進めているのが先進国のモデルであって、リゾートにたまに行くのではなくて、そこが気持ちいいのだからそこに住んで、会社もそこに持って行ってしまえばいいという発想に切り替わっている。
日本のように満員電車に揺られて、片道一時間以上もかける通勤だけでへとへとな状態ではいい仕事はできません。日本人の就労時間は先進国中ずば抜けて長い時間拘束されているのに、それに対して仕事の効率は先進国中最低レベルで低い。長い時間働いてもそれが結果になっていない。こういう構造を変えないと効率も悪いし幸せになれません。
この面から考えても人件費に対する費用対効果が上がれば、同じ人件費でより効率が良くなれば輸送費や固定費だけではなく、人件費の面まで効果が見込めるのではないかと思える。働いている人に余裕が生まれれば会社もハッピーになるし働いている人達もハッピーになれる。そうして人口分散が進んで行けば、一次産業へのシフトもよりやりやすくなるでしょうから選択肢も増えて行く。
もちろんそれで都会がしぼんで行く事はあり得ない。都会は都会で魅力的であり、例えばマンハッタンなんかだって人が溢れかえっているし、観光客もいっぱいいる。都会で遊びたいと思う人はいるわけで心配する事は無いでしょう。
もう少し続きます。