鳩山の脱税疑惑で騒いでおります。これはすでにかなり以前の段階でわかっていた事です。それで政権交代しちゃったから、てっきりみんなそれでいいと思っているのかと思っていたのですが、怒っている人も結構いますね。
自分も相当以前のブログで取り上げて、ボロクソの滅多斬りに批判した事があります。政権交代目前に迫っていたのですが、これを放置してしまうと、必ず政権交代出来たとしても民主党の致命的な弱みとなってしまう可能性があったからです。もちろんこういう意見はこの段階では非常に人気がないというのもわかっていましたが、散々クソミソに書いた。詳しくはこちら
これをマスコミがきちんと報じないという事は裏がある。そしてこれが脱税であるのなら、国民に隠蔽していても国税庁にはバレているであろうから、おそらく財務省とはバーター取引がすんでいるだろうし、こういう弱みを抱えてしまっては役人の権益にはおそらく及び腰になるしかないので、何も実行出来なくなるぞと。そしてすでにこの段階で、記者会見開放もないかもしれないよという事も書いている。案の定、平野バカ官房長官のおかげで、官邸の記者会見はあれほど開くと公言していたにもかかわらず、開いていません。もちろん鳩山首相も知らないわけはない。それはすなわちマスコミともバーター取引をしているわけで、というかあの段階ですでにしていたのかもしれない。だからマスコミのこの問題に対する批判も及び腰にしかならないという事まで書いています。
政権交代する前だからこそ、徹底的にぶっつぶしておかないと、政権交代後のサブスタンスは無くなるぞと書いた。というかこれが脱税でないとしても、明らかに問題化される弱みになるに決まっているわけで、鳩山が党首である以上、民主党の改革は何も期待出来なくなるよ。可能性はほぼゼロですよとまで書いた。そしてそうであれば期待するしかない岡田さんに関しても、鳩山よりはクリーンな分だけマシかもしれないけれど、ダメだよあれじゃ、民主党が政権をとっても何も出来ないよとキッパリバッサリ斬り捨てております。
自分は政権交代原理主義者でしたが、この一件が問題になって政権交代が出来なかったらそれはそれで仕方がないと思っていた。政権交代してもサブスタンスがないんじゃ政権交代出来たという意味以外は意味はないし(もちろんそれがない状態よりは民主制の仕組みの構築の為には一歩前進ではありますが)、今潰しておかないと、政権交代後に必ずそれが弱みになって支持率悪化やそれを打開する為の弥縫策というパターンに陥るぞと。だったら一時政権交代を逃したとしても、膿を吐き出した後にリベンジを果たした方が、一気に問題にコミット出来るのではないかという事で。
この時点で、自分のブログを読んでいる方は基本的に民主党を支持している人か、少なくとも自民党はもう支持出来ないと思っている人が、大半を占めているだろうという事は想像出来た。さすがに自民党や麻生ダーイスキ!!という人が自分のブログの読者だったらたいしたもんです。多分いないだろうし、いたら相当胆力がある。そういう人が麻生を支持するとも思えませんので、だから多分読んでいる人がイヤな気分になるだろうなとは思ったけれど、民主党を支持して、もしくは自民党を否定して、政権交代をさせるという事の覚悟を持ってほしいと思ったのでこれを書いたのです。おそらく梯子外しも始まるだろうし、政策的にかなり分厚い壁があるだろうというのも簡単にわかる。だから今(あの時の段階)ならまだ引き返せるよ。おそらく絶対絶望するよ。世論の梯子外しもあっという間だよ。政権交代支持するのならそれを念頭に置いてね。自分で支持をしたという事に責任を持ってね。と。
しかし今は政権交代してしまった。今更この事を叩いても手遅れです。しかもそんな事はすでにわかっていた事であり、政権交代させといて、これを騒いでも何の意味もない。今の状態でいかに意味のある状況に持って行くのか?いかに一歩でも前に進むのかを考えないと時間を浪費するだけです。
今の段階で必要なのは、政権交代に加担してしまった自分も含めた人達にとって重要なのは「ノーベル賞をオバマ大統領にあげちゃった作戦」しかない。つまり改革と言ってしまった民主党政権のたがをはめるという事です。オバマさんは今の段階では別に大した事はしていないし、かなり馬脚を現し始めている。オバマお前もか!!的なブッシュとおんなじじゃんって所も出て来ちゃっているし、演説は上手だったけれど、能力的にはどうなのよ?と多分多くの人が感じ始めてしまっているのではないかと思う。実際アメリカでも支持率はかなり減少している。
そこでノーベル賞になるわけです。実績がないのにおかしいだろ?と多くの人も思っている。オバマさんも偶々ポロっとはずみで言っちゃった演説が、思いのほか評価されちゃって、内心戸惑っているかもしれません。まあラッキーと思っているかもしれませんけれど。しかしこういうものを貰っといて、トーンを弱めるわけには行かなくなる。過大評価だとみんなが思っているのだから、それに見合った事をやらないと汚名になってしまう。別の意味で梯子を外す。ニコニコと賞賛しながら言った事を実行しないわけには行かない状況に追い込むには、非常に効果的な作戦であるとも言えるでしょう。だからこれはオバマさんを援護しているようにも見えますが、実は退路をふさいで後ろから無理矢理押す、言い訳出来ない状況を作り出しているわけでもあるのです。
そして同時にオバマさんの路線を邪魔している連中に対しての牽制にもなる。ノーベル賞を貰っているような問題を大きな声で反対とは言い難い。何も出来ていないではないか!!オバマ大統領はこの受賞に不適切な人だ!!といっても、お前が邪魔しているからだろという風に世論によって牽制させる事も出来るようになる。
これは今の日本の民主党にも当てはまる効果的な戦法であると言えます。やると言ったからには中途半端なものになって、まだ立ち直っているとは言い難い自民党にバックフラッシュでは、また自民党が人気がなくなってスイングバック、民主党がまたという感じで、梯子外し合戦に陥り、時間だけが浪費されてしまう。もちろん政権交代が繰り返されて行けば少しずつ前には進んで行く事にはなるでしょうけれど、今の段階のレベルで、何の中身もなく、細川政権の時のようにあっという間にバックフラッシュで、また大して変わっていない長期自民党政権なんて話になったら、もう出口はないでしょう。民主党への批判が意味のあるものにする為にも、言った事を実行しないわけには行かない、日本経済を立て直さないわけには行かない、この国の無駄と非効率を徹底的に是正しないわけには行かないというたがをはめてしまうのです。そうすれば批判が単に自民党へのバックフラッシュに利用される事にもなり難くなる。民主党に反対して言う政党であれば、当然政権交代すれば民主党がやると言っていたのにやらなかった事や、やると言っていたのに骨抜きだった事を是正する役割を同時に担う事にもなるからです。まさかそれをやるから反対しているんでしょ?と。つまり民主党以後にも布石が打てるわけです。
だからやがて不人気になって民主党は下野するでしょうけれど、それまでにどれだけ意味のあるものを残せるかは、彼らに任せていたのでは出来るわけがありません。すでに先ほども書きましたが何も期待出来ないというのは政権交代以前からわかっていた事です。それを今更言っても何の意味もない。
だいたい鳩山首相の金の疑惑についてはわかっていた事だし、それにもっと言えば民主党という政党が出来たのも、鳩山が大金持ちだからというのが最大の要素でしょう。それがなかったら政権交代なんて出来なかっただろうし、対抗軸も生まれなかったかもしれない。だから政治は結果なので、どれだけ今の政権にたがをはめて、例えば今後鳩山のような人は絶対に誤摩化せないような仕組みを構築したり、更に金のかからない政治が実現されれば、その手段はなんだって構わない。その為に今必要なのは合意だという事を書いて来たわけです。
しかし現在梯子外しが横行し、公約を守れではなく公約を破れがこの国のスタンダードな政治参加である理由は何か?これを書くといいました。これがわかれば実は処方箋は簡単なのです。簡単すぎてなんだそんな事かという話です。
日本人というのは、自明性に支配され慣れ親しんだものが変更されるとなると、抵抗を感じる。今までそうだったものがそのまま続いて行くはずだと思い込む、それを政治に対しても思っている所があって、丸山眞男は「作為の景気の不在」と言いました。何もしなくてもそれはそのまま続くと。欧米は逆で今あるものが続いて行く為には放置しておいては壊れてしまう。だからコミットメントする必要があると言う事で、投票行動にも何かを変えるとか合理的な政策はこれだという感じでポジティブな意思表示になりやすい。
だから日本では何らかの政策的なものを支持した上で、政党を支持するというポジティブな政治参加よりも、政権党にお灸を据えるという感じの、ネガティブな政治参加の方が動員力になりやすい国です。先の衆院選は、自民党や官僚許せん!!郵政選挙は、抵抗勢力許せん!!そんな感じの参加なので、別に民主党の政策なんて支持していないという話になる。郵政民営化に賛成しているけれど、それは抵抗勢力にムカつくからで、中身は別に気にしちゃいない。だから普段はお任せ無関心だけど、ムカつくと参加する。いずれにせよ空気を読んで何かを反対するというのは動員になりやすい。
もしくは公共的な振る舞いを装いながら、結局俺に分け前をよこせという話でしかない。言っておきますが、自分は民主党の政策で恩恵を受けるものなど殆ど何もありません。高速道路はたまに使う事はあるかもしれませんので、ちょっとは恩恵を受けるとは思えますけれど。まあ強いて言えば景気が回復すれば、株で少し儲けられるかなとは思いますけれど、それならハナっから民主党なんて支持しませんし、小泉竹中を応援していたでしょう。麻生の弥縫策的景気対策も歓迎しているでしょうし、経団連の民主党は成長戦略がないという意見にも賛同したでしょう。別に日本の株価が上がらなくたっていくらでも勝負は出来ますから、どうでもいいといえばどうでもいいのです。だから何らかの嬉しい政策があるから投票したわけではありません。
この、俺に分け前をよこせも、やっぱり自分にとっての今までの慣れ親しみから変化してしまうと、損するのではないかとか、抜け駆けされるのではないかとか、そう言う事ですので、これもネガティブな投票行動に結びつきやすい、あそこに抜け駆け野郎がいる!!俺に分け前が回って来ないように思えるからけしからん!!と言った感じで。
しかしこれに対する処方箋は実は非常に単純で、これは自明性が変化すると、空気も変わるのでそれにいち早く適応するという風に行動原理が変わりやすい。天皇陛下万歳、鬼畜米英だったのが、アメリカさんありがとうに速攻変化する。あれだけ森喜朗をバッシングしていたのに、同じ自民党の小泉による「痛みに耐えて構造改革」にあっという間に適応する。昨日までみんなで持ち上げられていた人が、ある日を境にクソミソにバッシングされる。逆もまたしかり。政権交代と言って来たのに、速攻で俺はわかっていた的に梯子外しをはじめて、わかったような顔をする輩が増大する。逃げ遅れないように先回りして先に梯子を外し、自らは安全地帯から得意げになれる。
という事は国民の声を聞いていたのでは何も変更出来ない。自明性の変化を恐れ、反対の声が必ず上回ってしまうからです。なので、いったん支持を受け、選挙で正統性を調達しマニフェストを掲げているのだから、どんなに反対されようがけなされようが、自明性を変化させてしまえば、速攻空気は変化する。もちろんそれが国民に向いていない政策であれば、自明性なんて変化しませんから、余計バッシングされるでしょうけれど、それが国民に向いた政策であれば、結果は自ずとついてくる。なんだそんなに酷い政策でもなかったと思わせるか、別に損しなかったなと思わせるか、意外といい事あったじゃんと思わせてしまえば勝ちです。すなわちそれが合意調達になる。
これを横暴だと言い出すと、日本では何も変えられない事を意味してしまうわけで、選挙で政権を握った政党はそこを突破して自明性を変化させないと、何も出来ない。それさえ出来れば、必ず合意調達は出来る。今一番必要なものはそれです。簡単な話で、自明性が変化すれば多くの人が納得出来るのでそれは合意になり、自明性が変化しなければ納得いかないので余計文句が出てくる。やりもしないでうだうだしているのならやっちまえば自然にそれに適応して自ずと評価は決まる。これは政権末期に人気回復の為にマニフェストとは関係ない事をやるなんてパターンは許されません。選挙で正統性を得ている政党が、約束した事をこれにそって実行するのは横暴ではない。民主的な手続きを踏んでいるのだから、暴走にはなりません。これの背中を押して退路を塞いでしまうのが、現段階では有効ではないだろうかと思えます。
国民の声を本気で吸い上げて国の舵取りに生かそうとすると、どうしてもある制約がある。だから時には無視すべき局面もある。なぜなら政治は結果ですから。結果がともなえば、それは政治家としては正しい振る舞いであると言えるからです。
例えば北朝鮮問題で拉致被害者がかえって来てからのこの国の盛り上がりは凄かった。自分が小泉元首相が一番凄いと思った瞬間もこの時でした。この時ばかりは拉致被害者家族の人達が北朝鮮から拉致被害者を連れて帰って来た小泉を足りないと批判している姿を見て、気持ちはわかるけどさ、それはいくら何でも酷いじゃないか。言い過ぎだよと、小泉を擁護したくなったほどです。ただこの後がいけません。安倍晋三の路線に乗っかってしまった。国民も断固拳を振り上げて、政治家の人気のリソースとして利用されてしまっている事に気付かずに、みんなで大騒ぎしていた。断固とした措置を!!という感じで。その時に交渉しなきゃ絶対にかえって来ない。強硬措置なんかとったら自爆するだけだ。国交正常化しちまえば、行き来が出来るようになるのだから、その方が見つかる可能性は増えるじゃないか。そんなことを言おうもんなら袋叩きにあう。まあ言いましたけどね散々。
拉致被害者やその家族の苦しみが想像出来ないのか!!(お前は拉致被害者か?もしくはその家族か?赤の他人が知ったような顔するな)、北朝鮮のような無法者国家など、容赦する必要は無いのだ!!ハイハイ解りましたよ、じゃあどうするんですか?と問えば、日米安保を背景にして、断固北に制裁を!!とみんな言っていた。アメリカにお願いして断固何すんだよ?日本人のかわりに北朝鮮と戦争してくれってか?って感じでしらけていましたが、結果どうなったか?皆さんご承知の通り、小泉が連れ帰って来た以後は、誰も帰って来ないどころか、解決のめどは全くたたなくなっちゃった。あげくに核まで開発されちゃった。
拉致被害者救済最優先ならば交渉しなきゃ帰ってくるわけない当たり前ですね。北朝鮮への怒りをぶつける事を優先するなら、拉致被害者は後回しにするしかない。どちらかを優先すればどちらかが後回しになる。同時解決だ!!と叫んでいたわけです。日本中の多くの人が。しかも北朝鮮に怒るのはいいけれど、結局アメリカさんお願いしますって選択肢しか取れないくせに、何を鼻息荒くしてんだよバカじゃないのと半ば死んだ魚のような目になって絶望していたわけです。
その時に吹き上がっていた人達は、どう思っているのでしょうか?この問題を政治的な人気のリソースとして活用していた自民党の政治家は許し難いと思いますけれど、それに乗せられて、交渉のカードを自ら捨てる事を翼賛した国民達にも責任の一端はあるはずです。しかしそんな事は多くの国民は自覚もしていないでしょうし、下手すりゃ拉致問題なんて、もう結構報道なんかでは下火になっちゃっているので、たまに思い出したように酷い話だくらいには思っているかもしれませんけれど、解決出来ない政府の無能さを叩いたりしているのではないでしょうか。
北朝鮮が酷い国だと言うのは正しいし、交渉すれば帰ってくるかと言えばそれも可能性としては少ないと言えるかもしれない。だけどそもそもこの問題は何人拉致されていて、何人生きているのかもわからないわけだから、解決のラインがハナっから無い。何人拉致されているのかを把握し、何人生きているのかを把握して、初めて全員返せと言えるわけで、その事を把握しようとしたふしも無い。当然北朝鮮から引き出さないとわかりませんから、その意味でも交渉しなきゃわかるわけが無い。悪者たたきをしたいなら、交渉は出来ません。文句を言って帰ってくるのなら、そもそも拉致なんてしないでしょう。
こういう問題を国民感情を吸い上げて対処しようとすると、上手くいくわけが無いので、国民感情は無視して、弱腰だと罵倒されようが、北と対話なんて非常識だと言われようと、結果を出して自明性を変化させてしまえば、国民の支持は自ずとついてくる。それを国民感情を利用して人気のリソースになんかしてしまうと、いったん振り上げた拳の行き場が無くなって、選択肢を失ってしまう。解決出来ないもんだから、ただ断固断固喚いて、北朝鮮のせいにして誤摩化し続けるしか無くなる。それはもう解決のためというよりも政治家の保身の為でしかなくなる。
これを戦略的にノーベル賞作戦のように、退路を塞いで背中を押すという意味で国民側が北朝鮮問題解決の手段として利用するのならまだわかりますが、そういう場合も、拉致と核問題同時解決、拉致解決なくして交渉なし、みたいな正しいかもしれないけれど解決不能の落としどころのない要求を突きつけてしまうと潰れてしまう。ポピュリズムに走ってくだらない弥縫策で誤摩化そうとするでしょう。だからノーベル賞作戦を取るにしても注意は必要です。
政治家はそれが実行不可能な国民の要求であれば無視すればいいのです。選挙で正統性を得ている政策であれば気にする必要はないし、まだ選挙で問うてない例えば拉致問題に手を付け始めた初期の頃であれば、民意を無視した方が逆に合理的になる。だから支持者はその後押しをする必要があり、民意の無視と言っても、その先に問題の是正に合理的選択とは思えなければそれこそバッシングすればいい。
フランスのミッテランが死刑廃止を導入した当時、フランス世論の6割が死刑制度廃止に反対していた。だけどミッテランは半ば強引に説得して死刑を廃止にしてしまった。すると反対していた人達も自明性が変わり、すなわち死刑を廃止にしても、それほど悪影響も無いし、むしろ死刑にして問題を解決するよりも他の方法の方がいい事なのかもしれないとマインドが変わった。それでも死刑廃止には疑義はあるでしょうけれど、一応今は当たり前の前提になっている。フランスのような日本に比べたら市民性が成熟している国でさえ、自明性に支配されている。
日本のお任せ民度の低さ、空気支配の構造、変わり身の早さを考えれば、暴論言いますよ、選挙で正統性を得ているのだから、約束した事であれば民意なんて無視するのが、この状況を打破する唯一の方法です。反対って言うに決まってるのです。それが合理的かどうかなんてハナっから問題じゃない。反対だと言いたい。それで何か言ったような気になるのが日本人の特性でもある。そういう世論など、無視してやる事をやる。それが唯一の合意調達でもある。
そして今の日本に必要なのは合理的な政策は何か?という事よりも、みんなが合意出来るという事の方が優先事項でもある。どうせ合理的な政策なんていきなり打てっこないのだから、合意さえ何とかなれば、後は自ずと形はついてくる。国民がある程度信用してバックアップしている状態というのは、政治家にとってはもっとも強力なリソースになる。それには官僚も、マスコミも絶対に太刀打ち出来ません。役人やステークホルダーの権益を引っぱがすには、国民の後ろ盾が一番強力な武器になる。民主制というのはそういう仕組みだからです。
官僚の権益が中々是正されないのは、政権交代がなかったというのがまず一点。そしてそれを政治家がやれるとは信用していないのがもう一点。役人や官報垂れ流しの談合マスコミの情報に釣られて、そういう連中の権益護持に加担してしまう点が一点。そして一番重要なのは我々が本気でそれを望んでいないのが最後の一点。役人叩きをしながらお任せ意識はそのまま、ちょっと不安があるとすぐに国家を呼び出して何とかしろと喚き出す。政権から世論の支持が離れればそこに付け入る隙が生まれる。前大戦がなんで止まらなかったのかと言えばそれを国民が支持していたからです。戦争に反対し軍部にたてついた政治家を支持しなかった。どんなに軍部や官僚や軍部寄りの政治家が戦争したいと思っていたとしても、それをバカマスコミが翼賛していたとしても、国民が反対していれば絶対にそれを強引に実行する事は出来ない。逆に支持してしまえば基本的には政治家も役人もそれに従うしか無くなる。マスコミもそういう国民の世論に媚びた報道をするしかない。
合意さえあれば、政策も最適化しやすくなるし、突破出来そうもない利権の解体もやる気になれば出来る。どんなに合理的な政策でも、合意がなくちゃ意味がない。ちょっとぐらい不合理な政策でも、みんなが信用してバックアップ出来れば、そんなのはいくらでもどうにでもなる。抵抗する力学を弱体化させれば、簡単に最適化する事が出来るからです。足の引っ張り合いではない健全なチェックを機能させる為にも、意味の無い批判はぶっ潰さないと機能しません。
そして国民の合意を得て政策を実行出来るようになれば、それは景気へのポジティブな影響も与えやすい。みんなが信用していない状態で、どんなに合理的な政策を打ったって、景気は回復しない。景気が回復するのは明確な理由があるからそうなるのではなくて、みんなが回復出来ると思えるから回復する。みんなが株が上昇すると思えれば株価は自ずと上昇する。その過程で初めて適切な政策もうてるようになる。最初の推進力がないと、今の状況は打破出来ない。そして最初の推進力を生み出す為にはここまで停滞してしまうと、よっぽど強い力で押してやらないと前に進んで行かない。いったん前に進み出せばリソースは増えて行く、それを適切に中抜きを排して分配していけば今の状況は転換出来る。日本の借金は合意を調達してそれを推進力とし、適切な政策を打てる環境が整い、それをある程度的確にうって経済成長出来ればそんなに絶望的な数字ではない。財政再建出来ない事はありません。推進力もない状態で、停滞のまま増税で何とかしようとしたのでは、負のスパイラルは更に加速してしまうでしょう。その推進力を生み出すバックアップとプレッシャーがないから、早い話が政策も合理的な政策がうてない、特定の既得権者に媚びを売るしか無くなる。それを逆回転させる為に今一番必要なのは合意による推進力です。
その時こそ民主党支持者であればこそ徹底的なチェックが必要になる。マニフェストが骨抜きになっちゃいないか?どこかでこぼれ落ちている人を無視していないか?何らかの恣意性や利権へと化しちゃいないか?そして実行してみたものの、やっぱりこれはどう考えても失敗だったと思うのなら、その時こそ、不合理なんだから、とっとと撤回しろと言えばいい。国民にとってマイナスでなんだからブレーキを踏めと。俺たちが支持したマニフェストは間違っていたと。もちろんそれは民主党だけの責任ではなく支持した我々の責任でもある事を引き受ける。優先順位がおかしければそれにもチェックは必要だろうし、政権が長引けば必ず慣れが生じ腐敗もしてくるわけだから、その慣れや腐敗を叩き、場合によっては引きずりおろす事までひっくるめて叩けばいい。
自明性が変わってしまうと小泉の郵政選挙の時の民意のように、支持しているのにマニフェストなんか守るなというか、翼賛体制であるが故に骨抜きを放置して賛成!!という風になりかねないわけだから、言っていた事と政策が違っているぞ、骨抜きになっているじゃないかふざけんな、役人の恣意性は増えているじゃないか、とチェックする。その方がよっぽど実りがあるような気がします。そう言うチェックが働けば、政治家は結局選挙の勝敗には敏感ですので、必ずそこを取りにくるでしょうし、そこを取りに来ずに、先日までの麻生のように、下らん弥縫策で人気取り的ポピュリズムなどにうつつを抜かしているのなら、次の選挙でキッチリ痛い目に合わせればいいのです。
その支持が離れた瞬間が一番役人の付け込む隙にもなるのでその事には目を光らせておく必要がある。景気が回復し始めると、必ず役人はその邪魔をして潰しにかかる。政治への支持が低下した瞬間が一番危険な瞬間です。役人は不安こそが彼らの利権でもあるので、国民を裕福にしてしまえば、管理し難くなる。貧しく不安を抱えた状況である事が役人にとっての最大のリソースになるわけです。マスコミもそうでしょう。その方が政治家のコントロールも楽になる。逆に国民に余裕が生まれてしまうと、政治家も余裕が生まれるので、役人にとって管理し難くなる。ステークホルダーの横やりに政治家もビビらなくなる。
経済を後押しするにも、政策を後押しするにも、今の日本は最初の段階は結構強力におもいっきり押してやらないと、前に進んで行きません。だから民主党の政策はバラマキだと批判されておりますが国民に余裕がなければ、推進力を生み出すパワーも生まれない。これだけ高齢化も進み人口も減って行く中では、かなり強烈なインパクトを与えないと壁を突破出来ない。合理的な政策をうつのは前に進んでいる途中でもうてるわけで、止まっている状態で、ああだこうだ足を引っ張りあっていても、前には進んで行きません。時間だけが過ぎ、後押しする人の数も減って行く、とにかく前に進ませて、その過程で出来うる限り合理的な選択をその都度選んで行けば、その推進力は加速し始める。
もちろん失敗はするだろうけれど、今の我々の政治参加というのは、政治家にとっては絶対に失敗出来ないというプレッシャーしか与えていない。失敗するなというプレッシャー自体は必要ではありますが、それも程度の問題で度を超すと逆効果になりかねない。だから何も出来ないし何も進まない。失敗したくないから何もしないで先送りするしか無くなる。何かの決定を下せばそれは失敗はつきものであり、失敗のない政策なんて打てっこない。そういう完璧を求める厳しい目線が政治家の人気取り的な中身のない失敗の恐れのないくだらない上っ面のパフォーマンスを生み出している。すでに民主党もやり始めてます。そういうのに引っかかるほど、国民は愚かではありません。このままでは中身がスッカラカンになってしまうでしょう。叩いてる場合ではない。叩くならケツをひっぱたいた方がいい。とっととやる事やらんかい!!と。
そして日本は政治に対して少し結果を早く求めすぎる所があります。小泉は5年間続きましたけれど、基本的にそこまで続く政権なんて殆どない。アメリカだってヨーロッパだってもう少し長い目で見る。もちろん余裕がないからというのもあるのだろうけれど、その余裕のなさが更なる余裕のなさを生み出してしまっている事を自覚しないと自滅して行くしかない。そんなに簡単に結果は出ないだろうし、何らかの合理的な対策を打っても、その効果が現れるのには時間を要する。まだ一度も予算を組んでもいないのに、もう終わったって言う前に、支持したんだから、ケツを持ってやんないと、お任せ政治は変わらない。もちろんチェックは必要ですけれど、少し性急過ぎるような気がする。日本がずっと何も変えられないのは、そこに大きな原因があると思う。5年も放置しておけとは言いませんけれど、いくら何でも2ヶ月くらいじゃどうにもならないでしょう。
そして自民党の支持者の方はどんどん民主党を批判するのは結構な事だと思うのですけれど、それも大切なんですが、自民党の内部の問題も少しプレッシャーをかけないと、せっかく政権を再び奪取しても、まあ薄汚れた頭の悪い酷い連中がいっぱいいます。その辺のお掃除が出来ないと、結局同じ事が繰り返されるだけになる。民主党を支持した人達が、あれ?自民党って随分いい政党に生まれ変わったんじゃない?と思えるような魅力的な野党になってほしいと思う。前回の衆院選で比例復活して来たような小汚い連中が奥の院を牛耳ってこそこそやっているようでは、せっかく民主党が不人気になったって、それが自民党支持にならずに、単に政治不信になるだけです。やっぱり自民党ってのは底力があるなと思わせるような政党に生まれ変わってほしい。じゃないと政権交代可能な政治システムが機能しない。
まだ続く!!
自分も相当以前のブログで取り上げて、ボロクソの滅多斬りに批判した事があります。政権交代目前に迫っていたのですが、これを放置してしまうと、必ず政権交代出来たとしても民主党の致命的な弱みとなってしまう可能性があったからです。もちろんこういう意見はこの段階では非常に人気がないというのもわかっていましたが、散々クソミソに書いた。詳しくはこちら
これをマスコミがきちんと報じないという事は裏がある。そしてこれが脱税であるのなら、国民に隠蔽していても国税庁にはバレているであろうから、おそらく財務省とはバーター取引がすんでいるだろうし、こういう弱みを抱えてしまっては役人の権益にはおそらく及び腰になるしかないので、何も実行出来なくなるぞと。そしてすでにこの段階で、記者会見開放もないかもしれないよという事も書いている。案の定、平野バカ官房長官のおかげで、官邸の記者会見はあれほど開くと公言していたにもかかわらず、開いていません。もちろん鳩山首相も知らないわけはない。それはすなわちマスコミともバーター取引をしているわけで、というかあの段階ですでにしていたのかもしれない。だからマスコミのこの問題に対する批判も及び腰にしかならないという事まで書いています。
政権交代する前だからこそ、徹底的にぶっつぶしておかないと、政権交代後のサブスタンスは無くなるぞと書いた。というかこれが脱税でないとしても、明らかに問題化される弱みになるに決まっているわけで、鳩山が党首である以上、民主党の改革は何も期待出来なくなるよ。可能性はほぼゼロですよとまで書いた。そしてそうであれば期待するしかない岡田さんに関しても、鳩山よりはクリーンな分だけマシかもしれないけれど、ダメだよあれじゃ、民主党が政権をとっても何も出来ないよとキッパリバッサリ斬り捨てております。
自分は政権交代原理主義者でしたが、この一件が問題になって政権交代が出来なかったらそれはそれで仕方がないと思っていた。政権交代してもサブスタンスがないんじゃ政権交代出来たという意味以外は意味はないし(もちろんそれがない状態よりは民主制の仕組みの構築の為には一歩前進ではありますが)、今潰しておかないと、政権交代後に必ずそれが弱みになって支持率悪化やそれを打開する為の弥縫策というパターンに陥るぞと。だったら一時政権交代を逃したとしても、膿を吐き出した後にリベンジを果たした方が、一気に問題にコミット出来るのではないかという事で。
この時点で、自分のブログを読んでいる方は基本的に民主党を支持している人か、少なくとも自民党はもう支持出来ないと思っている人が、大半を占めているだろうという事は想像出来た。さすがに自民党や麻生ダーイスキ!!という人が自分のブログの読者だったらたいしたもんです。多分いないだろうし、いたら相当胆力がある。そういう人が麻生を支持するとも思えませんので、だから多分読んでいる人がイヤな気分になるだろうなとは思ったけれど、民主党を支持して、もしくは自民党を否定して、政権交代をさせるという事の覚悟を持ってほしいと思ったのでこれを書いたのです。おそらく梯子外しも始まるだろうし、政策的にかなり分厚い壁があるだろうというのも簡単にわかる。だから今(あの時の段階)ならまだ引き返せるよ。おそらく絶対絶望するよ。世論の梯子外しもあっという間だよ。政権交代支持するのならそれを念頭に置いてね。自分で支持をしたという事に責任を持ってね。と。
しかし今は政権交代してしまった。今更この事を叩いても手遅れです。しかもそんな事はすでにわかっていた事であり、政権交代させといて、これを騒いでも何の意味もない。今の状態でいかに意味のある状況に持って行くのか?いかに一歩でも前に進むのかを考えないと時間を浪費するだけです。
今の段階で必要なのは、政権交代に加担してしまった自分も含めた人達にとって重要なのは「ノーベル賞をオバマ大統領にあげちゃった作戦」しかない。つまり改革と言ってしまった民主党政権のたがをはめるという事です。オバマさんは今の段階では別に大した事はしていないし、かなり馬脚を現し始めている。オバマお前もか!!的なブッシュとおんなじじゃんって所も出て来ちゃっているし、演説は上手だったけれど、能力的にはどうなのよ?と多分多くの人が感じ始めてしまっているのではないかと思う。実際アメリカでも支持率はかなり減少している。
そこでノーベル賞になるわけです。実績がないのにおかしいだろ?と多くの人も思っている。オバマさんも偶々ポロっとはずみで言っちゃった演説が、思いのほか評価されちゃって、内心戸惑っているかもしれません。まあラッキーと思っているかもしれませんけれど。しかしこういうものを貰っといて、トーンを弱めるわけには行かなくなる。過大評価だとみんなが思っているのだから、それに見合った事をやらないと汚名になってしまう。別の意味で梯子を外す。ニコニコと賞賛しながら言った事を実行しないわけには行かない状況に追い込むには、非常に効果的な作戦であるとも言えるでしょう。だからこれはオバマさんを援護しているようにも見えますが、実は退路をふさいで後ろから無理矢理押す、言い訳出来ない状況を作り出しているわけでもあるのです。
そして同時にオバマさんの路線を邪魔している連中に対しての牽制にもなる。ノーベル賞を貰っているような問題を大きな声で反対とは言い難い。何も出来ていないではないか!!オバマ大統領はこの受賞に不適切な人だ!!といっても、お前が邪魔しているからだろという風に世論によって牽制させる事も出来るようになる。
これは今の日本の民主党にも当てはまる効果的な戦法であると言えます。やると言ったからには中途半端なものになって、まだ立ち直っているとは言い難い自民党にバックフラッシュでは、また自民党が人気がなくなってスイングバック、民主党がまたという感じで、梯子外し合戦に陥り、時間だけが浪費されてしまう。もちろん政権交代が繰り返されて行けば少しずつ前には進んで行く事にはなるでしょうけれど、今の段階のレベルで、何の中身もなく、細川政権の時のようにあっという間にバックフラッシュで、また大して変わっていない長期自民党政権なんて話になったら、もう出口はないでしょう。民主党への批判が意味のあるものにする為にも、言った事を実行しないわけには行かない、日本経済を立て直さないわけには行かない、この国の無駄と非効率を徹底的に是正しないわけには行かないというたがをはめてしまうのです。そうすれば批判が単に自民党へのバックフラッシュに利用される事にもなり難くなる。民主党に反対して言う政党であれば、当然政権交代すれば民主党がやると言っていたのにやらなかった事や、やると言っていたのに骨抜きだった事を是正する役割を同時に担う事にもなるからです。まさかそれをやるから反対しているんでしょ?と。つまり民主党以後にも布石が打てるわけです。
だからやがて不人気になって民主党は下野するでしょうけれど、それまでにどれだけ意味のあるものを残せるかは、彼らに任せていたのでは出来るわけがありません。すでに先ほども書きましたが何も期待出来ないというのは政権交代以前からわかっていた事です。それを今更言っても何の意味もない。
だいたい鳩山首相の金の疑惑についてはわかっていた事だし、それにもっと言えば民主党という政党が出来たのも、鳩山が大金持ちだからというのが最大の要素でしょう。それがなかったら政権交代なんて出来なかっただろうし、対抗軸も生まれなかったかもしれない。だから政治は結果なので、どれだけ今の政権にたがをはめて、例えば今後鳩山のような人は絶対に誤摩化せないような仕組みを構築したり、更に金のかからない政治が実現されれば、その手段はなんだって構わない。その為に今必要なのは合意だという事を書いて来たわけです。
しかし現在梯子外しが横行し、公約を守れではなく公約を破れがこの国のスタンダードな政治参加である理由は何か?これを書くといいました。これがわかれば実は処方箋は簡単なのです。簡単すぎてなんだそんな事かという話です。
日本人というのは、自明性に支配され慣れ親しんだものが変更されるとなると、抵抗を感じる。今までそうだったものがそのまま続いて行くはずだと思い込む、それを政治に対しても思っている所があって、丸山眞男は「作為の景気の不在」と言いました。何もしなくてもそれはそのまま続くと。欧米は逆で今あるものが続いて行く為には放置しておいては壊れてしまう。だからコミットメントする必要があると言う事で、投票行動にも何かを変えるとか合理的な政策はこれだという感じでポジティブな意思表示になりやすい。
だから日本では何らかの政策的なものを支持した上で、政党を支持するというポジティブな政治参加よりも、政権党にお灸を据えるという感じの、ネガティブな政治参加の方が動員力になりやすい国です。先の衆院選は、自民党や官僚許せん!!郵政選挙は、抵抗勢力許せん!!そんな感じの参加なので、別に民主党の政策なんて支持していないという話になる。郵政民営化に賛成しているけれど、それは抵抗勢力にムカつくからで、中身は別に気にしちゃいない。だから普段はお任せ無関心だけど、ムカつくと参加する。いずれにせよ空気を読んで何かを反対するというのは動員になりやすい。
もしくは公共的な振る舞いを装いながら、結局俺に分け前をよこせという話でしかない。言っておきますが、自分は民主党の政策で恩恵を受けるものなど殆ど何もありません。高速道路はたまに使う事はあるかもしれませんので、ちょっとは恩恵を受けるとは思えますけれど。まあ強いて言えば景気が回復すれば、株で少し儲けられるかなとは思いますけれど、それならハナっから民主党なんて支持しませんし、小泉竹中を応援していたでしょう。麻生の弥縫策的景気対策も歓迎しているでしょうし、経団連の民主党は成長戦略がないという意見にも賛同したでしょう。別に日本の株価が上がらなくたっていくらでも勝負は出来ますから、どうでもいいといえばどうでもいいのです。だから何らかの嬉しい政策があるから投票したわけではありません。
この、俺に分け前をよこせも、やっぱり自分にとっての今までの慣れ親しみから変化してしまうと、損するのではないかとか、抜け駆けされるのではないかとか、そう言う事ですので、これもネガティブな投票行動に結びつきやすい、あそこに抜け駆け野郎がいる!!俺に分け前が回って来ないように思えるからけしからん!!と言った感じで。
しかしこれに対する処方箋は実は非常に単純で、これは自明性が変化すると、空気も変わるのでそれにいち早く適応するという風に行動原理が変わりやすい。天皇陛下万歳、鬼畜米英だったのが、アメリカさんありがとうに速攻変化する。あれだけ森喜朗をバッシングしていたのに、同じ自民党の小泉による「痛みに耐えて構造改革」にあっという間に適応する。昨日までみんなで持ち上げられていた人が、ある日を境にクソミソにバッシングされる。逆もまたしかり。政権交代と言って来たのに、速攻で俺はわかっていた的に梯子外しをはじめて、わかったような顔をする輩が増大する。逃げ遅れないように先回りして先に梯子を外し、自らは安全地帯から得意げになれる。
という事は国民の声を聞いていたのでは何も変更出来ない。自明性の変化を恐れ、反対の声が必ず上回ってしまうからです。なので、いったん支持を受け、選挙で正統性を調達しマニフェストを掲げているのだから、どんなに反対されようがけなされようが、自明性を変化させてしまえば、速攻空気は変化する。もちろんそれが国民に向いていない政策であれば、自明性なんて変化しませんから、余計バッシングされるでしょうけれど、それが国民に向いた政策であれば、結果は自ずとついてくる。なんだそんなに酷い政策でもなかったと思わせるか、別に損しなかったなと思わせるか、意外といい事あったじゃんと思わせてしまえば勝ちです。すなわちそれが合意調達になる。
これを横暴だと言い出すと、日本では何も変えられない事を意味してしまうわけで、選挙で政権を握った政党はそこを突破して自明性を変化させないと、何も出来ない。それさえ出来れば、必ず合意調達は出来る。今一番必要なものはそれです。簡単な話で、自明性が変化すれば多くの人が納得出来るのでそれは合意になり、自明性が変化しなければ納得いかないので余計文句が出てくる。やりもしないでうだうだしているのならやっちまえば自然にそれに適応して自ずと評価は決まる。これは政権末期に人気回復の為にマニフェストとは関係ない事をやるなんてパターンは許されません。選挙で正統性を得ている政党が、約束した事をこれにそって実行するのは横暴ではない。民主的な手続きを踏んでいるのだから、暴走にはなりません。これの背中を押して退路を塞いでしまうのが、現段階では有効ではないだろうかと思えます。
国民の声を本気で吸い上げて国の舵取りに生かそうとすると、どうしてもある制約がある。だから時には無視すべき局面もある。なぜなら政治は結果ですから。結果がともなえば、それは政治家としては正しい振る舞いであると言えるからです。
例えば北朝鮮問題で拉致被害者がかえって来てからのこの国の盛り上がりは凄かった。自分が小泉元首相が一番凄いと思った瞬間もこの時でした。この時ばかりは拉致被害者家族の人達が北朝鮮から拉致被害者を連れて帰って来た小泉を足りないと批判している姿を見て、気持ちはわかるけどさ、それはいくら何でも酷いじゃないか。言い過ぎだよと、小泉を擁護したくなったほどです。ただこの後がいけません。安倍晋三の路線に乗っかってしまった。国民も断固拳を振り上げて、政治家の人気のリソースとして利用されてしまっている事に気付かずに、みんなで大騒ぎしていた。断固とした措置を!!という感じで。その時に交渉しなきゃ絶対にかえって来ない。強硬措置なんかとったら自爆するだけだ。国交正常化しちまえば、行き来が出来るようになるのだから、その方が見つかる可能性は増えるじゃないか。そんなことを言おうもんなら袋叩きにあう。まあ言いましたけどね散々。
拉致被害者やその家族の苦しみが想像出来ないのか!!(お前は拉致被害者か?もしくはその家族か?赤の他人が知ったような顔するな)、北朝鮮のような無法者国家など、容赦する必要は無いのだ!!ハイハイ解りましたよ、じゃあどうするんですか?と問えば、日米安保を背景にして、断固北に制裁を!!とみんな言っていた。アメリカにお願いして断固何すんだよ?日本人のかわりに北朝鮮と戦争してくれってか?って感じでしらけていましたが、結果どうなったか?皆さんご承知の通り、小泉が連れ帰って来た以後は、誰も帰って来ないどころか、解決のめどは全くたたなくなっちゃった。あげくに核まで開発されちゃった。
拉致被害者救済最優先ならば交渉しなきゃ帰ってくるわけない当たり前ですね。北朝鮮への怒りをぶつける事を優先するなら、拉致被害者は後回しにするしかない。どちらかを優先すればどちらかが後回しになる。同時解決だ!!と叫んでいたわけです。日本中の多くの人が。しかも北朝鮮に怒るのはいいけれど、結局アメリカさんお願いしますって選択肢しか取れないくせに、何を鼻息荒くしてんだよバカじゃないのと半ば死んだ魚のような目になって絶望していたわけです。
その時に吹き上がっていた人達は、どう思っているのでしょうか?この問題を政治的な人気のリソースとして活用していた自民党の政治家は許し難いと思いますけれど、それに乗せられて、交渉のカードを自ら捨てる事を翼賛した国民達にも責任の一端はあるはずです。しかしそんな事は多くの国民は自覚もしていないでしょうし、下手すりゃ拉致問題なんて、もう結構報道なんかでは下火になっちゃっているので、たまに思い出したように酷い話だくらいには思っているかもしれませんけれど、解決出来ない政府の無能さを叩いたりしているのではないでしょうか。
北朝鮮が酷い国だと言うのは正しいし、交渉すれば帰ってくるかと言えばそれも可能性としては少ないと言えるかもしれない。だけどそもそもこの問題は何人拉致されていて、何人生きているのかもわからないわけだから、解決のラインがハナっから無い。何人拉致されているのかを把握し、何人生きているのかを把握して、初めて全員返せと言えるわけで、その事を把握しようとしたふしも無い。当然北朝鮮から引き出さないとわかりませんから、その意味でも交渉しなきゃわかるわけが無い。悪者たたきをしたいなら、交渉は出来ません。文句を言って帰ってくるのなら、そもそも拉致なんてしないでしょう。
こういう問題を国民感情を吸い上げて対処しようとすると、上手くいくわけが無いので、国民感情は無視して、弱腰だと罵倒されようが、北と対話なんて非常識だと言われようと、結果を出して自明性を変化させてしまえば、国民の支持は自ずとついてくる。それを国民感情を利用して人気のリソースになんかしてしまうと、いったん振り上げた拳の行き場が無くなって、選択肢を失ってしまう。解決出来ないもんだから、ただ断固断固喚いて、北朝鮮のせいにして誤摩化し続けるしか無くなる。それはもう解決のためというよりも政治家の保身の為でしかなくなる。
これを戦略的にノーベル賞作戦のように、退路を塞いで背中を押すという意味で国民側が北朝鮮問題解決の手段として利用するのならまだわかりますが、そういう場合も、拉致と核問題同時解決、拉致解決なくして交渉なし、みたいな正しいかもしれないけれど解決不能の落としどころのない要求を突きつけてしまうと潰れてしまう。ポピュリズムに走ってくだらない弥縫策で誤摩化そうとするでしょう。だからノーベル賞作戦を取るにしても注意は必要です。
政治家はそれが実行不可能な国民の要求であれば無視すればいいのです。選挙で正統性を得ている政策であれば気にする必要はないし、まだ選挙で問うてない例えば拉致問題に手を付け始めた初期の頃であれば、民意を無視した方が逆に合理的になる。だから支持者はその後押しをする必要があり、民意の無視と言っても、その先に問題の是正に合理的選択とは思えなければそれこそバッシングすればいい。
フランスのミッテランが死刑廃止を導入した当時、フランス世論の6割が死刑制度廃止に反対していた。だけどミッテランは半ば強引に説得して死刑を廃止にしてしまった。すると反対していた人達も自明性が変わり、すなわち死刑を廃止にしても、それほど悪影響も無いし、むしろ死刑にして問題を解決するよりも他の方法の方がいい事なのかもしれないとマインドが変わった。それでも死刑廃止には疑義はあるでしょうけれど、一応今は当たり前の前提になっている。フランスのような日本に比べたら市民性が成熟している国でさえ、自明性に支配されている。
日本のお任せ民度の低さ、空気支配の構造、変わり身の早さを考えれば、暴論言いますよ、選挙で正統性を得ているのだから、約束した事であれば民意なんて無視するのが、この状況を打破する唯一の方法です。反対って言うに決まってるのです。それが合理的かどうかなんてハナっから問題じゃない。反対だと言いたい。それで何か言ったような気になるのが日本人の特性でもある。そういう世論など、無視してやる事をやる。それが唯一の合意調達でもある。
そして今の日本に必要なのは合理的な政策は何か?という事よりも、みんなが合意出来るという事の方が優先事項でもある。どうせ合理的な政策なんていきなり打てっこないのだから、合意さえ何とかなれば、後は自ずと形はついてくる。国民がある程度信用してバックアップしている状態というのは、政治家にとってはもっとも強力なリソースになる。それには官僚も、マスコミも絶対に太刀打ち出来ません。役人やステークホルダーの権益を引っぱがすには、国民の後ろ盾が一番強力な武器になる。民主制というのはそういう仕組みだからです。
官僚の権益が中々是正されないのは、政権交代がなかったというのがまず一点。そしてそれを政治家がやれるとは信用していないのがもう一点。役人や官報垂れ流しの談合マスコミの情報に釣られて、そういう連中の権益護持に加担してしまう点が一点。そして一番重要なのは我々が本気でそれを望んでいないのが最後の一点。役人叩きをしながらお任せ意識はそのまま、ちょっと不安があるとすぐに国家を呼び出して何とかしろと喚き出す。政権から世論の支持が離れればそこに付け入る隙が生まれる。前大戦がなんで止まらなかったのかと言えばそれを国民が支持していたからです。戦争に反対し軍部にたてついた政治家を支持しなかった。どんなに軍部や官僚や軍部寄りの政治家が戦争したいと思っていたとしても、それをバカマスコミが翼賛していたとしても、国民が反対していれば絶対にそれを強引に実行する事は出来ない。逆に支持してしまえば基本的には政治家も役人もそれに従うしか無くなる。マスコミもそういう国民の世論に媚びた報道をするしかない。
合意さえあれば、政策も最適化しやすくなるし、突破出来そうもない利権の解体もやる気になれば出来る。どんなに合理的な政策でも、合意がなくちゃ意味がない。ちょっとぐらい不合理な政策でも、みんなが信用してバックアップ出来れば、そんなのはいくらでもどうにでもなる。抵抗する力学を弱体化させれば、簡単に最適化する事が出来るからです。足の引っ張り合いではない健全なチェックを機能させる為にも、意味の無い批判はぶっ潰さないと機能しません。
そして国民の合意を得て政策を実行出来るようになれば、それは景気へのポジティブな影響も与えやすい。みんなが信用していない状態で、どんなに合理的な政策を打ったって、景気は回復しない。景気が回復するのは明確な理由があるからそうなるのではなくて、みんなが回復出来ると思えるから回復する。みんなが株が上昇すると思えれば株価は自ずと上昇する。その過程で初めて適切な政策もうてるようになる。最初の推進力がないと、今の状況は打破出来ない。そして最初の推進力を生み出す為にはここまで停滞してしまうと、よっぽど強い力で押してやらないと前に進んで行かない。いったん前に進み出せばリソースは増えて行く、それを適切に中抜きを排して分配していけば今の状況は転換出来る。日本の借金は合意を調達してそれを推進力とし、適切な政策を打てる環境が整い、それをある程度的確にうって経済成長出来ればそんなに絶望的な数字ではない。財政再建出来ない事はありません。推進力もない状態で、停滞のまま増税で何とかしようとしたのでは、負のスパイラルは更に加速してしまうでしょう。その推進力を生み出すバックアップとプレッシャーがないから、早い話が政策も合理的な政策がうてない、特定の既得権者に媚びを売るしか無くなる。それを逆回転させる為に今一番必要なのは合意による推進力です。
その時こそ民主党支持者であればこそ徹底的なチェックが必要になる。マニフェストが骨抜きになっちゃいないか?どこかでこぼれ落ちている人を無視していないか?何らかの恣意性や利権へと化しちゃいないか?そして実行してみたものの、やっぱりこれはどう考えても失敗だったと思うのなら、その時こそ、不合理なんだから、とっとと撤回しろと言えばいい。国民にとってマイナスでなんだからブレーキを踏めと。俺たちが支持したマニフェストは間違っていたと。もちろんそれは民主党だけの責任ではなく支持した我々の責任でもある事を引き受ける。優先順位がおかしければそれにもチェックは必要だろうし、政権が長引けば必ず慣れが生じ腐敗もしてくるわけだから、その慣れや腐敗を叩き、場合によっては引きずりおろす事までひっくるめて叩けばいい。
自明性が変わってしまうと小泉の郵政選挙の時の民意のように、支持しているのにマニフェストなんか守るなというか、翼賛体制であるが故に骨抜きを放置して賛成!!という風になりかねないわけだから、言っていた事と政策が違っているぞ、骨抜きになっているじゃないかふざけんな、役人の恣意性は増えているじゃないか、とチェックする。その方がよっぽど実りがあるような気がします。そう言うチェックが働けば、政治家は結局選挙の勝敗には敏感ですので、必ずそこを取りにくるでしょうし、そこを取りに来ずに、先日までの麻生のように、下らん弥縫策で人気取り的ポピュリズムなどにうつつを抜かしているのなら、次の選挙でキッチリ痛い目に合わせればいいのです。
その支持が離れた瞬間が一番役人の付け込む隙にもなるのでその事には目を光らせておく必要がある。景気が回復し始めると、必ず役人はその邪魔をして潰しにかかる。政治への支持が低下した瞬間が一番危険な瞬間です。役人は不安こそが彼らの利権でもあるので、国民を裕福にしてしまえば、管理し難くなる。貧しく不安を抱えた状況である事が役人にとっての最大のリソースになるわけです。マスコミもそうでしょう。その方が政治家のコントロールも楽になる。逆に国民に余裕が生まれてしまうと、政治家も余裕が生まれるので、役人にとって管理し難くなる。ステークホルダーの横やりに政治家もビビらなくなる。
経済を後押しするにも、政策を後押しするにも、今の日本は最初の段階は結構強力におもいっきり押してやらないと、前に進んで行きません。だから民主党の政策はバラマキだと批判されておりますが国民に余裕がなければ、推進力を生み出すパワーも生まれない。これだけ高齢化も進み人口も減って行く中では、かなり強烈なインパクトを与えないと壁を突破出来ない。合理的な政策をうつのは前に進んでいる途中でもうてるわけで、止まっている状態で、ああだこうだ足を引っ張りあっていても、前には進んで行きません。時間だけが過ぎ、後押しする人の数も減って行く、とにかく前に進ませて、その過程で出来うる限り合理的な選択をその都度選んで行けば、その推進力は加速し始める。
もちろん失敗はするだろうけれど、今の我々の政治参加というのは、政治家にとっては絶対に失敗出来ないというプレッシャーしか与えていない。失敗するなというプレッシャー自体は必要ではありますが、それも程度の問題で度を超すと逆効果になりかねない。だから何も出来ないし何も進まない。失敗したくないから何もしないで先送りするしか無くなる。何かの決定を下せばそれは失敗はつきものであり、失敗のない政策なんて打てっこない。そういう完璧を求める厳しい目線が政治家の人気取り的な中身のない失敗の恐れのないくだらない上っ面のパフォーマンスを生み出している。すでに民主党もやり始めてます。そういうのに引っかかるほど、国民は愚かではありません。このままでは中身がスッカラカンになってしまうでしょう。叩いてる場合ではない。叩くならケツをひっぱたいた方がいい。とっととやる事やらんかい!!と。
そして日本は政治に対して少し結果を早く求めすぎる所があります。小泉は5年間続きましたけれど、基本的にそこまで続く政権なんて殆どない。アメリカだってヨーロッパだってもう少し長い目で見る。もちろん余裕がないからというのもあるのだろうけれど、その余裕のなさが更なる余裕のなさを生み出してしまっている事を自覚しないと自滅して行くしかない。そんなに簡単に結果は出ないだろうし、何らかの合理的な対策を打っても、その効果が現れるのには時間を要する。まだ一度も予算を組んでもいないのに、もう終わったって言う前に、支持したんだから、ケツを持ってやんないと、お任せ政治は変わらない。もちろんチェックは必要ですけれど、少し性急過ぎるような気がする。日本がずっと何も変えられないのは、そこに大きな原因があると思う。5年も放置しておけとは言いませんけれど、いくら何でも2ヶ月くらいじゃどうにもならないでしょう。
そして自民党の支持者の方はどんどん民主党を批判するのは結構な事だと思うのですけれど、それも大切なんですが、自民党の内部の問題も少しプレッシャーをかけないと、せっかく政権を再び奪取しても、まあ薄汚れた頭の悪い酷い連中がいっぱいいます。その辺のお掃除が出来ないと、結局同じ事が繰り返されるだけになる。民主党を支持した人達が、あれ?自民党って随分いい政党に生まれ変わったんじゃない?と思えるような魅力的な野党になってほしいと思う。前回の衆院選で比例復活して来たような小汚い連中が奥の院を牛耳ってこそこそやっているようでは、せっかく民主党が不人気になったって、それが自民党支持にならずに、単に政治不信になるだけです。やっぱり自民党ってのは底力があるなと思わせるような政党に生まれ変わってほしい。じゃないと政権交代可能な政治システムが機能しない。
まだ続く!!