EaglesのHotel Californiaでひと休み。


事実上ロックの死、カウンターカルチャーの終焉を歌った名曲中の名曲。

フォード主義からポスト・フォーディズムに移っていく過程で、我々消費者と言うか生活者の振る舞い方も変わりました。昔は例えば学生運動のようなものがしめす通り、「ここではないどこか」を求めて彷徨っていた。まあそれ以前は、生活して行くのにいっぱいいっぱいで、ここではないどこかなんて言ってられる状況でもなかったのでしょうが、ある時期からこういったコミュニケーションが出て来ます。

これは日本では団塊世代のニューファミリー幻想、アメリカのテレビドラマなんかに影響を受けて、ドライブに連れてってくれる優しいパパ、魔法のようにおいしい料理を作ってくれるママ、そしてボク(ワタシ)がいて、庭にラッシーが遊んでいるみたいなのがあった。

でもこれは実際は団地化が進んだだけですので、庭なんて無いし、父ちゃんは仕事仕事、母ちゃんは素敵な専業主婦どころか、ご近所付き合いの実りの無さに放り出され、閉鎖的な空間に押し込められる。ガキンチョどもは受験戦争に叩き込まれる。ポルノ映画も団地妻なんたらかんたらみたいなシチュエーションが増えてくる。父ちゃんは仕事に承認を求め、母ちゃんは子供の教育に承認を求め、逃げ場を無くした子供達が、家庭内暴力から始まって、校内暴力と言う問題に発展して行きます。

これが連合赤軍事件のようなものを契機にして、「ここではないどこか」を求める事よりも、データベース的な消費、カタログ的な消費によって、現実の読み替え、という行動作法が主流になって来ます。丁度オイル・クライシスによって高度経済成長が永遠に続かないと気付き、安定成長時代に突入したのも大きな要因です。

思想的にはちょうど重なっているのが、ポストモダンの発想が日本でも脚光を浴びるようになって行く。革命によって世の中を覆すのではなく、実りの無い現実は簡単には変えられないので、そこそこのテンションで現実を乗り切る為、カタログ的な消費が脚光を浴びるようになるわけです。西武のキャッチコピーであった「おいしい生活」のようにどんな生活なのか具体的にはわからないけれど、何となく楽しそうな気がするライフスタイルというかなんというか。

「どこそこの海を独り占め」だとか「これこれの秋を食べつくす」だとか、実際海に行って独り占めにするという事は物理的に不可能ですし、単なる旅行者が数日滞在するくらいでは、ちょっと味わう程度に過ぎません。だけどこういった言い方をすると、何となく独り占めにしたような、何となく食べつくしたような、ちょっと幸せな気分にさせられて帰ってくる。海を独り占めという記号を消費して、錯覚しているだけなのですが、こういった消費が増えてくる。

ロックもイーグルスのホテルカリフォルニア以降、ニューヨークパンクから、イギリスに飛び火してセックス・ピストルズに代表されるように、下手クソで音楽的センスゼロの連中が、ノリとファッションでアナーキーと叫び、カウンターカルチャーを単なる戯れの対象として、多くの若者が謳歌するようになります。現実に反抗してもテンションが上がらないので、ファックと叫び、非現実的な奇抜さと戯れる事によって、現実の読み替えをする。

ロックが商業音楽にスポイルされ、MTV的な文化に発展して行く過程、ロックは反抗のシンボルではなく、ネタとして現実世界を軽く補うものとなって行く過程と実は表裏一体でもあるわけです。

それではロックの死、ことあるごとに言われる事ですが、ロックは死んだのか?

ロックバカのオヤジの戯言を吐きます。あらかじめ失礼します。

ロックはジャンルではありません。スピリットです。いつの時代でも、どんな環境でも、人がそこに希望を見いだし、スポイルされた環境に疑いのまなざしを持ち、現実に向き合い抗う魂を失わないかぎり不滅です。

我々の見方となってくれるものであり、人を傷つける事無く、強力に心を揺さぶる武器、平和的で愛に満ちて人々を勇気づけ動員の剣となる。

再びオヤジの戯言を吐きます。失礼します。

現実?クソ喰らえ、ロックをおみまいしてやるぜ!!


このギターソロを聴いて、ロックが死ぬわけねえだろ!!って感じです。


歌詞
On a dark desert highway, cool wind in my hair
Warm smell of colitas, rising up through the air
Up ahead in the distance, I saw a shimmering light
My head grew heavy and my sight grew dim
I had to stop for the night
There she stood in the doorway;
I heard the mission bell
And I was thinking to myself,
'This could be Heaven or this could be Hell'
Then she lit up a candle and she showed me the way
There were voices down the corridor,
I thought I heard them say...

Welcome to the Hotel California
Such a lovely place
Such a lovely face
Plenty of room at the Hotel California
Any time of year, you can find it here

Her mind is Tiffany-twisted, she got the Mercedes bends
She got a lot of pretty, pretty boys, that she calls friends
How they dance in the courtyard, sweet summer sweat.
Some dance to remember, some dance to forget

So I called up the Captain,
'Please bring me my wine'
He said, 'We haven't had that spirit here since nineteen sixty nine'
And still those voices are calling from far away,
Wake you up in the middle of the night
Just to hear them say...

Welcome to the Hotel California
Such a lovely place
Such a lovely face
They livin' it up at the Hotel California
What a nice surprise, bring your alibis

Mirrors on the ceiling,
The pink champagne on ice
And she said 'We are all just prisoners here, of our own device'
And in the master's chambers,
They gathered for the feast
The stab it with their steely knives,
But they just can't kill the beast

Last thing I remember, I was
Running for the door
I had to find the passage back
To the place I was before
'Relax,' said the night man,
We are programmed to receive.
You can checkout any time you like,
but you can never leave!

和訳
暗く寂しいハイウェイ
涼しげな風に髪が揺れる
コリタス草の甘い香りがほのかに漂い
はるか前方には かすかな灯りが見える
頭は重く 視界かすむ
どうやら今夜は休息が必要だ
礼拝の鐘が鳴り
戸口に女が現れた
僕はひそかに問いかける
ここは天国? それとも地獄?
すると 女はローソクに灯を灯し
僕を部屋へと案内した
廊下の向こうから こう囁く声が聞こえる

ようこそホテル・カリフォルニアへ
ここはステキなところ
お客様もいい人たちばかり
ホテル・カリフォルニアは
数多くのお部屋をご用意して
あなたのお越しをいつでもお待ちしています
ティファニーの宝石のように繊細で
高級車のように優雅なその曲線美
美しいボーイたちはみな
彼女たちに心を奪われている
中庭では香しい汗を流して
ダンスを踊っている人々
思い出を心に刻もうとする者
すべてを忘れるために踊る者

そこで僕は支配人に告げた
「ワインを持ってきてくれないか」
すると彼は「そのようなスピリットは1969年以降一切ございません」
それでも人々が深い眠りについた真夜中でさえ
どこからともなく 声が聞こえてくる

ようこそホテル・カリフォルニアへ
ここはステキなところ
お客様もいい人たちばかり
どなたもホテルでの人生を楽しんでいらっしゃいます
口実の許すかぎり せいぜいお楽しみください
鏡を張りめぐらせた天井
グラスにはピンクのシャンペン
誰もが自分の意思で囚われの身となった者ばかり
やがて 大広間では祝宴の準備がととのった
人々は 鋭いナイフを突き立てるが
誰ひとり内なる獣を殺せない

気がつくと僕は出口を求めて走りまわっていた
もとの場所に戻る通路を
なんとかして見つけなければ・・・
すると 夜警がいった
「落ち着いて自分の運命を受け入れるのです
チェック・アウトは自由ですが
ここを立ち去ることは永久にできません」

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