前回の続きでござる。
中国の急速な発展は凄まじい勢いです。13億人を超える消費者市場を抱えていて、それが空前の勢いで経済成長すれば、資材、原材料、商品が必要になります。その消費者のうち3億人は未成年で、我が国の全人口の倍以上の若者たちがいる。収入の40パーセントを貯蓄や投資にまわし、共産主義の国の割には相対的に働き者で、金に貪欲です。
銅、鉄鋼、鉄鉱石、大豆の世界一の消費国で、石油等エネルギー商品の世界第2位の消費国、例えば中国人全員が1年に小さじ1杯分だけ大豆油の消費を増やすだけで大豆油の世界の貿易額は倍になるといいます。中国が発展するという事は膨大なモノが必要になるという事です。
石油の消費量はこの20年で3倍にふくれあがり、1日の消費量は700万バレル近くに増加しました。アメリカの消費量は世界の生産量の25パーセントにあたり、1日あたり約2000万バレルを消費しているが、人口は中国の数分の1しかいません、中国の石油の消費量は、世界のたった8パーセントですが、人口の差と、経済の発展速度を見れば、どうなるかは言うまでもありません。
先進国は需要の急激な増加はないが、中国は爆発的な速度で需要が増加しています。先進国はエネルギー消費をやめられないが、中国は供給が追いつかない事態に陥っても気にしない、国民が困ってもあの国は放っておくのがいつもの事です。それに中国は、2030年までに全石油消費量の85パーセントを輸入する事になるという予測もあります。自国の資源を急激な勢いで消費し尽くし、自国だけでは需要に供給が追いつかず、すでに多くの商品を輸入に頼っています。
そしてあの国にはけして枯渇しない資源があります。華僑です。現在60カ国に600万人近くの中国人がいる、その85パーセントは東南アジアに住んでいます。例えばカリフォルニアだけを取っても100万人の中国人がいて、そのほとんどが成功しています。インドネシアとフィリピンでは、富の7割を中国人が握っています。タイでは企業の8割が中国人のものです。考えようによっては、中国人全体で世界第3位の経済を形作っている事になります。
さらに重要なのは外国に住む9割の中国人が現地に帰化している一方、その大多数は中国語を話す事が出来て、親類を通じて中国本土と結びついており、中国に投資する事を好みます。
共産党政府も、彼らの投資と技術を歓迎してます。事実、中国への投資の8割は華僑によるものです。そうした経済的愛国主義を奨励する為に華僑の子孫ならほとんど誰にでもビザを発行しています。
加熱した中国経済がいずれバブルが崩壊し壊滅的な打撃を受けるという見方もありますし、更なる人民元の切り上げにより、ソフトランディングするという楽観論もありますが、歴史的にソフトランディングに成功したためしはきいた事ありませんので、ハードランディングによる危機的状況は訪れるかもしれませんが、この国のような舵取りは絶対に中国はしません。
一時期悲惨な状態になるかもしれませんが、日本のように責任を先延ばしにしてグズグズするという事はないでしょう。何と言っても一党独裁政権ですから。内政に問題が生じるかもしれませんが、それを乗り切る事が出来れば、日本ほど舵取りを間違えて、負債をどんどん増やすと言う事は有り得ないと思います。
人民元はドルにペッグされていましたが、それをやめる事によって、苦しむように見える、だけどこの国の円もドルに対して400パーセント上昇したにもかかわらず、対米貿易黒字を抱えていた事を考えれば、一時の事だと考えます。あの国の発展はそういう次元じゃありません。世界一の消費大国になったとしても、国民の裕福さは、欧米のそれには及ばない、それはまだまだのびしろを残したまま、世界一の経済大国にのしあがるという事です。
世界一に発展しても、消費はのびしろがある分だけのびる可能性を秘めている、供給がそれに追いついていくのは困難かもしれませんが、近い将来、他の国の経済活動をぶっちぎりで引き離して、経済も軍事も世界チャンピオンになるのは間違いないのではないかと思います。という事は足りなくなった供給を求めた更なるヘゲモニーが、これから展開されていくのはほぼ確実です。新しく引いた送電線を切り、テレビを捨て、バスやバイクに乗るのをやめ、省エネの為に歩いたり、自転車に乗るようになれば、需要を押さえられるかもしれませんが、そんな事は有り得ないでしょう。
中国はアメリカのように単細胞じゃありません。戦争で何でも片を付ける国ではない。孫子の兵法のような極めて優れたポリティコミリタリーをあんなに古い時代から身につけています。それは彼らの考え方の根幹にある。孫子は戦いの勝ち方を教えている、戦争は一つの手段であらゆる権謀術数を使い、王道の精神、すなわち仁義や大義と呼ばれるものと、覇道の精神、合理的な思考に基づき行動するものとを、狡猾に使い分ける。
インドをそそのかして中国に対抗させようという目論みもありますが、アメリカが期待するほどの国ではありません。アウトソーシングでアメリカ人の仕事がインドに流れている、想像を絶する貧困に喘いでいた国が、グローバライゼーションを押し進める情報技術革命の一大勢力として台頭してきたと持ち上げる、教育は小学生で驚異的な暗算能力を持ち、その高い教育水準が情報技術革新を生むと言われています。
しかし社会、経済の最も重要な分野で中国の相手ではないように見えます。勝負にすらなっていないと言われています。保護主義と規制は酷いようですし、インフラも中国と比べれば天と地の差があります。教育も普及率を見ると、中国には遠く及ばない、中国とは違って民主主義だと威張っていますが、カシミール地方の宗教分離運動での抗争、色濃く残るカースト制度、ヒンズー過激派も残虐行為を働いている、パキスタンとの緊張、民主主義と言いながら女性への差別や格差、中国の相手としては余りにも約不足と言わざるをえません。
台湾では、中国国民党の馬英九というイケメン政治家がが象徴的でしたが、彼は不正が発覚して支持率が下がっていますが、仮に彼であれ、他の人であれ、政権交代が起こりますと、これまでの独立モラトリアム路線から、統一モラトリアム路線にシフトチェンジする可能性もあり、今まで親日的だった李登輝や、陳水扁路線と違い、中国と協調路線をとるようになる可能性があります。
台湾の親日政権を無視し続けて、李登輝が日本に来たときなどの扱いは酷いもんでした。中共に配慮しての事なのでしょうが、キッシンジャーの一つの中国という、単なる政治的方便であったはずの、いい加減な幻想を世界中が信じてしまっていた事もあったし、真剣にその問題に向かい合ってこなかった結果でもあるのかもしれません。
台湾と中国の軍事的緊張は半端じゃありません。中国も日本の台湾問題への介入には散々釘を刺してきたという事もありますが、中共は歴史上一度も実行支配した事も無いし、実際三回も軍事侵攻を行おうとして失敗している台湾を中国の領土だ、独立すれば攻撃するぞと、反国家分裂法をつくって、脅しているわけです。
実際八百発近くのミサイル、東風11号、同15号が、台湾に向いていると中国は台湾を脅かしています。台湾のケツを台湾関係法に基づき、アメリカが持っている事によってかろうじて、ミリタリーバランスは拮抗していますが、七日間という短期間でどこの国も手出しが出来ない電撃作戦を中国は計画し、膨大な軍備による上陸作戦の演習をやったりして恫喝しています。短期間で済ませる事によって、他国の介入する前に片をつける、経済的なダメージも軽症ですませる。
でも実際中国の軍事力では実行制圧となるとかなり微妙で、軍備だけで言えば、台湾の第四世代戦闘機は中国の軍備を凌駕してもいます。中国のSu27やSu30は数の上では台湾のF-16、ミラージュ2000-5を上回っていますが、台湾の航空戦力は基本的に防空作戦に特化して戦えますし、作戦空域が狭いため、航続距離的にも有利です。決定的なのはE-2T早期警戒機四機を台湾は保有していますが、中国にはそれが無い。それは大きな差です。また地上配備のペイブ・ホースという高性能レーダーをアメリカから供与を受けてますので、情報戦でも台湾の装備の方が優位です。
中国は台湾海峡の制空権をとれない、したがって軍事侵攻は不可能という事になる、現代戦の常識として、航空優勢の確保なしには制海権を握る事は出来ません。勝算はたたないということになります。だけど台湾を無茶苦茶に破壊する事は出来る、ただミサイルを発射すればいいだけですから、台湾はミサイル東風11号、同15号に対抗する為に、PAC3やイージス艦をアメリカへ供与を求めていましたがアメリカは渋っています。中国に対する配慮もあると思われます。中国は台湾海峡での制空権を確保するため空母の開発を進めています。様々な憶測がありますが、現段階ではまだ保有していないと思われます。
同じく力を入れていたのが、原潜ですが数の上では、圧倒的にアメリカに太刀打ち出来ません。以前この国の領海侵犯をした事が発覚して大騒ぎになりましたが、自衛隊のP3C哨戒機がそれを逐一モニターしていました。それだけでも中国はショックだったと思いますが、アメリカの攻撃型原潜が、出港した青島沖からずっと追尾していました。中国はアメリカ原潜が中国沿海部まで接近し活動していた事を把握出来ずに、気付いていたか気付かずかはわからないが追尾を許し、中国原潜の無力さを露呈し、中国は軍事ではアメリカに太刀打ち出来ないと悟り、軍の近代化を進めながら、経済的な発展を押し進めました。
クリントンが中国にミサイル技術を売り渡してしまった為に、中国のミサイル技術は飛躍的に進歩し、ミサイル原潜の実戦配備も進んで、ワシントンやニューヨークへの先制核攻撃も可能になったわけです。
しかし中国の対米核抑止力には疑問点が沢山あります。唯一中国の軍事的な拠り所ですが、実戦でどこまで機能するかは問題点も多く残しています。しかし脅威である事には変わりません。アメリカも迂闊に刺激は出来ない。沖縄や横須賀への攻撃能力は間違いなくある程度の精度を持っていると思われます。
中国は表面上は友好をうたいながら、軍事的な対決は避け、石油やエネルギーの獲得に励み、表面上は資金援助、経済援助の形をとりながら、反米的な国家の取り込みを進めています。もちろんアメリカには友好をうたい、機嫌を損ねないように、平和路線を装っています。
チャイナ・ナショナル・オフショア・オイル・コーポレーション、中国海洋石油総公司によるアメリカの石油企業ウノカル買収は失敗に終わりましたが、常識はずれの買収額で、メジャーも太刀打ち出来ませんでした。議会やマスコミが大騒ぎした為に失敗して、シェブロン・テキサコが買い取る事で一件落着しました。アメリカも警戒感を示しだしましたが、中国は経済活動をしているだけで、戦争を仕掛けているのではない、経済発展により大国になろうとしているだけだ、と知らん顔しています。
アメリカ政府は比較的中国には楽観に満ちています。警戒感を持つ人もいますが、絶対数は楽観主義者が占めています。ブッシュなんかも危機感はあまり持っていないようです。チベットのダライ・ラマと親交を深めたり、内モンゴルと関係強化したりして、中国の分離工作はしましたし、インド、パキスタン、南アジア、東南アジア、との関係は、中国よりも深かいのですが、借金まみれの米国の景気を支えているのは、中国の安い輸入品と、米国債への投資です。何より彼自身が大統領になれたのも、その政権を不人気ながら維持出来ているのも、経済の偽りの好景気が支えていたというのもありましたし、何より彼は中東に夢中ですから。
本当は中国の覇権を警戒して、いち早く石油の確保に乗り出していたのかもしれませんが、それはどちらか我々には想像するしかありません。軍事的優位は動かないし、中国も核保有国なので、その抑止力も働いています。中国の経済発展は何よりおいしいマーケットというのが決定的だと思いますが。
もとはと言えば、前大戦が終わったあと、経済的な発展を遂げるのは、日本ではなく中国が発展する方が自然だったはずです。前大戦だって中国の利権をめぐっての権益争奪戦の末に勃発した戦いだったのですから。ルーズベルトのアホが共産主義者を甘く見ていなければ、日本さえ叩きのめせば中国の利権が手に入ると勘違いしていなければ、旧ソ連や中共の存在をちゃんと理解していれば、冷戦の東西の境界線ももっと違ったものになったでしょうし、朝鮮戦争も回避出来たかもしれません。ヴェトナムも違ったものになっていただろうし、カンボジアのクメール・ルージュ、ポルポト出現もなかったかもしれない。それが善かったとか悪かったとか言いたいわけではありません。そんな事を言っても無意味です。
日本の繁栄は冷戦構造のおかげだったと言えますが、ルーズベルトがアホだったからと言うのが、一番の原因かもしれません。だからむしろ中国の経済発展は遅すぎたといえるのではないかと思います。
世の中のスピードがどんどん早くなっています。それは交通手段の発達、情報の流通速度、様々な原因がありますが、国が発展して崩壊していくスピードもどんどん早くなっています。
かつてローマ帝国から、モンゴル帝国、オスマントルコ、ムガール帝国、スペインとポルトガル、オランダ、大英帝国、アメリカ、そして戦後の日本、かつて地球上で我が物顔で権力を握った、チャンピオンは、例外なく滅んでいきます。国が無くならなくても、ゆっくりと経済的に落ちぶれていく、その繁栄と衰退の速度はどんどん増している、それを中国はわかっている、だから彼らは、無駄な弱者救済に労力を使わず、自然淘汰にまかせ、国家の次の目標を設定してその準備を整え、そしてそれを実行する。その為には何だってする。
王覇両道があの国の伝統です。王道、儒教的なものはわりあい日本に入って来ているからわかりやすい、孔子の教えです。関ヶ原以後、徳川政権下以降現在に至るまでの、日本的な道徳観念もこれに影響されています。もう一つ覇道、法家思想こっちはあまり伝わっていないが韓非子なんて言うのがわりあいしられています。それでもこの考え方は論理的な思考の苦手な、情緒過剰の日本人には、ちょっと想像できないし、受け入れられないのではないかと感じます。
関ヶ原以前の武家には当たり前だったのかもしれません。まあ法家思想というより利害中心主義と言った方が、この国の歴史を正確に表していると言えるのかもしれないのですが、ヒューマニズムや道徳的な観念とは全く逆のベクトルを持っています。国を運営する為には、国家権力はヒューマニズムや道徳、情緒を無視しなければならないという事を言っていて、ある意味、マクス・ヴェーバーが言った国家権力は時に応じて脱法しなければならないというのにも似ていると思います。
それが中国の漢民族の考え方の根幹にある王覇両道です。目的の為には手段を選ばない、王道の精神と覇道の精神を、狡猾に使い分けてくる、したがって、嘘だろうが、盗もうが、虐殺だろうが、戦争だろうが関係ありません。それを日本は解っていないのではないかと思ってしまいます。関ヶ原での石田三成と徳川家康の関係にも、第二次大戦前のフランスとドイツの関係にも似ています。
別に中国脅威論を煽りたいわけではありません。そういう意味で言えばアングロサクソンの行動原理だって似たようなもんです。ステイト・オブ・ディナイアルは危険であり、目を開けて現実を見ないと、国際社会の荒波に太刀打ち出来ません。
またしても、つづく!!
中国の急速な発展は凄まじい勢いです。13億人を超える消費者市場を抱えていて、それが空前の勢いで経済成長すれば、資材、原材料、商品が必要になります。その消費者のうち3億人は未成年で、我が国の全人口の倍以上の若者たちがいる。収入の40パーセントを貯蓄や投資にまわし、共産主義の国の割には相対的に働き者で、金に貪欲です。
銅、鉄鋼、鉄鉱石、大豆の世界一の消費国で、石油等エネルギー商品の世界第2位の消費国、例えば中国人全員が1年に小さじ1杯分だけ大豆油の消費を増やすだけで大豆油の世界の貿易額は倍になるといいます。中国が発展するという事は膨大なモノが必要になるという事です。
石油の消費量はこの20年で3倍にふくれあがり、1日の消費量は700万バレル近くに増加しました。アメリカの消費量は世界の生産量の25パーセントにあたり、1日あたり約2000万バレルを消費しているが、人口は中国の数分の1しかいません、中国の石油の消費量は、世界のたった8パーセントですが、人口の差と、経済の発展速度を見れば、どうなるかは言うまでもありません。
先進国は需要の急激な増加はないが、中国は爆発的な速度で需要が増加しています。先進国はエネルギー消費をやめられないが、中国は供給が追いつかない事態に陥っても気にしない、国民が困ってもあの国は放っておくのがいつもの事です。それに中国は、2030年までに全石油消費量の85パーセントを輸入する事になるという予測もあります。自国の資源を急激な勢いで消費し尽くし、自国だけでは需要に供給が追いつかず、すでに多くの商品を輸入に頼っています。
そしてあの国にはけして枯渇しない資源があります。華僑です。現在60カ国に600万人近くの中国人がいる、その85パーセントは東南アジアに住んでいます。例えばカリフォルニアだけを取っても100万人の中国人がいて、そのほとんどが成功しています。インドネシアとフィリピンでは、富の7割を中国人が握っています。タイでは企業の8割が中国人のものです。考えようによっては、中国人全体で世界第3位の経済を形作っている事になります。
さらに重要なのは外国に住む9割の中国人が現地に帰化している一方、その大多数は中国語を話す事が出来て、親類を通じて中国本土と結びついており、中国に投資する事を好みます。
共産党政府も、彼らの投資と技術を歓迎してます。事実、中国への投資の8割は華僑によるものです。そうした経済的愛国主義を奨励する為に華僑の子孫ならほとんど誰にでもビザを発行しています。
加熱した中国経済がいずれバブルが崩壊し壊滅的な打撃を受けるという見方もありますし、更なる人民元の切り上げにより、ソフトランディングするという楽観論もありますが、歴史的にソフトランディングに成功したためしはきいた事ありませんので、ハードランディングによる危機的状況は訪れるかもしれませんが、この国のような舵取りは絶対に中国はしません。
一時期悲惨な状態になるかもしれませんが、日本のように責任を先延ばしにしてグズグズするという事はないでしょう。何と言っても一党独裁政権ですから。内政に問題が生じるかもしれませんが、それを乗り切る事が出来れば、日本ほど舵取りを間違えて、負債をどんどん増やすと言う事は有り得ないと思います。
人民元はドルにペッグされていましたが、それをやめる事によって、苦しむように見える、だけどこの国の円もドルに対して400パーセント上昇したにもかかわらず、対米貿易黒字を抱えていた事を考えれば、一時の事だと考えます。あの国の発展はそういう次元じゃありません。世界一の消費大国になったとしても、国民の裕福さは、欧米のそれには及ばない、それはまだまだのびしろを残したまま、世界一の経済大国にのしあがるという事です。
世界一に発展しても、消費はのびしろがある分だけのびる可能性を秘めている、供給がそれに追いついていくのは困難かもしれませんが、近い将来、他の国の経済活動をぶっちぎりで引き離して、経済も軍事も世界チャンピオンになるのは間違いないのではないかと思います。という事は足りなくなった供給を求めた更なるヘゲモニーが、これから展開されていくのはほぼ確実です。新しく引いた送電線を切り、テレビを捨て、バスやバイクに乗るのをやめ、省エネの為に歩いたり、自転車に乗るようになれば、需要を押さえられるかもしれませんが、そんな事は有り得ないでしょう。
中国はアメリカのように単細胞じゃありません。戦争で何でも片を付ける国ではない。孫子の兵法のような極めて優れたポリティコミリタリーをあんなに古い時代から身につけています。それは彼らの考え方の根幹にある。孫子は戦いの勝ち方を教えている、戦争は一つの手段であらゆる権謀術数を使い、王道の精神、すなわち仁義や大義と呼ばれるものと、覇道の精神、合理的な思考に基づき行動するものとを、狡猾に使い分ける。
インドをそそのかして中国に対抗させようという目論みもありますが、アメリカが期待するほどの国ではありません。アウトソーシングでアメリカ人の仕事がインドに流れている、想像を絶する貧困に喘いでいた国が、グローバライゼーションを押し進める情報技術革命の一大勢力として台頭してきたと持ち上げる、教育は小学生で驚異的な暗算能力を持ち、その高い教育水準が情報技術革新を生むと言われています。
しかし社会、経済の最も重要な分野で中国の相手ではないように見えます。勝負にすらなっていないと言われています。保護主義と規制は酷いようですし、インフラも中国と比べれば天と地の差があります。教育も普及率を見ると、中国には遠く及ばない、中国とは違って民主主義だと威張っていますが、カシミール地方の宗教分離運動での抗争、色濃く残るカースト制度、ヒンズー過激派も残虐行為を働いている、パキスタンとの緊張、民主主義と言いながら女性への差別や格差、中国の相手としては余りにも約不足と言わざるをえません。
台湾では、中国国民党の馬英九というイケメン政治家がが象徴的でしたが、彼は不正が発覚して支持率が下がっていますが、仮に彼であれ、他の人であれ、政権交代が起こりますと、これまでの独立モラトリアム路線から、統一モラトリアム路線にシフトチェンジする可能性もあり、今まで親日的だった李登輝や、陳水扁路線と違い、中国と協調路線をとるようになる可能性があります。
台湾の親日政権を無視し続けて、李登輝が日本に来たときなどの扱いは酷いもんでした。中共に配慮しての事なのでしょうが、キッシンジャーの一つの中国という、単なる政治的方便であったはずの、いい加減な幻想を世界中が信じてしまっていた事もあったし、真剣にその問題に向かい合ってこなかった結果でもあるのかもしれません。
台湾と中国の軍事的緊張は半端じゃありません。中国も日本の台湾問題への介入には散々釘を刺してきたという事もありますが、中共は歴史上一度も実行支配した事も無いし、実際三回も軍事侵攻を行おうとして失敗している台湾を中国の領土だ、独立すれば攻撃するぞと、反国家分裂法をつくって、脅しているわけです。
実際八百発近くのミサイル、東風11号、同15号が、台湾に向いていると中国は台湾を脅かしています。台湾のケツを台湾関係法に基づき、アメリカが持っている事によってかろうじて、ミリタリーバランスは拮抗していますが、七日間という短期間でどこの国も手出しが出来ない電撃作戦を中国は計画し、膨大な軍備による上陸作戦の演習をやったりして恫喝しています。短期間で済ませる事によって、他国の介入する前に片をつける、経済的なダメージも軽症ですませる。
でも実際中国の軍事力では実行制圧となるとかなり微妙で、軍備だけで言えば、台湾の第四世代戦闘機は中国の軍備を凌駕してもいます。中国のSu27やSu30は数の上では台湾のF-16、ミラージュ2000-5を上回っていますが、台湾の航空戦力は基本的に防空作戦に特化して戦えますし、作戦空域が狭いため、航続距離的にも有利です。決定的なのはE-2T早期警戒機四機を台湾は保有していますが、中国にはそれが無い。それは大きな差です。また地上配備のペイブ・ホースという高性能レーダーをアメリカから供与を受けてますので、情報戦でも台湾の装備の方が優位です。
中国は台湾海峡の制空権をとれない、したがって軍事侵攻は不可能という事になる、現代戦の常識として、航空優勢の確保なしには制海権を握る事は出来ません。勝算はたたないということになります。だけど台湾を無茶苦茶に破壊する事は出来る、ただミサイルを発射すればいいだけですから、台湾はミサイル東風11号、同15号に対抗する為に、PAC3やイージス艦をアメリカへ供与を求めていましたがアメリカは渋っています。中国に対する配慮もあると思われます。中国は台湾海峡での制空権を確保するため空母の開発を進めています。様々な憶測がありますが、現段階ではまだ保有していないと思われます。
同じく力を入れていたのが、原潜ですが数の上では、圧倒的にアメリカに太刀打ち出来ません。以前この国の領海侵犯をした事が発覚して大騒ぎになりましたが、自衛隊のP3C哨戒機がそれを逐一モニターしていました。それだけでも中国はショックだったと思いますが、アメリカの攻撃型原潜が、出港した青島沖からずっと追尾していました。中国はアメリカ原潜が中国沿海部まで接近し活動していた事を把握出来ずに、気付いていたか気付かずかはわからないが追尾を許し、中国原潜の無力さを露呈し、中国は軍事ではアメリカに太刀打ち出来ないと悟り、軍の近代化を進めながら、経済的な発展を押し進めました。
クリントンが中国にミサイル技術を売り渡してしまった為に、中国のミサイル技術は飛躍的に進歩し、ミサイル原潜の実戦配備も進んで、ワシントンやニューヨークへの先制核攻撃も可能になったわけです。
しかし中国の対米核抑止力には疑問点が沢山あります。唯一中国の軍事的な拠り所ですが、実戦でどこまで機能するかは問題点も多く残しています。しかし脅威である事には変わりません。アメリカも迂闊に刺激は出来ない。沖縄や横須賀への攻撃能力は間違いなくある程度の精度を持っていると思われます。
中国は表面上は友好をうたいながら、軍事的な対決は避け、石油やエネルギーの獲得に励み、表面上は資金援助、経済援助の形をとりながら、反米的な国家の取り込みを進めています。もちろんアメリカには友好をうたい、機嫌を損ねないように、平和路線を装っています。
チャイナ・ナショナル・オフショア・オイル・コーポレーション、中国海洋石油総公司によるアメリカの石油企業ウノカル買収は失敗に終わりましたが、常識はずれの買収額で、メジャーも太刀打ち出来ませんでした。議会やマスコミが大騒ぎした為に失敗して、シェブロン・テキサコが買い取る事で一件落着しました。アメリカも警戒感を示しだしましたが、中国は経済活動をしているだけで、戦争を仕掛けているのではない、経済発展により大国になろうとしているだけだ、と知らん顔しています。
アメリカ政府は比較的中国には楽観に満ちています。警戒感を持つ人もいますが、絶対数は楽観主義者が占めています。ブッシュなんかも危機感はあまり持っていないようです。チベットのダライ・ラマと親交を深めたり、内モンゴルと関係強化したりして、中国の分離工作はしましたし、インド、パキスタン、南アジア、東南アジア、との関係は、中国よりも深かいのですが、借金まみれの米国の景気を支えているのは、中国の安い輸入品と、米国債への投資です。何より彼自身が大統領になれたのも、その政権を不人気ながら維持出来ているのも、経済の偽りの好景気が支えていたというのもありましたし、何より彼は中東に夢中ですから。
本当は中国の覇権を警戒して、いち早く石油の確保に乗り出していたのかもしれませんが、それはどちらか我々には想像するしかありません。軍事的優位は動かないし、中国も核保有国なので、その抑止力も働いています。中国の経済発展は何よりおいしいマーケットというのが決定的だと思いますが。
もとはと言えば、前大戦が終わったあと、経済的な発展を遂げるのは、日本ではなく中国が発展する方が自然だったはずです。前大戦だって中国の利権をめぐっての権益争奪戦の末に勃発した戦いだったのですから。ルーズベルトのアホが共産主義者を甘く見ていなければ、日本さえ叩きのめせば中国の利権が手に入ると勘違いしていなければ、旧ソ連や中共の存在をちゃんと理解していれば、冷戦の東西の境界線ももっと違ったものになったでしょうし、朝鮮戦争も回避出来たかもしれません。ヴェトナムも違ったものになっていただろうし、カンボジアのクメール・ルージュ、ポルポト出現もなかったかもしれない。それが善かったとか悪かったとか言いたいわけではありません。そんな事を言っても無意味です。
日本の繁栄は冷戦構造のおかげだったと言えますが、ルーズベルトがアホだったからと言うのが、一番の原因かもしれません。だからむしろ中国の経済発展は遅すぎたといえるのではないかと思います。
世の中のスピードがどんどん早くなっています。それは交通手段の発達、情報の流通速度、様々な原因がありますが、国が発展して崩壊していくスピードもどんどん早くなっています。
かつてローマ帝国から、モンゴル帝国、オスマントルコ、ムガール帝国、スペインとポルトガル、オランダ、大英帝国、アメリカ、そして戦後の日本、かつて地球上で我が物顔で権力を握った、チャンピオンは、例外なく滅んでいきます。国が無くならなくても、ゆっくりと経済的に落ちぶれていく、その繁栄と衰退の速度はどんどん増している、それを中国はわかっている、だから彼らは、無駄な弱者救済に労力を使わず、自然淘汰にまかせ、国家の次の目標を設定してその準備を整え、そしてそれを実行する。その為には何だってする。
王覇両道があの国の伝統です。王道、儒教的なものはわりあい日本に入って来ているからわかりやすい、孔子の教えです。関ヶ原以後、徳川政権下以降現在に至るまでの、日本的な道徳観念もこれに影響されています。もう一つ覇道、法家思想こっちはあまり伝わっていないが韓非子なんて言うのがわりあいしられています。それでもこの考え方は論理的な思考の苦手な、情緒過剰の日本人には、ちょっと想像できないし、受け入れられないのではないかと感じます。
関ヶ原以前の武家には当たり前だったのかもしれません。まあ法家思想というより利害中心主義と言った方が、この国の歴史を正確に表していると言えるのかもしれないのですが、ヒューマニズムや道徳的な観念とは全く逆のベクトルを持っています。国を運営する為には、国家権力はヒューマニズムや道徳、情緒を無視しなければならないという事を言っていて、ある意味、マクス・ヴェーバーが言った国家権力は時に応じて脱法しなければならないというのにも似ていると思います。
それが中国の漢民族の考え方の根幹にある王覇両道です。目的の為には手段を選ばない、王道の精神と覇道の精神を、狡猾に使い分けてくる、したがって、嘘だろうが、盗もうが、虐殺だろうが、戦争だろうが関係ありません。それを日本は解っていないのではないかと思ってしまいます。関ヶ原での石田三成と徳川家康の関係にも、第二次大戦前のフランスとドイツの関係にも似ています。
別に中国脅威論を煽りたいわけではありません。そういう意味で言えばアングロサクソンの行動原理だって似たようなもんです。ステイト・オブ・ディナイアルは危険であり、目を開けて現実を見ないと、国際社会の荒波に太刀打ち出来ません。
またしても、つづく!!