前回の続きです。

地球温暖化の問題というのは、供給タイトになって行く過程での、産油国に対する一種のポリティックスでもあるという事がわかるのではないでしょうか。

需要側で合意形成をする事によって、産油国への牽制、及び中国のように猛烈な勢いで突き進んでいる国家の頭を抑える為に。そして誰がこの構造でイニシアティブを握るのか?という駆け引きにもなっています。

だから代替えエネルギーが必要な理由というのは、CO2云々という事も大切かもしれませんが、実は自国の安全保障を大きく左右する問題でもあるのです。むしろこちらの方が重要です。地球が多少温暖化したからと言ったって、生物も全体的なバランスから観ればむしろ恩恵を受ける方が多かったりもします。CO2は植物の成長を促しますし、暖かくなるという事は実りの季節が長くなりますので、経済効果にはむしろプラスであるという言い方もあるくらいです。

だからと言って、温暖化対策が不必要だとは自分は思っていません。それは散々書いて来たので書きませんが、外交としての温暖化対策、安全保障としての温暖化対策、経済効果としての温暖化対策、そして本当の意味での温暖化対策と、温暖化対策をめぐっては実に様々なレイヤーでの問題が複雑に絡まっています。これらを全部ひっくるめた温暖化対策がとれればそれにこした事はないのですが、多くの場合、本当の温暖化対策より、それ以外の温暖化対策の方が現状では重要視され易い部分もあろうかと思います。

あとは温暖化対策はあくまでも人間が生み出した原因であるという言い方をするのなら、その対策もすべて人間にとって大切な環境を守ろうと言う事であったり、外交のリソースであったり、経済的なイニシアティブを握る為だったり、安全保障上の問題であったりするのであって、地球にやさしいとかいう言い方は本質をぼやかします。人間による人間の為の都合であるという事、だから取り組まねばならないという事を自覚する必要があるのだろうと思います。

このような状況を見越して、その裏ではエネルギーの獲得競争というヘゲモニーが起こっていて、中国やアメリカは着々と手を打っています。それに比べると日本は随分遅れを取っています。

アメリカは2000年のカリフォルニア電力危機というのがあって、ブッシュが次期大統領に選ばれて、2001年に就任するわけなのですが、あの時にアメリカは21世紀型のエネルギー危機に直面しているという認識を打ち出し、チェイニーが新エネルギー政策のタスクフォースのトップとなり、21世紀のエネルギー戦略を打ち出してきます。少なくても表向きは。

それが脱中東であり、原油が安い時代から高い時代を前提にして、原子力の見直し、アラスカの環境保護区の探鉱、ガスもパイプラインによる供給網も足りなくなるので、LNG、液化天然ガスの輸入基地を作って行くという戦略。農産物の値段が低迷して、農家が疲弊しているので、これも表向きは、価格を引き上げるという意味でもバイオエタノールが出てくるわけです。ガソリンに代替するような再生可能なバイオ燃料を導入して行くという方向性を打ち出します。

アメリカの生産量はアラスカも含めて減少し続けています。それは絶望的な減少速度で、その結果アメリカは外国の石油に極めて大きく依存するようになりました。消費する石油の60パーセントが輸入であり、経済成長は外国の石油に首根っこを押さえられてしまっています。

石油会社のロイヤル・ダッチ・シェルや、エル・パソは埋蔵量を粉飾していたのがばれて罰金を支払いました。でもこれらの石油会社は少なくとも米英の株主や政府の規制機関に対して説明責任を持っています。しかし、例えばサウジの石油相が何を言っても、それを検証する独立機関は存在しません。

1980年以来、OPEC加盟主要産油国の公称埋蔵量は疑いの目で見られてきました、当時、イラクが174パーセント、ベネズエラが262パーセント、アラブ首長国連邦が202パーセント、イランが62パーセント、サウジが58、クウェートが44、それぞれ埋蔵量が増加したと主張してきました。他国の埋蔵量が減少している時に、OPECの石油はなぜか増加する。地質学者たちによれば、平均的な油田の埋蔵量は年に4,8パーセントずつ減少すると言います。アメリカの油田は過去30年間減り続けている、イギリスの埋蔵量は急激に減少している、OPECの生産割当は加盟各国の埋蔵量に基づいて決められています。だから皆、埋蔵量を膨らませたがるのでしょう。

今でこそ、多少比率は下がっていますが、アメリカはサウジに頼り切っています。だけどサウジの油田もアメリカその他の油田と同様に、最盛期をすぎたと言う見解があり、サウジの5カ所の油田は40年から65年の間に発見されたもので、51年から2000年にかけて同王国の9割を産出してきましたが、ピークを迎えつつあり、実際石油を坑口へ導く為に水を注入しなければ、それらの油田はすでにピークを過ぎていました。

容易に取り出せる石油は枯渇しつつあり、同王国最大の油田、ガワール油田は9割が使い果たされたと言われています。同王国油田に対して独立で第三者的な調査はもう何年も行われていません。国有石油会社であるアラムコがガワールで最後の油田ごとの埋蔵量調査を行ったのは、三十年以上前にさかのぼります。もちろんサウジは強い調子で否定していますが、将来の石油の供給価格に暗い影を落としているのは間違いないのではないでしょうか。

過去30年に大型の油田は殆ど発見されていません。1999年にカザフスタンのカスピ海沿岸で見つかったのが大型と言えるものだと思います。しかし政治的、経済的理由で、その油田が供給に大きく貢献する事は難しいでしょう。

テンギス油田とカシャガン油田、特に後者は一番新しく発見された油田になるのですが、テンギスの三倍の規模で、400億バレルを擁すると言われる海底の油層です。だけどカシャガンの石油のうち採掘可能なのは、60億から90億バレルだけだと言われています。ロシアには開発技術がなく採掘の容易なシベリアに力を注いでいる為です。

西側が活動しているのですが短期的にも長期的にも、大きな恩恵をもたらす可能性は低いのではないかという事です。長年の開発と投資にもかかわらず、テンギスは一日あたり三〇万バレルも産出していません。国境や水、石油パイプラインをめぐる紛争が満ち溢れていて、テロや地形を克服したパイプラインを敷こうと莫大な投資が行われてきましたが、汚職に満ち、不安定な独裁政権がそれを隠しています。

ロシアに希望を持つ西側諸国も多かったのですが、あの国に頼らなければならないという事は、事態がどれほど深刻かを示す証拠です。旧ソ連時代、非常に無駄の多い、極めて非効率な消費と低価格でした。共産党政権が倒れ、ウラジミール・プーチン政権のもと、産油設備に膨大な投資が行われ、石油の生産量も飛躍的向上を見せ、天然ガスとともに、埋蔵量もひょっとするとサウジを抜き世界一なのではないかと予想するものもいたくらいです。

9・11以降、供給源の分散化、すなわち中東以外からの石油の購入を後押しし、アメリカも期待しました。ブッシュはプーチンと会談し、エネルギー政策における広範囲の協力関係と米露石油会社の提携の可能性を議論し、ムルマンスクまでカスピ海からパイプラインを敷く計画、西側の石油会社はロシア企業への莫大な投資を提案し、ブリティッシュ・ペトロリアムはある石油会社の株式の半分を購入し、エクソンモービルはユコスとともにプロジェクトの認可を取得し、ユコスの筆頭株主になる準備を整えていました。

しかしイラクでの利権をアメリカに奪われる事を警戒したフランスとともに、プーチンはイラク戦争に反対を表明しました。時を同じくして石油価格の高騰が起こり、プーチンは外国の企業がロシアの石油会社の過半数株主になるのを禁じました。石油と天然ガスはロシア経済の25パーセントを占めているので、自国が西側石油会社の完全子会社化を防ぐのも当然と言えます。

ロシアは石油の高騰によって潤い、石油業界を発達させるよりも、課税によって、経済改革を賄おうとします。外国の投資家はそういう姿勢は敬遠します。エクソンによる買収話も反対され、ムルマンスク・パイプライン計画も立ち消えとなり、ユコスのチーフ・エクゼクティブ・オフィサー、ホドルコフスキーを脱税のかどで牢屋にぶちこみ、同社を破綻に追い込みました。国営化への誘惑を押さえきれなかったのでしょう。

ロシアは統制へ逆行する流れのなかにいるように見えます。必要な設備投資をして、世界の石油を賄う気はおそらくないでしょう。旧ソ連当時のように、石油による利益が、国や設備投資にではなく、利権を握った特権階級の懐に入っていき、オイルマネーに吸い寄せられて、イリーガルな行いも選択肢にしている厄介な方々が集まっているといいます。

西アフリカも、特にナイジェリアとアンゴラは期待されています。アフリカでは世界の埋蔵量の9,1パーセントを有すると伝えられており、過去十年の埋蔵石油発見のペースは世界の他の地域全体を上回ると、米国務省は報告しています。

西アフリカの海底で何年もの間、民間企業が採掘を行っており、沖合の深海油層から、1日あたり300万バレルの石油が産出されると予想したのもありました。この地域に石油が大量にあると言う事は疑いようのない事なのでしょうが、基本的な問題があります。ナイジェリアでは4カ所の製油所があり、資金不足で稼働がおぼつかない、政治の腐敗も酷いし、宗教間の対立も酷い、国としては破滅の道を突き進んでいます。

アンゴラは30年来の内戦が続いていたのですが、今、事態は改善に向かっているとの事です。長期的に見れば石油の需要を満たす鍵にはなると思われますが、必要な設備投資が行われ、市場に流れていくまでには時間がかかります。両国とも中国が援助しているが、どうなるかはわかりません。

サウジとイランに次いでOPEC加盟国第三位の産油国であるベネズエラでは、公称で最大一日あたり300万バレルを産出する能力を持つとの事です。石油による収入は同国GDPの3分の1、政府収入の半分、輸出の8割を占め、チャベス大統領が国営石油会社への締め付けや、外国人によるベネズエラの石油業界への投資を規制した為に、生産能力は損なわれ、一日に産出される石油の量も水増しされたいい加減な数字であるとも言われています。

チャベス大統領はオイルマネーを社会的発展に注ぎ込み、国内では人気があるのでしょうが、石油価格にはネガティブな要因にしかなりません。ちなみに中国はチャベス政権とは協力関係にあります。

イラクの石油が価格の高騰を緩和する要因にあると期待する声もありますが、戦争や、アメリカ的に言えばテロによる破壊により、供給は止まり、むしろ価格の高騰に貢献しています。政治の不安定はネガティブな状況で、需要を満たす原因にはなりにくい。

アメリカはサウジから輸入しているのとほぼ同じくらい、最近ではサウジを抜きましたが、カナダから輸入しています。カナダのアルバータ州にはサウジ以上の石油が眠っている可能性があるとカナダは主張しています。

石油はアルバータ東北部にあり、アサバスカのオイルサンドに閉じ込められているので、それを取り出し利用可能にする為には複雑な工法が必要です。ロイヤル・ダッチ・シェルなどの石油会社が多額の設備投資を行い、現在、技術者たちは深海掘削によく用いられる多方向油井を用いていますが、この方法は人件費がかさみます。

また、オイルサンンドから取れる石油は炭素を豊富に含む為、シェルでさえサウジの石油より排出する温室効果ガスが25パーセント多いと認めています。カナダは京都議定書に批准しており、温室効果ガスの量には制限があります。採掘過程で必要な蒸気を生成する為には膨大な量の天然ガスも必要となり、膨大な金と資源を費やしたあげく、採れる石油は一日74万バレルにすぎません。

同じように中国もこのままで行くと一次エネルギーがどんどん伸びて行って足りなくなるという事に対して、善い悪いは別にして対策を打っています。

中国のエネルギー構成は石炭資源に恵まれているので、7割は石炭になっています。世界の石炭生産量は50億トンくらいあって半分が中国、次にアメリカ、しかしあまり使うと環境問題を引き起こすので、効率化して使いたいのですが、大型化などの整備という課題が残されています。

エネルギー需要が伸びてくるとやっぱり石油という事になるのですが、石油は中国国内の生産は頭打ちになっています。三つの大きな油田、大慶油田、勝利油田、遼河油田というのがあるのですが頭打ちで、タリム油田というのもありますが、新彊ウイグル自治区のタリム盆地にあるので、何かとカントリー・リスクが付きまとっている。

伸びて行く需要は輸入せざるを得ないという構図になり、中国のエネルギー問題は石油をいかに確保するのかという事になっています。しかし中東には半分以上は依存したくない。したがってアフリカのスーダンであったりナイジェリアであったり、ベネズエラであったり、南米であったり、ロシアであったりと分散しています。

2005年に国家エネルギー戦略会議というのを作って、五つの柱を立てます。まず国内の開発、海外の権益を取ってくる、代替エネルギーや省エネをはかる、輸入の多元化、国家戦略備蓄。

備蓄ももう4つ候補が上がっていて一つは始まっています。まだたいして備蓄はしていませんが(20日分くらいと言われています。ちなみに日本の国家備蓄は170日)、着々と国家戦略を進めています。

中国は石油を求めて、表面上は友好をうたいながら利権を確保し続けています。アメリカとイスラム圏の対立が激化しているのを横目に、サウジやイランなどと手を結び、イランの核開発に手を貸していたのは中国です。国連の安保理決議でもあからさまに反対したりしていました。パイプラインを設置して、一日600万バレルを超すイランの石油の大半を直接運び込もうとしていました。

9・11の時、当時のイラン、ハタミ大統領は、テロを非難したり、タリバン攻撃を実質的に支援していました。民主的な改革を押し進めて、自由化され、経済的にも裕福になり、女性の服装なども自由になっていました。それがブッシュの発言によって爆発してしまう。イラク、北朝鮮と並んで、イランを悪の枢軸国呼ばわりしてしまいました。

ただ単にブッシュがアホなのか、石油の利権を求めて挑発したのかはわかりませんが、それによってイランの国民は腹を立てて、ハタミ大統領の立場も悪くなり、反米保守政権マフムード・アフマディネジャード大統領が登場し、核開発問題へと繋がっていきます。

サウジのアラムコはアメリカ資本によって運営されていると誰もが思っていましたが、いつの間にか中国が20パーセントの株式を買い占めてしまいました。アメリカとサウジの関係は良好そのものだと誰もが思っていましたが、中国はそこにくさびを打ち込んだのです。

サウジがアメリカの先行きにヘッジしていたのかどうかはわかりませんが、サウジ政府は明らかに中国に接近していました。アメリカには断った共同事業を中国と立ち上げたりしています。

当時新しく代わった、アブドラ新国王は革新派だったので、王家とイスラム急進派の対立が激しくなり、破壊活動が増え、そこに中国はつけ込み、兵器の供給や安全保障上の協力を持ちかけました。

イランもサウジもアジアでは日本と友好関係を結んでいましたが、中国の経済発展により、次第に関係を強化し、日本より中国を重要視するようになっています。

世界最大の麻薬密輸国と言われ、ブッシュと犬猿の仲のベネズエラのチャベス政権とも中国は関係強化をしています。仲の悪さにつけ込んで、中国は莫大な投資を約束し、同じ共産圏であるキューバにも食指を伸ばしています。

援助と投資で製油業に乗り出し、エクアドルにも膨大な投資をつぎ込み、石油採掘の契約を結び、ペルー政府とも契約を結んでいます。

ブラジルとも多くの契約を結び、エネルギーへの投資と共同開発の契約も結び、アルゼンチンとも投資と共同開発を契約しています。メキシコも、カナダも、中国と契約を結んでいます。アメリカにとってそれらは大きな打撃となります。

アフリカには相当深く手を突っ込んでいて、中国アフリカ会議のようなものをガンガンやって、台湾と国境があるような国は別として、アフリカの国々は殆どそれに参加して戦略的関係を結んでいます。

西アフリカ、中央アジアにも手を伸ばし、ナイジェリア、アンゴラ、それに世界最悪の集団虐殺行為を行っているとして世界中から非難されていた、スーダンにも協力しています。

スーダンは国連決議で経済制裁を行うとされていましたが、中国は公然と違反しています。スーダンのように中々入りにくい所に、武器の援助などをちらつかせたり、貸付金を免除するという形で利権を取ったりしているわけなんですが、国家体制が酷い状況の国に、武器を援助してけしからんというのも一方ではあるのですが、中国のような国がいないと、アフリカの開発が進まないという問題も確かにあって難しい所です。需給がかなりタイトになって行く中では必要な事だとも言える。

日本もスーダンから石油を買ったりしていますが、スーダンから買っているのではなく、中国のCNPCから買っていて、そういう意味では中国は石油の元売りにもなっています。上流から中間流通、末端まで、サプライチェーン全体を握ろうという国家戦略です。

カザフスタンと協力関係を押し進め、ウズベキスタンの民主主義勢力を虐殺している、カリモフ大統領をテロリストに対する戦いとして支援し、協力関係を築いています。

共産党一党独裁政権と取引した方が、アメリカの押し付け民主主義より都合良く感じる、政権がこぞって中国と協力関係を結んでいます。皮肉なのは石油というのはどちらかと言うと、西側の視点から見るからそう見えるという事ももちろんあるのでしょうけれど、専制国家や共産主義国家、腐敗政権が圧倒的にその手に握っているという事です。民主的な国が握っている量より、相対的に多いのは皮肉な話です。

南太平洋にも手を伸ばしていて、漁業資源などの確保を戦略的に行っています。それにしても安全保障政策の骨組みがしっかりしている、どっかの国とはえらい違いだと思わざるを得ません。

他にも例えば東シナ海のガス田問題もありますね。中国は大陸棚延長論を根拠に東シナ海においては、南西諸島北部にある沖縄トラフまでを排他的経済水域主張しており、日本は十二海里の領海、二百海里の排他的経済水域を確保するにあたり、他国とぶつかる場合は中間線でわける考えをとっています。

どちらのやり方も国連海洋法で正当性が認められており、協議によって決着をつけるのが国際的な一般常識です。

にもかかわらず中国は日本側が主張する、一応、中間線の向こう側で、日本の主張に配慮してやっているのだから、ガス田自体が地底で日本側に続いているのではないか、横取りだ、と主張するのはちょっと無理があるし、中国も譲るわけありません。

アメリカだってこれには手出し出来ないと思いますし、アメリカにとっては別たいした問題ではありません。アメリカが大切に思っているのは日本人の生命でも、財産でも、権利でも、日本の領土でもありません。アメリカの権益にのみ興味がありそれ以外は当たり前ですがどうでもいい話です。

だいたい日本政府は中国の開発に対してGOサインと取られても仕方のないような援助をしていますし、そもそもあんな所で天然ガスを掘ってもはたして採算が取れるのかも疑問ですし、中国には、天然ガスを効率よくエネルギー源にする、技術も疑問があります。それを可能にする、膨大な資本投資も行っていませんでした。外交的パフォーマンスと言う意味合いも強いのではないでしょうか。

あそこに軍隊を展開する口実を作り、日本を恫喝しゲインを引き出す、そうなれば日本はビビってアメリカにより尻尾を振り、中国に気を使わねばなりませんから、中国にとっても、アメリカにとっても、日本をいいようにする口実になります。

それ以外にも日本から資金を引っ張るためかもしれませんし、実際日本の企業や、アメリカの企業が出資しているとも言いますし、尖閣諸島周辺で共同開発に引っ張り込み、なし崩し的に中国の排他的経済水域だ、と開き直る気だったのかもしれません。

彼らに対して断固対処だと吹き上がっても、世界は力のゲームですから、日本独力でその手段も覚悟もない以上、友好的に事をおさめるしか結局の所、選択肢はありません。

そしてエネルギー政策のパワーゲームのなかで、我が国が行ったエネルギー対策と言えば、残念ながら全く危機感がありません。ドメスティックな選挙対策の人気取り的、財界に媚びる経済効果をねらった、クールビズだのウォームビズだの、省エネ対策で得意顔になっていたのが泣けて来る所です。まあそれなりにあれこれ出て来ていますし、開発もあれこれ進んではいますが、本気になって取り組まないとどうにもならない現実が目の前にあります。

アメリカがけしからんとか、中国がけしからんとか言っていても、どうにもならない問題です。そういう現実にいかに戦略的に対応するのかという事が重要だろうと思います。エネルギー政策というのは自国の安全保障に取って非常に大事な事です。食料の自給率とエネルギーの確保という事が出来なければ、簡単に首根っこを押さえられてしまいます。大国に隷属していれば安全だと思うのは非常に危険です。

前大戦でこの国がボロクソに負けた理由だって、資源の枯渇と、食料不足によるものです。そういった安全を担保する事を考えず、アメリカに隷属しても、いざという時のヘッジはなく、まずアメリカありきが前提です。アメリカだってわけられる分け前が沢山あるうちは気前がいいかもしれませんが、それが枯渇していくとなれば、当たり前ですが日本の事より自国の事を考えるに決まっています。しかしこの国の政治家を見ると、目眩がして来ます。下らない政策と、政治バラエティ番組でアホなコメントを繰り返すカスばかり。溜息も出ません。

もはや、石油事業のファンダメンタルが変わってしまったという事です。新しい世界の枠組みのなかで、アメリカは中国と取引をする事によって、得られるゲインが沢山あるという現実は動かしがたく議論の余地さえありません。

日本が取るべき選択肢はもはや明確です。石油をめぐってのパワーゲームが展開される中、そういったヘゲモニーに右往左往せずに済む為には是非とも代替エネルギーの開発、そしてそれを商業ベースに乗せた実用化、これが不可欠でもあるわけです。

つづく!!