地球温暖化、何かと騒がれております。これまで我が国ではクールビズとかウォームビズとか騒いだくらいであまり脚光を浴びていなかった環境問題。映画、不都合な真実が公開されてから、急に雪崩を打ったようにテレビなどでも騒ぎ出し、安倍総理まで環境問題を重要視しだしています。なんとなくこの流れは、一過性の流行になりそうな気がしないでもありませんが、環境を守るという事は悪い話ではありません。本日はそんな環境ブームのトレンドを再加速させた映画、不都合な真実について書こうと思います。それでははじめます。
不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディション/ドキュメンタリー映画

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初めに書いてしまいますが、自分はグローバル・ウォーミング、地球温暖化の問題は正直疑問を持っている人間です。あくまでも仮説の段階であり、完全に既成事実化されている現状はちょっとおかしいんじゃないのと思ってしまったりもするわけです。不都合な真実にとって都合のいい真実ばかりが恣意的に脚光を浴びている気もします。しかし環境問題は大切な事だと思っていますし、地球温暖化も取り返しのつかない問題でもありますので、仮説であったとしても、コミットはするべきであろうとも思っています。本当に温暖化が証明されるまで(絶対的な証明をするのは不可能ですが)放置しておいて、温暖化は本当だったと急激に舵を切り替えようとしても、そう簡単には対処出来ませんから、予防的観点から考えれば対処は当然だと思っております。実際に海位の上昇によって消えようとしている島もありますから、そういった所に住んでいる方々の生活を考えれば、温暖化に対処すると同時にそういった方々へのケアをどうするのかは深刻な問題だと思います。
しかしどうも最近の一斉に大騒ぎしている流れには、今イチしっくり来ません。環境問題を大切に考えるというより、大切に考えているという風に見られる為にいかに振る舞うかという輩が、政治やメディアの中に増えていると思うからです。そして地球温暖化が科学的根拠に基づいているかのような姿勢も腑に落ちません。あくまでも仮説であるわけで、反対意見を言おうものなら、地球温暖化に真面目に取り組まねば人にあらずといった風潮に一気に流れていくのは、やはり居心地の悪さを感じます。
まあそういう個人的な見解はわきにおきまして、この映画を観ていると非常に地球温暖化の恐ろしさがひしひしと伝わって来ます。これを見せられれば、地球温暖化に断固対処と流れていくのも理解出来ます。アル・ゴアのわかりやすいレクチャーによって、地球が直面している(かもしれない)不都合な真実がひも解かれていきます。非常に興味深く、あっという間に見終わってしまいました。
こういった問題で動員する為には、一般の大多数の人々がコンセンサスを持ち、企業などもそれによってそれなりに権益があると、経済的インセンティブがないと動員は不可能です。ですからメディアなどが情報操作する事によって、ある程度、極端な例や偏った視点であっても温暖化が科学的に実証されていると広めなければ、結局ゴアもこの映画の中で言っていますが、些細な変化に気付かずに、気付いた時にはもはや手遅れとなってしまいかねないとも思いますので、こういった映画が話題になり、環境に対して意識が高まるのは悪い話ではないのかもしれません。
しかしこうやってメディアが動員をはかり、恐怖を煽って対処しない事にはもうお終いだ的な煽動には常に間違いがつきものです。最近では鳥インフルエンザに対してのヒステリックな恐怖に煽られ、タミフルを大量に導入しどうなったか。こういう例は枚挙に暇がありません。イラクの大量破壊兵器しかり、Y2K問題しかり、アメリカで騒いだキラービーしかり、オゾン層問題しかり、古くは優生学、もっと昔で言えば魔女裁判。
現在の温暖化傾向がどの程度まで自然現象であり、どの程度まで人間の活動によるものなのか、実は誰にもわかっていません。来世紀において、温暖化がどの程度進むのか、コンピューター・モデルによる予測には400%ものばらつきがあると言われています。何かを予測して、400%の差というのはとてもじゃありませんが誤差の範疇ではありません。事実上わからないという事を表している証拠だと言えると思います。気象は複雑極まりない代物です。複雑すぎて、いまだかつて将来の気候を正確に予測した人は一人もいません。莫大な研究費を世界中の国々が注ぎ込んでいるにもかかわらずです。短期の天気予報ならそこそこの精度になって来ているとは思いますが、十日以上先の天気予報をしようとするものはいません。当たらないからです。温暖化論者はコンピューター・モデルを使って数十年後、数百年後、数千年後の気温を予測しようとしています。これがどこまで正確なのか考えるまでもないと思います。
気象というのは複雑すぎて誰にもその実態がつかめていません。にもかかわらず実態のわかっていない我々人類が作り出した、シミュレーション・ソフトによって、正確な予測が出来るでしょうか。正確に実態の掴めていないものを保護しろと言っても、それはかえって環境を破壊する事に加担しかねないという現実を踏まえて行動しないと、元も子もなくなる可能性があります。動物愛護をやたらと叫んで動物をむやみに保護した結果、かえって生態系のバランスを崩してしまい、自然環境を破壊してしまった例はいくらでもあります。結局、人間が人為的に間引きしたりオオカミを放したりする事になります。一つの側面だけを見て万能だと錯覚している我々人類は、環境のバランスを後戻り不可能な破滅に追い込んでしまうという過ちを度々起こしています。そういった事に敏感にならねば非常に危険なのではないかと思うのであります。人間はそれほど何もかもわかっているわけではないのです。むしろわからない事だらけであるというのが現実です。
データを調べれば、温暖化が起こっているのは本当に温室効果ガスによる人為的なものなのか、ヒートアイランド現象による人為的なものなのか、その二つに限定してもよくわからない結果が溢れかえっています。どうしてそういった事を隠して恣意的に温室効果ガスによる温暖化にばかりフォーカスが当たるのでしょう。
この映画の中にはいくつかショッキングな映像によって、視覚的効果をねらった恐怖が演出されています。例えばキリマンジャロの雪が溶けてしまったショッキングな写真。これは確かに事実です。温暖化の影響によって溶けているのだと思わせる演出でしたが、溶け始まったのは1800年代、所謂温暖化が始まる遥か昔からの事です。キリマンジャロは赤道地方の火山です。位置的には熱帯にあります。しかし衛星の観測では、キリマンジャロ氷河の高度では温暖化傾向が認められません。有力な説は、森林伐採による説です。それに伴い山頂に上昇する空気の質が変わってしまった。もし温室効果による温暖化が進めば、二酸化炭素が増えます。そうすれば植物の生長は促進されますので、森林が再生されればもとのキリマンジャロの姿に戻るかもしれません。
地球上の氷河は16万あると言われています。そのうちリストアップされているものが6万7千、研究の対象となっているものはもっと少なく、5年以上質量収支のデータがとられている氷河は全世界で79だそうです。こんな状況で、何を根拠に氷河が溶けているというのでしょう。正確な計測など不可能です。溶けているものもあるし、そうでないものもある、すべての氷河が温暖化によって急速に溶けているのか否か正確に把握している人はどこにもいません。
グリーンランドの氷がもうすぐ消えてなくなるのだという事が映画の中で語られます。しかしそういった予測があるのは確かですが、肝心な事をぼやかしています。グリーンランドの氷は溶けてしまうかもしれない1000年後に。こういった説がある事に全く触れずに、いつ溶けるのかという事を巧妙にぼやかしています。しかも重要なのはあくまでも、かもしれない、という事です。
南極の氷が溶けているというのもこの映画ので語られますし、一般的によくその手のテレビでも使われますが、南極半島と呼ばれる比較的小さな領域においては、確かに巨大な氷山が溶けたり分離したりしています。映像でよく使われるのは、この局所的領域の現象です。しかし南極大陸全体は、むしろ寒冷化しているし、氷も厚くなっているという説も沢山あります。南極半島は確かに気温が数度上昇しているようですが、これは全体の2%の面積でしかありません。ここが溶けているという事は嘘ではありませんが、それがあたかも全体を示しているような表現は、やっぱり恣意的なものを感じます。それに南極の氷が溶け始まったのは、何も最近の話ではありません。この6千年間ずっと溶け続けてるという説もあります。そしてその量も過去の間氷期よりもむしろ少ない。こういった事も全く無視して一方的に温暖化が既成事実となってゆくのは、やはり何らかの意図を感じざるを得ません。
こういった事があると温暖化論者は場所によって寒いところが出て来るのが温暖化現象の一例なんだと言います。地球全体が温室効果ガスによって温暖化しているにもかかわらずです。
温暖化が事実であるのなら、恣意的な情報の選別や、あたかも温暖化が原因でそうなっていると感じさせるような表現の仕方はやはり不自然です。温暖化は確たる証拠がないのなら、温暖化しているかどうかわからないのですから、そういったスタンスで啓蒙し、それでも予防的観点からコミットするべきだとした方が説得力もあります。事実を歪曲しているかのような伝え方をしておいて、温暖化は大切だと言われても、その前にわかっている事は正確に伝えてくれよで話はお終いです。
もし温暖化していたら、もし氷河がとけているなら、という前提で、将来はこうなるはずだという予想で、世界中の都市が水浸しになって難民が溢れかえると不安を煽ります。しかしそれに対する処方箋があると、アル・ゴアは言います。我々が二酸化炭素を排出しないライフスタイルに変えれば済むというのです。原因も把握していないし、実態もわかっていない現象にたいしてです。そしてそれがコンセンサスになって世の中がある方向にそれがもたらす効果も把握していないにもかかわらず進んでいく、これはもう少し慎重になるべきなのではないかと感じるのであります。物事には必ず副作用というものがあります。プラスの効果しかもたらさないものなんて有り得ないのです。そもそも新しい技術を生み出さず、現状の温室効果ガスへの対処では、どんなにそれらを取り入れても二酸化炭素を減らせないという説もあるくらいです。簡単な話です。オール電化は自然にやさしいと言ったって、その電気はどうやって発電しているのか、その原材料を運ぶ為にどうやって運んでいるのか。ある部分で減っているように見えたからって、全体で減っていなければ話になりません。我々が生活していなくたって、温室効果ガスは発生します。
地球温暖化の理論自体、異常気象が減る事を予測するものもあります。ハリケーンやトルネードやサイクロンも温暖化のせいで増え続けており、アメリカを襲ったカトリーナの悲劇的な映像を見せる事によってそういうイメージを植え付けますが、アメリカに来襲したハリケーンの数は過去百年間明らかに増えていません。ショッキングな映像を流す事によって恐怖と不安を煽り、犯罪が減っているのに、増えていると錯覚するのと同じです。エルニーニョ現象が起こると、洪水や不作も起こりますが、損害と利益を相殺してみますと、実は大幅にプラスの経済的利益が出ます。実りの季節が長引いて、暖房に使うエネルギーの消費が減るからです。地球温暖化が起これば、世界中の国々が利益を被ると言う予測だってあるのです。
元々地球温暖化というのはポスト冷戦、つまり軍需に変わる新たな権益として登場した側面があります。冷戦が脅威であった頃は、人々は世界最終戦争の恐れという不安と恐怖が存在しました。しかしベルリンの壁崩壊以降、冷戦が脅威ではなくなっていく過程で、軍需産業に金を使い景気を回していくという事の見通しが立ちづらくなった。アメリカの公共事業は軍需に金を使い戦争をするという構図が今に至っても続いています。しかしポスト冷戦を睨んだ時、軍需に変わる金の使い道を確保したかった。そこで出て来たのが環境問題、地球温暖化です。冷戦という不安と恐怖の根拠が消えていこう、メディアや国家権力によって、後から後から恐怖や不安が作られ続け、人々はそれに煽られ消費するという構図が延々と続いています。先進諸国は考えられないくらい安全であり、健康であり、快適であるはずです。しかし現代人は絶望的な恐怖といつも隣り合わせで生きています。見知らぬ人を恐れ、病気を恐れ、犯罪を恐れ、環境を恐れ、自分の住む家を恐れ、食べ物を恐れ、テクノロジーを恐れ、とりわけパニックを起こしやすいのが、目に見えない恐怖、病原体、化学物質、添加物、汚染物質、そして大量の消費に費やす。
温暖化が起こっているかどうかはわかりませんが、最初に書いた通り、予防措置は必要です。しかしそこには消費を煽って権益を確保するという構図が隠れています。はたしてそれが効果があるのか定かでないものに大量に消費するのはバカげています。国家権力や経済界そしてメディアが結託して、例えばデジタル放送という何の必要も無いものを導入する事によって、どれだけの消費を確保しているのか考えれば簡単な話です。そういった変更が環境にやさしいと言う言葉でどんどん権益化され、争奪戦になってゆくでしょう。そういう事に敏感になる事が重要なのだろうと思います。そしてそういう無駄なものに大量に消費している暇があるなら、もっと対処すべき問題がこの世界にはあります。最も大きなものが、貧困に苦しんでいる国々の方々への対処です。我々がリッチに環境問題の映画をクーラーの効いた部屋で見ながら、定かでもない地球の脅威に対して膨大な金を使っている間に、貧しい国では貧困やエイズでどんどん死んでいきます。こういった側面を全く無視している所がこの映画にはあります。環境は大切ですが、定かでない事は単なる仮説だと距離をとり、自分で出来る環境対策を個人個人でやるのはきっと悪い話ではないのかもしれません。しかし必要以上の無駄な消費を国家権力やメディアや経済界が結託して煽る暇があるのなら、その前にやるべき事があるだろうと、我々が冷静になる必要があるのだろうと思います。この問題は、次回、ダーウィンの悪夢の感想で書こうと思いますが、このゴアのレクチャーを聞いて、ブッシュは戦争ばかりやってろくでなしだけれど、民主党には偉い人がいるんだな、とならないよう冷静に見る事が重要なんだろうと思います。結局戦争で経済を回すのか、環境で金を回すのかの差でしかありません。戦争よりは環境の方が全然マシですが、結局権益争奪戦が行われているにすぎないのです。
環境に対して世界中で鍔迫り合いがこれから起こっていき、そのコミットの度合いにより発言力も変わってくるパワーポリティックスが国際社会で繰り広げられていく事になるのはほぼ間違いありませんが、我々は冷静にそれがどういう事なのか知っておく必要があるのだろうと感じます。
不都合な真実を観てあれこれ書いてみました。