昨日あまりの寒さに外出して外で遊ぶ事を不可能と悟り、普段余り興味はないのですが、たまたまマラソンを見てしまいました。高橋尚子選手が出るという事で、テレビ中継の煽り方も半端じゃありませんでした。
自分は土佐選手の事を、よく知りませんでしたが、実況や解説の方が、「土佐さん」「とささん」と呼ぶ響きがツボにはまってしまい、とささんがんばれ、とささんがんばれ、と応援してしまいました。更に「高橋さんと土佐さん」「○○さん、ととささん」という響きに反応してしまい、一層、応援に力が入ってしまいました。途中まで、先頭を走っていたロシアの方が、ペースメーカーと言う役割だった事を知らず、映像が高橋さんととささん、ばかり映すので、随分酷い中継の仕方だなと腹を立てていました。実況の方も先頭がとささんで、高橋選手がその後を追いかけて、一騎打ちになっている、とおっしゃっていたので、ロシアの選手がいるだろう、と怒ってしまいました。ペースメーカーという役割がマラソンという競技にある事を、昨日初めて知り、なんだそういう役割の人がいるんだ、と納得して、怒っていた自分が恥ずかしく思いながら、感情的になるのは良くない、短気は損気と反省し、再びとささんを応援していました。高橋選手が人気だという事位は知っていましたし、自分は別に思い入れもありませんので、高橋選手にもがんばってほしいと思いましたが、当然、高橋選手が勝つんだろうな、とも思っていましたので、とささん贔屓で見ていたのは確かです。何より響きに反応していたのが一番の理由ですが。
途中からとささんの独走態勢になって来たので、高橋選手も昔は凄かったのでしょうが、ああもう過去の人なのかな、なんて思いながら、絶望的な差がついていまうと、今度は高橋さんもがんばってほしいななんて一瞬思いましたが、やたら二位である高橋さんを持ち上げて中継しているのが気になってしまいました。
何となく、疑惑の判定で叩かれた、亀田選手の世界戦の実況を思い出してしまいました。特に最終ラウンド近くの、最後まで諦めるな的なやつです。
まあ人気のある選手だから仕方がないのかななんて思いながら、少し冷めてしまい、退屈になってきたので見るのをそろそろ辞めようかと思っていると、尾崎選手という方が、高橋選手を抜きそうな勢いになって来たので、今度はピンクの尾崎さんがんばれと、応援の対象が代わり、再び興味を取り戻し見ていました。
別に高橋さんに恨みはありませんが、中継の仕方がちょっと偏りすぎているんじゃないかと思ったのと、単純に無名の選手が、元金メダリストを打ち負かす、というのが面白いと思ったからです。あれだけネームバリューのある選手に勝つ事が出来れば、ピンクの尾崎さんの今後の競技人生も、本当の人生も、相対的にはプラスになるはずだと。
高橋選手は本来の力が出ていないのかもしれませんが、ピンクの尾崎さんがフラフラの高橋選手を抜き去った時、思わずガッツポーズに声をあげてしまいました。
ピンクの尾崎選手が結婚して競技を辞めようか迷っている、というような事を、実況の方か解説の方が言ってらっしゃったように聞こえましたので、どっちにしてもよかったね、と思いながら、もうゴールも近いので、最後まで見るかと腹をくくりますと、今度はすでに三位であるにも関わらず、ピンクの尾崎さんなど殆ど映さず、一位のとささんと、全く同じくらいの割合で、高橋選手を映し持ち上げている様はがっかりしました。
競技はドラマではないからこそ、ドラマティックになりうるのに、失礼ですが落ち目の過去の選手のように少なくとも見えた高橋選手を、持ち上げて盛り上げようとしても、見ている人は引くだけなのではないでしょうか、あんなに凄かった高橋選手でもよる年並には勝てないんだって所が、スポーツの現実でありだからこそ時としてドラマティック見え、そこに人々は感動したりするはずです。無理矢理感動を煽って感動する人もいるのかもしれませんが、スポーツなんだから順番は守れよ、と思ってしまいました。
まあ結局、テレビ放送も営利活動なのだから仕方がないのかもしれませんが、最近のスポーツ中継全般に言える、感動の押し付け路線は人の感性を貧相にするだけです。時として非常である世界に生きている人々の、真剣勝負が、そのぶつかり合いが、スポーツの良さであるはずです。
ドラマや映画でお涙ちょうだいをやっているのは、不愉快ですが仕方ありません、出来るだけ見ないようにしますが、そういうものを必要としている人がいるのも事実でしょう。しかしスポーツは、ドラマや映画ではありません、それを忘れてもらっちゃ困るぜ、と思うわけであります。
結局、二位であるピンクの尾崎さんはその後も殆どテレビに映らず、ゴールテープを切る一瞬だけ、カットバックのように映されただけでした。酷い放送だなと思いながら、またムカムカしてきましたが、とささんのインタビューを見て、サングラスを取った彼女の、特徴のある個性的な表情と、寒くてかじかんでいただけかもしれませんが、力の抜けてしまいそうな声に救われました。バカなインタビューのねえちゃんの下らない質問にも、頑に、そうですね、を連発し、コーチまでもが、そうですね、を連発しているのを聞いて、いいともかよ、と突っ込みを入れそうになりましたが、ムカムカ感が吹っ飛びました。
中継が終わり、酷い放送だったな、と思いどこのテレビ局なんだと思っていたら、やっぱり、という落ちでした。しかし一瞬考え、やっぱりと思わない放送局ってあるのかと自問してみると、ほぼ全滅だな、と納得してしまいました。

Creedence Clearwater Revival/Creedence Clearwater Revival

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そんな事もあり全く関係ありませんが、Qちゃんという事で、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの、スージーQを聞きました、デビュー作かよと突っ込みを入れたくなるこのアルバム、タイトルは、Creedence Clearwater Revival バンド名と同名です。
有名なカヴァーの名曲Susie-Qは、シンプルなフレーズをネチネチと繰り返し、頭から離れなくなり、気が付くと歌ってしまいます。自分は、Susie-Qも大好きですが、I Put Spell on Youの渋い味が、大好きです。一曲目から度肝を抜かれる迫力です。
男気に溢れ、渋みと、枯れた雰囲気を漂わせ、ザバンドに近い作風ですが、彼らのような泥臭さはありません、初めて聞いた時は、リアルタイムではありませんが、二十代の初めで、年を重ねれば重ねるほど味の出てくるタイプの音です。
感動とはさせようと思ってさせられるものでもないし、しようと思って出来るものでもありません、音楽もそうです。本当に魂のあるミュージシャンの歌が心に響き、感情を動かされるのです。そこには、押しつけ的な下らないものが、入る余地など全くないような、本当の感動があるのです。
とささんの響きに反応し、Qちゃんの限界を見て、スポーツ選手の厳しさを感じ、尾崎さんのがんばりによかったね、と思い、テレビ中継のバカっぷりに腹が立ち、良い音楽で良い気持ちになる、そんな昨日の出来事でした。