上場するとき情シスは何をするのか(IPO時の情シスの大まかな仕事)

日本国内には中小企業や個人事業主を含むと数百万社以上の企業があると言われています。
その内、上場している会社はおよそ4,000社程度になります。
上場している会社は非常に少ないことがわかります。

上場会社に勤めている人は皆さんの周りにも多くいるかと思いますが、上場(IPO)を経験したことある人は非常に少ないかと思います。
また、その中で情シスとして携わったことがある人と考えると非常に少なく、迷っても相談できる人がいないという状況になってしまいます。
これから勤め先が上場を目指す会社や上場前期に入った会社で働く、情シス担当者の参考になればと思います。
ただ、会社や主幹事によっても考えからが違ってくるため、あくまで参考として読んでいただけばと思います。

社長が「上場目指します!」と言い出した場合、いろいろなことを調べて進めていく必要がありますが、
情シスとして行うことのメインは、

    売上や経費などのお金に絡む「数字(データ)の正当性の担保」
    
だと考えます。

上場した後は四半期に一度会社の業績を公開する必要があり、それを評価し株の売買が行われます。
そのため、会社が公表する「数字」に嘘がないか、間違いがないかが重要です。
現在は、ほぼ全ての数字がシステムを使って計算、管理されているため、
故意・過失にかかわらず、数字の正当性を保てるルールがあり、運用できる環境を整備する必要があります。

上場に向けて情シスが行う必要があるのは次の3点です。

    ・情報システム関連の規程の作成と運用
    ・IT統制
    ・内部監査の対応

3点と言いながら、実際はすべて「IT統制」に集約できる気もします。
私の場合は情シスと総務兼任でしたので、総務の仕事との区切りがあいまいな点も老いですが、基本的には「数字(情報)が正確か?」を突き進めていくイメージです。

ちなみに、数字が正確ではなくなる理由としては
    意図的な修正(改ざん)
    システムのバグ
が考えられます。
その中で、
    「意図的な修正ができてしまう環境とはなにか?」→「大事な情報に誰でもアクセス・修正できてしまう環境」etc.
    「大事な情報に誰でもアクセス・修正できてしまう環境とは何か?」→「システムのIDの使いまわし」etc.
と考え、改善していきます。
そのため、会社や使用しているシステムによって"答え"が変わるため、ネット上にも情報が非常に少なく、一人情シスのストレスだけが溜まっていきます。