「太田くんこの資料どうなった?」

「それはここにあります」

「はい、ありがと」

朱里さんと働くの久しぶりやなー

「太田くーん」

「…」

「お、お、たっ!」

「あっ、はい」

「ぼーっとしすぎ
まだ入院必要?」

「違います…」

「集中して
仕事に私情を挟まない」

「あい…」



「集中…集中」

(あのすみません)

「あ、はい」

(あの…昨日の事件で詳細聞きたいって)

「あー目撃者の方ですか
お話は僕が…」

「こーちゃん!?」

(朱里っ!!)

「え…えっと、、」

「どしたん?」

(いや昨日事件あったやろ
それ見つけて通報したん俺でさ
話しに来てん
朱里刑事姿様になってきたやん)

「あ、うんまぁそうかな」

(綺麗になったな)

「ちょっと、やめてや」

僕は何を見せつけられてるんだ…

「あ、太田くん私が対応するわ」

「いや!僕が」

「たまった書類、終わらんやろ?」

「うっ…」




「今日はありがとう」

(いやこちらこそ
まぁそういう仕事やろうけど
体気をつけろよ
朱里昔からおっちょこちょいやねんし)

「…うるさいなぁ
こーちゃんやって
不器用やったし」

(ハハッ懐かしーな
朱里最近どうなん?彼氏とか)

「ん?あーおらんよ
こーちゃんは?」

(俺もフリー
じゃあ今度飯でも行こうや
仕事抜きで、番号変わってないやろ?
また連絡する…じゃっ)

全部聞こえてんだよ
なんやねんあのスマートさ
資料を見たら朱里さんより年上
エリート商社マンらしい
デスクに戻ってきた朱里さんも
心無しか嬉しそうやし
てかそりゃ付き合ってないけどさ
多少はためらってもいいのに
付き合ってる人おらんって


「資料終わりましたー」

「ゆーりお疲れ
だいぶ仕事早くなったな」

「まぁ慣れですかね
早く体戻さないとですけど」

「焦らずにええから」

「はい」



「太田くんお疲れ」

「お疲れ様でした」

「なに?不機嫌?」

「いや、集中してるだけです」

「ふーん、じゃお先」

「はい」


次の日朱里さんはすごく綺麗な
コーデで出勤してきた
それでわかった、あの人に会うんだ

「次の角右」

「はい」

「…機嫌悪くない?」

「そんなことないです」

「なんなん?」

「…昨日来た目撃者の人との関係は?」

「…元彼」

「ですよね…」

「だから機嫌悪いん?」

「違いますよ」

「ふーん」

「デートですね今日」

「そんなんとちゃうよ
ご飯行くだけ」

「大人の人って感じで」

「まぁ年上やしな
高校時代の先輩やってん」

「へぇー…また年上」

「ん?」

「いえ現場着きました」

現場で話を聞いたり書類を作ったり
そんなことしてたら結構いい時間
朱里さんも時計気にしてるし
私情持ち込んでんのどっちだよ
とか心で悪態ついてみたけど

「約束の場所どこですか?」

「え?」

「早く」

「難波ホテル」

「また高そーなディナーですね
送るんで一回戻って着替えてきてください
僕車で待ってます」

「ええよタクシー捕まえるし」

「いいですよ」

「…」

着替えが終わった朱里さんを
待ち合わせ場所まで送った

「ごめんなこんなん頼んで」

「僕が好きでやったことなんで
楽しんできてください」

「…笑えてないけど?」

「…うるさいです
ほら、早く行った行った」

「はーい」

朱里さんの後ろ姿を見送った
元彼は既に来てたみたいで自然と腰に手を

ドンッ!!!
「くっそ…めっちゃ惨めや」





「ディナー美味しかったな」

「うん美味しかったー」

「なぁ朱里」

「んー?」

「ヨリ…戻さへんか?」

「え?冗談やろ?」

「本気、やっぱり朱里とおる時楽しいし」

「…」

「朱里といたいんや…」

「考えさせて…」

「うん、分かった」