(彩くんっ!一緒に行こ)
(彩ぁ今日こそは来いよな!)
(そーやそーや!!)

「いや、俺用事あるし」

(付き合い悪いぞー!!)
(そーやそーや!あ、女か!?)
(束縛激しいのはやめてた方がええぞ)

ちゃうわボケ
美優紀はそんなんちゃうわ
その辺のと一緒にすんな!
なんて言えるわけもないし…仕方ない



「彩今日遅いって」

「へぇーそうなんや
朱里〜パパ遅いってー
大会も終わったのに部活大変なんかなぁ」

「なんか打ち上げやって
行きたくないって渋ってたみたいやけどね」

「みるきーごめんなぁ?」

「えーなんで?いいやん打ちあげ楽しそう」

「ホンマに大人よなみるきーは昔から」

「それは愛菜くんやろ?」

「いや、俺より大人やったよな」

「うん、私もそう思う」

「そうー?朱里が大人にしてくれたの」

「キャキャッ」





(彩くん今度の休みねよかったら)

「予定ある」

(…)
(ちょっ、彩空気悪くなるから!)

「…」

あー、、、帰りてぇー
なんでこんなめんどいことに
そりゃチームの打ち上げは別にええ
大切な仲間やし
でもこの女たちはなんや…合コンやんけ…

(彩くんって彼女おらんのやろ?)
(意外ー)

えぇ、彼女はいませんよ
嫁と子供がいますからね
嫁っていうてもちゃんとプロポーズしてへんから
ほんまは美優紀のことも朱里のことも
大声で言いふらしたいとこやけど
美優紀と家族から止められてるからなぁ



ガチャッ
「あれ?彩意外と早かったやん」

「あっちゃんお邪魔します」

「はいどーぞ
美優紀と朱里なら部屋おるで」

「あ、そやこれあっちゃんに
コーチがシュークリームくれてさ」

「えぇありがとーぅ」

「ハハハッ」


ガチャッ
「美優」

「あ、さぁちゃんおかえりー
朱里いま寝たとこやねん」

「そっか」

「打ち上げ楽しかった?」

「…携帯捨てたい」

「え?」

携帯を美優に渡すとすごく苦笑い

「すごい数の通知やね」

「打ち上げという名の合コンやった
つまんなすぎた」

「いいやん可愛い子おった?」

昔ならきっと浮気者ー!なんて
叫んでたくせに余裕そうに言って
あー、、また負けた俺

「おったよすげー可愛い」

「えぇーそうなん珍し…」

「今目の前におる」

「へっ///」

「…なんやねん///」

「ちょっと、不意打ちすぎて
ハハッ…」

「…そうか///」

「…ありがと」

「ん」

「…さぁちゃん」

「ん?…ンッ」

「大好きっ」

「お、、、俺っ…」

「ンギャァァッ!」

「わっ。朱里お腹すいたかなぁー?
よいしょっと…さぁちゃんも家帰って
寝た方がいいよおやすみ」

「…お、おおぅ」




(彩くんなんで返信してくれないの)
(そうやってーいいやんか)
(おいおい彩モテるからって
そーいう態度は良くないぞ)

次の日の学校…うるさくてたまらなかった
そりゃ俺の事いいと思ってくれるのは嬉しい
でも俺には…

めんどくさくなって窓の外を見たら
信じられない人がいた

「嘘やろっ!?」

思いっきり教室を飛び出して
校庭まで行く

「美優!」

「あ、さぁちゃん見つかっちゃった」

「どしてん、朱里も連れて」

「お弁当忘れてるってさ
みんな用事あって私だけ空いてたから
いい天気やし朱里も外に出したかったから
あかんかった…?」

「いや、全然そんなことない
悪いなわざわざ」

「ええよ散歩のついでやし
それにどんな感じか見てみたかったし」

「…そう、よな
ほんまなら美優紀も高校を…」

「フフッそんな顔しないで
私は朱里と過ごせる時間を長く貰えてるんやから
十分」

「美優…」


(あれ?彩くんや!)
(あー!彩くんっ)

「げっ…」

(誰?この子友達?)
(わぁ赤ちゃんやん!)

突然来た女子たちは朱里に触ろうとした
思わず美優が距離をとる

(なんなん?感じ悪っ)
(てか部外者が入ってくんなよ)

「ごめん、なさい…
じゃあえっと私帰るね」

美優は大人だった言い返すことも無く
愛想笑いを浮かべて穏便に
あぁごめん美優、俺まだ子供なんや

グイッ!

「紹介するわ
俺の奥さんと娘」

「え、さぁちゃんっそれ」

(え!?奥さん!!)
(娘って、え?嘘やろ!
だってうちらまだ、、え?)

「高校卒業したらちゃんと籍入れるし
この子は正真正銘俺の娘
文句あるか?」

(文句ってか…)
(え、、)

「てか、お前ら人様の子供に触りたいなら
まずその汚い手洗って許可とってから触れ
常識やからなそれくらい」

普段あまり話さない俺が
まぁまぁ低い声でこんな言うもんだから
女子たちも涙目になってる
俺的には美優のこと傷つけたのが許せんから
そんなのどーでもいい
しかし袖を掴まれた

「さぁちゃんもういいから
私も突然来ちゃったし」

「門まで送る
お前ら邪魔そこどけ」

女子たちは完璧に震えて道を開けた

「よかったの?学校で言われるよ」

「ええねん事実やし
隠す方が辛かった」

「そっか」

「嫌な思いさせてごめんな」

「フフッさぁちゃんがそんなこと
言うてくれるようになるなんてねぇ」

「なんやねん、、悪いか」

「悪くないよカッコイイ」

「そうか」

「さぁちゃん」

「ん?」

「さっきのがプロポーズなら
嫌やからね」

「…ん」

「ンニャッ…アーアー」

「あ、朱里おっきしたの?
ほらパパやで」

「キャッキャッ」

「ハハッ朱里ーまた帰ったら遊ぼな
じゃあ美優気をつけて帰れよ」

「うんわかってる」

美優は朱里を抱えて帰って行った

教室に戻り
俺の姿を見た途端俺は一気に囲まれた

(彩詳しく教えろ!)
(子供ってなんや!)
(彩ぁぁー!)


「あぁ…うぜ」