飲み会の前に
新しい家を見に行こう
帰れるように用意して
もし潰れてもそこへ

「え?契約できてない?」

(はい、そのような契約は…)

契約ができてない
それはすなわち家に出ることが出来ず
お金も奪い取られたということだ
ちゃんとした業者であるか
そんなことも判断できひんほど
俺は子供なんやろうか
実家に戻ることは簡単やけど
そーなるとまた苦しくなる
なんでこんなダメダメなんやろ

(いぇーい!優紀くんいい飲みっぷり!)
(何で今までこんかったんよー)

「なんとなく…もう一杯」

(ヒュー!!!)

周りの大人に煽られるまま
どんどんペースをあげて飲み続ける
俺って酒強かったんや
なんか大人になった気がする
こんな気持ちになれるなら
もっと早くに飲めばよかった

(ほらー優紀くん行くで!)
(立ってぇー!)

「んー…」

体に力が入らない
まっすぐ歩いてるつもりでも
曲がって壁に頭を強くぶつける
痛みはないから大丈夫やろうけど
周りは騒ぎ立てる
うるさいなぁ
寝かしてくれよ

(どーする?)
(お持ち帰りしちゃおっかなー?)
(いいやんいいやん)

何がお持ち帰りや
ふざけんな…







(えー彩ちゃん帰っちゃうん?)
(まだええやん!!)

「また今度ねー」

今日の飲み会もおもんなかったなー

プルルルッ
「渡辺から??こんな時間に…

もしもし?」

(あの、彩…さんですか?)

「え、あ、はい
あの…渡辺じゃないですよね?」

(私、渡辺くんのバイト先の者なんですけど

…)

「はぁ!?
あ、えっとすぐ行きます」




「…はぁ疲れた。。」

バイト先の人から連絡があって
急いで向かうと
地面に項垂れる渡辺がいて
協力してもらってタクシーで
とりあえず私の家まで運んだ

「でもどーすんのよ…
てか酔いつぶれるって
未成年のくせに」

「さ、やか…」

「あー起きたん?
なにし…あっ」

渡辺はうなされてるみたいで
涙を流していた
なんかあったん?
あんたのキャラならこんなことせんやろ

「あ、頭切れてるし…もぉ」

消毒をして
とりあえず絆創膏を貼る

「…さやか?」

「あー起きた?
ホンマに何して…っ!!」

渡辺は虚ろな目で
私の頬に手を当てた
その瞬間目がさらに潤む

「俺…何してんの?」

「はぁ…酔って立てんくなったから
バイトの人から電話あって
呼ばれてん
それでうちに連れてきた」

「…そっか、俺、、また迷惑をかけたんか」

「ホンマやで」

「ごめん…帰る」

「あ、ちょっと
まだお酒抜けてへんから
とりあえず水飲み?ほら」

「ん…」

「気持ち悪くない?大丈夫?」

「うん…ごめん、ホンマに」

「もぉええって
バイトの人らな
LINEのお気に入り私しかおらんから
かけたって言うてた
どんだけ好きなんよー」

「…」

「ん?」

「…情けないよなホンマ 」

「…どーしたん?」

「なんもない」

「なんでお酒飲んだんよ」

「大人になれる気がした
でも上手くいかんくて
なんも、できん
一人暮らししたかったのに
家なくなったし
実家に戻られへんし
だから酒飲んで忘れたろって思ったのに
潰れてまうし
また情けないとこ見せたし」

「なんで大人になりたいん?
そんなんせんでも
大人になれるで」

「それじゃ遅いやろ!」

「…」

「彩は…どんどん先に行く
前やってホテル行ってたし」

「だから何もしてへんって」

「でも行ったのは事実や!」

「…はぁ」

「…わかってる
こんなんも子供やねん
だから…嫌なんや」

こんなに弱気な渡辺は初めてや
お酒を飲んでるのも理由やろうけど
かなり落ち込んでる

「アホやな…渡辺は渡辺やろ?」

「…」

「確かに私は大人やで?
男との付き合いも大人の関係になるのは
確かなことや
でもな、別に渡辺がその中の1人にならんでも
ええやんか
私、執着心ないからさ
ほら、初めてあった時もそーやったやろ
振られても何も思わんかった
だから、渡辺にはそんな男になってほしくない」

「でも、」

「あーもぉうじうじすんな!鬱陶しい!」

「…」

「てか家なくなったって?」

「お金貯めて一人暮らしする予定やったけど
契約できてなくて
アカンくなった
だからしばらく友達の家回って
探そっかなって」

「もぉ…何してんのよ」

「…ごめん」

「…」

「ちゃんと知識つけへんとな
俺甘かった」

「…1ヶ月」

「え?」

「1ヶ月ならここおってええ」

「え!?な、なんで」

「当たり前やん
うろちょろしてたら
問題起こすし
それなら私の監視下の方が安全や」

「でも彩の家に…」

「チャンスちゃう?」

「へ?」

「私とおる時間増えて
落とすチャンス…やろ?」

「…ええん?」

「フフッええよ
ま、落ちないけど
せいぜい頑張りたまえ少年

ほーら、今は寝る」

「彩」

「んー?」

「俺、頑張るからっ!」ニッ

「…はいはい」

ガラガラッ

「ふぅ…


ちょっと
あの顔は反則かもな…///」