美優紀のことを伝えてから
女子がまとわりつくことが減った
先生から母さんが呼び出されていたけど
ちゃんと話してくれた
双方の家族が了承してるわけやし
ちゃんと結婚するつもりやし
問題は無いとのことやった


「朱里〜ほら高い高い!」

(キャキャッ…)

「朱里は可愛いなぁホンマに
早くパパって呼んでや」

(キャキャッ)

「…いや、、ママが先でええか」

朱里の頭を撫でると
嬉しそうに笑ってる

「さぁちゃんごめんありがと」

「帰ってくんの早ないか?」

「うんそりゃそうやで
さぁちゃんも自主練しといでよ」

「ええよ俺は朱里と」

「自主練してきて
大会またあるんやろ?選ばれたんやし
朱里を理由にしないでください」

「…無理してへんか?」

「フフッ大丈夫やで
心配性なんやから」

「…あのさ次の大会…みにこーへんか?」

「え?」

「その、2人のことはもう話したし
それに…」

「?」

「2人がみてくれてる方が…その
頑張れ、そうやし」

「…フフッ」

「?」

「そんなことさぁちゃんから
言われる日が来るなんてなー
いっつも試合には来るなとか言うてたのに」

「いや、それはその」

「行きたい
カッコイイとこ見せてな?」

「当たり前や…」




試合当日
俺はソワソワしていた
美優紀と朱里が来てくれるんやそりゃ
張り切るやろ…

「さぁちゃーん!」

「お、美優紀」

(あ、噂のっ!)
(やば、めっちゃ可愛いやん)
(うわーー赤ちゃんやん)

「お、おいっ」

「初めまして美優紀です
この子は娘の朱里」

「キャッキャッ」

(うわ、やばっー)
(可愛すぎん?てか美優紀ちゃんって言うていい?
同い年やんな?)

「はい、好きにどうぞっ」

(美優紀ちゃーーん)
(朱里ちゃんっ!)

「ちっ、、、
美優紀席とってあるから」

「あ、うんありがと
試合楽しみ」


試合は勝利で終わった
俺もポイント決めたし
かっこいいところ見せられたはず
上機嫌で美優紀のところに行ったら

(美優紀ちゃん勝利の女神かも)
(なぁなぁ俺の事見てた?)

「ははは…」

なんやねん…囲まれて
アイツらもオレの嫁や言うたやろが…
朱里にも…

(彩くんお疲れ様っ)
(めっちゃかっこよかった〜!)
(なぁなぁ写真撮ろ)

うわぁ、、、だる
てか引っ付くなよ
めんどくせーな

でもここで揉めると部活に支障が出るから
無理やり微笑んで対応する

「…」

(あれ?美優紀ちゃん?)
(どしたん)

「いえなにも」



帰り道
美優と朱里と歩いて帰る
朱里はぐっすり眠ってしまった

「さぁちゃんかっこよかった
朱里も喜んでてんで」

「…」

「さぁちゃん?」

「えらい囲まれてたなアイツらに
アイツらも何狙ってんねん」

「ん?」

「連絡先とか交換してへんやろな」

「え?誰ともしてへんよ」

「ほんまか」

「ほんまやって交換しても
用事ないもん」

「まぁそうやな」

「…妬いてんの?」

「…悪いか」

「フフッほんまに変わったー
昔ならそんな訳あるか!とか言うてたのに
そんなふうに認めちゃって
皆も興味あるだけやろ
この年齢で子供産んだわけやから
深い意味ないって」

「美優が可愛いからやろ普通に///」

「え…///」

「…」

「ほんま、、変わりすぎ」

「成長や」

「そうやね
でもまぁ私は成長できてないかもなー」

「なんで」

「さぁちゃんが女の子たちと話してるの見て
なんか嫌になっちゃった
相変わらずモテるんやねー」

「別に興味無いから」

「へーそうですかー」

不思議な気持ちだった
昔なら美優にそんな風に言われても
別にどーでもいいやんとか思っただけやのに
今はなんか

「…嬉しい」

「え?」

「あ、いやっ!なんもない」

「嬉しいって…」

「っ…ほら、その朱里生まれてから
そりゃ朱里が1番やん…当たり前やけども
だから俺にその興味とかそんな
ないんかなーとか思ってたし
なんか、大人になったなーって思うし」

「…」

美優は完璧なポカン顔
急激に恥ずかしくなってきた

「はよ帰るで暗なるし」

「さぁちゃん」

「だから早く…ンッ///」

「…順位つけるのが正しいか
そんなの分からへんけど
でも、私の中で1番はいつだって
さぁちゃんやで」

「…へっ?」

「帰ろパパっ」

「…お、おぉ…!」