「南くんカッコイイ」

「そっ、南がかっこよかったのは
その時だけー」

「あっちゃん言い過ぎ」

「フフッだからね愛菜
大切だからって考えて動くのはいいけど
大事なのは相手に伝えること
1人で考えたって解決しない
2人の問題やねんから」

「…」

「愛菜は頑張りすぎ」

「…なんか、、軽くなった」

「よかったフフッ
陽菜もこんなんやから
苦労するだろうけどね」

「いいねん
母さんは母さんやから」




「愛菜くん」

「よっ」

「ゴメンないつも」

「ええよええよ
それに受験大変やろ?」

菜々ちゃんは今年受験生や
同じ高校に行くって言うてくれてるけど
難しいらしい
行きたいところに行ってくれたらいい
でも彼女の意志は固かった

「どこ行く?」

今日は午前中の塾が終わってから
午後からは息抜きとして遊ぶことに

「菜々ちゃんの行きたいとこで」

「んー、、、」




「なんで家?」

「んーその方がゆっくり出来るから」

菜々ちゃんが選んだのは俺の部屋
彼女のことやきっと気を使ってる

「あ、そーや勉強教えて?」

「いいけど…息抜きになる?」

「愛菜くんに教えて貰えたら
頭良くなるし息抜きにもなる」

あぁ…やっぱり違うよ俺は
皆は俺の事を
いいように言うけれども
そんなことない偽善者なんや
笑顔でそれなら頑張ろなんて言うてるけど
心の中ではこの笑顔を誰にも
向けられないようにしたい
自分だけの菜々ちゃんが欲しいとか
結構本気で思ってる

「それでここはなぁ…菜々ちゃん?」

真剣な顔で問題に向き合う菜々ちゃん
勉強の時だけかけるメガネは
なんだか大人っぽくて
真剣な顔は綺麗で思わず手を伸ばした

「愛菜くん??」

「あ、、ごめんね」

驚いた顔で見る菜々ちゃんに
俺も驚いて
手を引っ込めようとすると
掴まれた

「またその顔」

「え?」

「愛菜くん…私、愛菜くんのこと
満足させれてる?」

「なんで?」

「愛菜くんが受験の時は
私のために時間作ってくれてて
でも私が受験の時は
自分の時間犠牲にして私に合して
私…何も出来てない
愛菜くんに…何も」

「…」

「昨日な…友達が言うててん
年上の恋人と色んなことしてるって
周りの子もそんなんばっかで
私…愛菜くんにもらってばっかりやから」

また、不安にさせた
受験でしんどいところに悩ませてた
やっぱり俺の方が菜々ちゃんにふさわしくない
いつも私がって言うけど
そうじゃないよ…俺なんだよ
こんなにも苦しめるならいっそ…


大事なのは相手に伝えること



あ、、


「菜々ちゃんこっち向いて」

「…ん?」

「ふぅ…俺


菜々ちゃんのことめちゃくちゃにしたいんだよね」

「…へ?」

「俺だけしか見えなきゃいいのにとか
もっとわがまま言って欲しいとか
俺だけにしか甘えられないようにとか
閉じ込めたいとか…さ
結構思ってた」

「…」

「引くやろ…
俺、初めて会った時から
菜々ちゃんに惹かれてたからさ
ホンマに菜々ちゃん以外に興味無いねん
どーでも良くて…
でもこんなの言うたらさ年上の余裕とかもないし
重いからさ、傷つけたくないし
大事だから」

「なんで言うてくれたん?」

「あっちゃんからの伝言
大事なのは相手に伝えることって
勝手に思ってても伝わらないやろ?
俺がこんなに大事に思ってるって」

「…伝わってたよちゃんと
でも、不安やった
愛菜くんの優しさなんかなって
全部優しさで付き合ってるんかなって」

「そんなわけないやん
惚れてるよ…菜々ちゃんに」

「…待って///
ちょっと、急に恥ずかしくな…」

「目を逸らさんとって」

「っ///」

「なんでこんなに可愛いんやろね
君は」

「…愛菜くん?」

「何でメガネとかしてるん?
色っぽすぎる
制服のボタンそんなに開ける必要ないやろ?
誘ってるん?
なんでそんなに真っ直ぐなん?
眩しすぎるねんけど」

「あ、愛菜くん?ちょっと」

「大事にするからこれからも
だから…許して、こんな俺を」

少し怖くなった
本当の自分を君は受け入れてくれるのか

「…フフッいや」

「え…」

「ずっと前から許してるのに
気づいてないから嫌」

「菜々ちゃん」

「愛菜くん…大好き」

「ンッ///」

恥ずかしそうに軽くキスしてくれた
顔は真っ赤やし俯く菜々ちゃん
あー、ダメだ成長とともに
自制は聞かなくなる
もういいか
よく頑張った俺

「メガネ邪魔」

「へ?愛菜…ンッ///」

「…ごめん、もう我慢しない
貰うわ」

「え、何を
わっ、ちょっと!えっ!」

「ごめんな受験で大変なときに」

「愛菜くん…そう言う割には
もう脱がしてるんだけど…ねぇ///」

「うん、我慢は体に良くない
それに」

「ん?」

「菜々ちゃんの前ではホントのじぶんでいたい」

「…」

「誰よりも好きだよ菜々」

「っ///うん、私も」

笑顔の菜々ちゃんに手を回され
2人でベットに沈んだ










おまけ
「兄ちゃーん英和辞典…へっ///」

ベッドには布団はかかってるけど
明らかに裸であろう
兄ちゃんと菜々

バタンッ!!
「ま、マジかよ…
えー…また先に行くんかよ
俺もいつか…


ないないないっ///」

「さぁちゃん?どうしたん?
愛菜くんおった?」

「お、おっ!美優!!
部屋戻るで!」

「なに?どうしたん?」

「いやぁ…その」

「ん?」

美優紀ともし
そうなったら…

「っ///」

「さぁちゃん?顔真っ赤やけど
熱あるん?」

「何もないっ!
はい!部屋戻る!」

「どうしたんよーーー」