離れませんように離れませんように…




「えぇぇぇ…っ」




「おかえりみるきー
入学式どーや…え?」

「菜々ちゃぁぁぁん!!!
さぁちゃんとクラス離れたぁぁぁ」

「あらら…」

「もう嫌やぁ
中学行きたくない」

「もぉークラスちゃうくても
2人は大丈夫やろ?」

「うぅ」

「ほら、元気だそ?
今から大島家とご飯やで?」

「うーん…」



「「おめでとー!!!」」

「いやぁーあんなちっちゃかった
2人が中学生かぁ」

「優くん私が小さい時ほんとんどおらんかったよ」

「ぐさぁぁ」

「まぁまぁ
優くんも受賞おめでとう」

「菜々ちゃぁぁん
ありがとう」

優くんは
映画で賞を貰った
一段落したから日本に戻ってきたけど
また撮影があるらしくて
外国に行くらしい

「ま、みんなめでたいってことで」

「そーやねー
愛菜も菜々ちゃんと付き合ったし」

「母さん!」
「にゃんにゃんっ!」

「なぁぁぁにぃぃぃ!?
ホンマか愛菜!」

「あ、南くん…ホンマ、です

グェッ」

「よぉやった!!!」

「へ?」

「いやー
菜々可愛いから
来年高校生やし
変な男ついたらどうしようかと
でも愛菜なら大丈夫やし!
あーよかった」

「殴られるかと思った」

「殴らんよー
ま、泣かしたら
殴るじゃすまんけど…」

「は、はい…」

食事会は大盛り上がり
パパの仕事の話や
優くんの撮影秘話
どれもが面白くて楽しかった



「さぁちゃん
席戻ろー」

「ん…なぁ」

「なに?」

「なんか、匂い違う」

「え?」

「クンクンッ…甘い、匂い」

「えぇー?あぁシャンプー変えたからかな?
菜々ちゃんと同じのにしてん」

「…へぇー」

「嫌い?」

「いや、別に」

「そっか…よかった」

「なぁ」

「ん?」

「変なことすんなよ?」

「へ?」

「中学で、その
なんつーか
皆が皆いい人ちゃうし
アホみたいに仲良くしてもいいこと…」

「はいはい
分かってるー
さぁちゃんパパみたい」

「パパって…」

「さぁちゃんも
わがまま言うたらアカンで?
皆と仲良くして喧嘩したらあかん」

「へいへい
お前の方がうるさい」

「だってクラスちゃうもん
だって…」

「はぁ…
隣のクラスやし
体育とか一緒やろ」

「でも男女で別れるやん」

「あのなぁ中学のたかが3年やねん
俺ら何年一緒におんねん
それにお前や俺が嫌やいうても
家族で仲良いんやから
ほとんど一緒におるやろ」

「…」

「何が不満や」

「…浮気せんとって」

「何やそれ」

「女の子と仲良くせんとって」

「何やねん仲良くせぇ言うたり
するな言うたり
わけわからへん」

「…もういい」

「美優紀」

「…」

「よー分からんけど
心配すんな」

「…」

「なんやねんその顔」

「ギューして」

「はぁ?」

「不安やから!」

「あのなぁ…」

「うぅ…」

「はぁ…」

フワッ
一瞬さぁちゃんの優しい匂いに包まれた
しかしその温もりと匂いは
すぐに遠ざかる

「ったく///
ほら、戻んで」

「…フフッ、うんっ!」