最悪や
最低や
気持ち悪い
もう嫌われたやろ
なにより…傷つけた

「まじで…なにしてんねん」

ずっと愛してくれた
私がどれだけ怖がっても
笑って抱きしめてくれた
そばにいてくれた
全部全部分かってる
仕事を必死にこなして
私が不安にならないようにって
そばに居てくれて
私と離れたことを後悔して
何度も謝って
時間を作ってくれた

みゆちゃは
今の私と同い年くらいに
私を見つけてくれた
私にはできるんやろうか
人生を犠牲にしてまで
子供を育てるなんて
愛すことなんて出来ただろうか

もっと遊びたかったはず
他にも人生があったのに
みゆちゃは自分の意思で決めることを
辞めていた
すべてが私中心にしていたから
そんな彼女に私は
親としてじゃなく
女の人として見てしまった
裏切ったんだ
保護者として育ててくれたのに
私は…その気持ちを裏切った

みゆちゃは受け入れようと努力する
私が一人になると思ってるから
留学するのも良かったかもしれない
このままみゆちゃと離れて
新しい世界で
それで成功したら…

(彩よくできましたー)
(カッコよかったで?)
(さーやかっ)

何のために成功するん…?
結局私はすべてみゆちゃに支配されている
みゆちゃでしか心が動かない

ザーーーーッ

雨は突然降り出した
そーだ
昔はこんなんだった
ママに殴られ罵声を浴びせられ
ベランダでいたけど
脱走した
お腹が空いたっていうよりは
力が入らなくて
助けて欲しいのにどこにいるか分からない
誰を信じればいいのかも

(暗いよ…)
(怖いよ…)


「暗いよ…

怖いよ…」


(ママごめんなさい)
(いい子になるから)
(行かないで…)



「ごめんなさい…ごめんなさい
いい子になるから」


(一人は…いやだ)


「一人はっ…いやだっ…

ックック…」


ザーーーーッ

ポツポツポツッ!!

「え…?」

路地裏でうずくまって雨に打たれていた
雨はまだ降ってるのに
冷たくない

なんで…?

顔を上げたら
そこには

「菜々ちゃん…?」

「みーっけ
何泣いてんのよ
ハハッほら、おいで?」

「…なんで」

「みるきーがね
彩探してって
彩のことやもん
どーせこーんな細い道におるって
思ったら大当たりやった」

「…」

「もう一人じゃないよ
だから…うわっ!!」

ギューーーーッ!!

「うわぁぁぁぁんっ…」

「ハハッ…よしよし
もう大丈夫、大丈夫」






「いらっしゃい」

「お邪魔します…」

菜々ちゃんの部屋は初めてやった
いっつもうちに来てくれるから
でも部屋を見ると菜々ちゃんらしくて
すごく安心した

「お風呂入っといで」

「うん」

菜々ちゃんは
スマホをいらいながらそういった
きっとみゆちゃに連絡するんや


「フフッ彩おっきくなったなー
私の服ギリギリやん」

「菜々ちゃんちっちゃいから」

「彩もそんなおっきくないやろー
はい、ココア」

「…ありがとう」

「よいしょっと」

菜々ちゃんは何も聞かない
私が言い出すのを待ってる

「…みゆちゃに告白した」

「…うん」

「でもなそんなんじゃないねん
みゆちゃが男の人に乱暴されて
腹たってみゆちゃを押し倒して
それで…言った」

「うん」

「言うつもりなかったのに…
言うとしても、もっと…私は」

「そっか…」

「気持ち悪いやんな…
女の子好きになって
しかも母親代わりの人を」

「そーかなー
人を好きになるのに
間違えってあるんかな」

「…」

「気持ち悪いかどうかは
みるきーがきめることやろ?」

「…」

「ホンマに気持ち悪くて
彩を拒絶するなら
私に彩探してなんて
電話しんと思うけど?」

「…」

「さっきも電話して安心してた」

「…うん」

「帰りたくない?」

「…」

「留学もうすぐやで?
時間、なくなるで」

「このままがいい
みゆちゃに会ったら
気持ちが溢れる…
辛い」

「…」

「何で…生まれたんだろう
私は」

「ッ!!アホか!!」

「菜々ちゃん…?」

「そんなん
私たちに会うために決まってるやろ!
みるきーだって悩むに決まってるやろ
突然のことやってんから
みるきーとちゃんと話してもないのに
勝手に落ち込むな!」

「だって…」

「さーやーかーっ!」

「イデデデッ!!」

「笑いなさいっ
みるきーを信じたらええやん」

「…わかった」

「とりあえずしばらくはいていいから
留学までには
ちゃーんと仲直りしなさいよ」

「…うん」