「あーん」

「あー…おぇっ」

「…やっぱり無理か」

「…」

あの日から彩は回復してる
それは間違いないことなんやけど
点滴からそろそろ普通の食事に変えたいところ
しかし体が食べ物を受け付けないらしい

「このゼリーもアカンか…」

「…さい」

「ん?」

「ごめん、なさい」

「…謝らへんの
体がビックリしてるだけって
先生も言うてるやろ?
すぐに慣れてまた元通り食べれるよ」

「…うん」

彩は俯いたまま拳を握る
私は分かってる
いつもこの子は我慢する時に
強く拳を握るから
その証拠に彼女の手のひらには
爪痕が残ってる

「彩…」



「相変わらずなんにもできない

はぁ…

うぉ!!!な、なに!?」


「とつげきー!」
「いぇーーい!!」

「で、でた
りかりほコンビ…」

現れたのは彩と同じクラスの
双子の兄弟
小さい頃からよく知ってるけど
大きくなると少し顔変わってきたな

「彩ちゃんはー?」

「ごめんなまだ…そんなに良くなくて」

「そっか…」
「どーしたら元気になるかな」

「それな私も考えてるねん
でも思いつかんくて」

「元気だしてー」
「そーやでみるきー」

「いつからそんな呼び方…
でも、ありがと!」

「あ!そーだ!
ママが作ってくれたクッキーあげる」
「僕もっ」

「ありがと…あ」

「?」
「??」

「そっか!それや」





ガラガラッ
「彩ぁ」

「みゆちゃ?」

「勉強?」

「うん学校戻れなくなる」

「焦ってるん?」

「…」

「焦らんでええよ
彩は大丈夫やからなー
そーや、これっ」

「…プリン
あ、これ」

「久しぶりに作ったから
ちょっと柔らかくなりすぎたけど
でも味は変わらんよ?」

「…食べる」

「うん、はい
あーん」

「…」

「彩…?」

「…」

「…ええよ戻しちゃっても」

「で、でも」

「何度でも作ってあげる
だから食べてみよ」

「…うん
あー…ん

モグモグ…」

「どう?」

「ゴックン…おいし
おいしいっ!」

「食べれたやんっ!
彩ぁぁ!!」

「ヘヘヘッ
みゆちゃ、あー!」

「よしよし食べよ食べよ」

「おいし、おいし」

「よかったー」

「ヘヘヘッ」

ポンポン
「早く治って
彩が楽になるとええな」

「…うんっ」