「ドナーが見つかった!?」

(えぇ山本さんの型と一致しまして)

「よかった…」


移植をすれば
彩は助かる
前みたいに自由に
そう思うと涙が出てきた

「ホントですか!?」

「うん!これで彩は助かる!」

「急いで伝えに行きましょ」

「うん!」


ガラガラッ!!!
「彩!」

「っ…なんや」

「聞いて!ドナーが見つかった!
彩の型に合う人!
彩助かるんやで!」

「…ホンマか?」

「うん!さっき先生に言われた!」

「俺…治るんか?」

「うん!治るねん彩」

「…そうか、そっか」

「急いで先生と話し合お!」

「美優紀、断ってくれへんか」

「え…彩?
何、言うてんの?」

「断ってくれ」

「彩!なぁおかしいで
なんでそんなこと言えんのよ」

「…」

「彩!彩ってば!」

ガラガラ

「やめときお嬢」

「恵」

「彩のホンマのお父さんな
臓器移植無理やりに出されたんや」

「え?」

「交通事故にあってな
同意カードもってたんや
それだけならええ話やけど
その交通事故は仕組まれたもので
同意カード持ってると知った人が
起こした事故やった」

「…」

「だから嫌なんやろ」

「コクンッ」

「…そんなん、
そんなん関係ない!
私は彩が助かればそれで
それでええねん!!!」

ガバッ!!

「お前今、なんつった?」

「…」

「提供される臓器は
人の善意でできてる!
人の愛で出来てるんや!
俺は、そんな愛されるべき人間ちゃう!
ヤクザの組員や!
そんな資格ないんや!
俺はもう…自分の運命を受け入れた
お前にそれが出来ないなら
もう二度と…姿を見せるな」

「…っ
彩、彩のアホっ!!」

ガラガラッ!!!

「お嬢!!!」

ガラガラッ!!!


「ハァハァ」

「お嬢!危ないですから!」

「なぁ、凜々
彩はやっぱり私といない方が
いいんかな」

「そんなこと」

「私がおると
彩を攻めることになる
それならもう…」

「お嬢」

「凜々っ
もう私…
彩のこと幸せにしてあげなきゃ」

「お嬢…??」

「彩に会うの
もう、やめる」

「ッ!?!?」







「よかったん?
あんなこと言うて」

「これでええんや」

「そんな泣きそうな顔で」

「そんな顔してへん」

「治療受けてもええんちゃう?」

「そーやな」

「珍しく素直やん」

「ハハッなんでやろ
死ぬのなんて怖くなかったのに
今はすげぇ怖い
生きたいよ俺やって
何にも囚われず
アイツを…美優紀を抱きしめたいっ
胸はってアイツに想いっ…伝えたい」

「彩」

「恵っ…俺
死にたくないっ…
美優紀のそばにいたい
笑顔にしてやりたい
俺…

死ぬのが…怖いっ」

ガバッ!!ギュー

「大丈夫大丈夫やから」

「死にたくない死にたくない
死にたくないよっ…」



神様あなたは残酷です
両親を失い愛を失った彼に
人への愛を思い出させたのに
なぜまた失わすのですか?
彼はそこまであなたに何かをしましたか?
どうか助けてください
こんな弱々しい彼ではなく
昔のように誰もがついていきたくなる背中
安心できる笑顔を
どうか彼に…彼に与えてください