「ゴホッゴホッゴホッ!!!




「彩ぁ...




「触んな!」




...。」




「出てけよマジで」




「うん...








...




「美優紀」




「おじいちゃん...?」




「よいしょっと...何してるんや?


そんな悲しそうな顔して」




「ううん何もない」




「彩...やな?」




...




ポンッ...


「大丈夫や...笑って?」




「フフッ」




「ん?」




「不思議や...


おじいちゃんに大丈夫って


言われたら


ホンマに大丈夫な気がする


守られる気がする」




「っ...




「おじいちゃん?」




「美優紀はお母さんに


よく似てるな」




「え?」




「お前のお父さんは


ワシの息子で


組長の息子


だから恋人ができても


結婚なんてできない


だからずっと避けてきてた


しかし彼女だけは...






(挨拶?)


(そう俺結婚するから


だから...


(来なくていい)




怖かったワシのせいで


またコイツを傷つけるんじゃないか


それなら縁を切って


幸せにしてやった方が...




(でももう...来てるんや)


(はっ?どこに)




((ハハッ!!!))




(なんや...




大広間の方で声がする


襖を開けると


若い衆の中心に


笑っている女がいた




(誰や...




(お邪魔してます


息子さんの婚約者です)




...帰れ


ここに来るべきちゃう)




こんなところに若い女が


彼女のために良くない


そう思って強く言った


すると彼女は笑い出した




(やっぱり


お父さんに似てたんや


そっくりですね


不器用すぎる優しさが)




(は?)




(優しいですねっ)




(なんのことや...




(私、彼と結婚します


彼のことが好きだから


家のことなんか気にしない


それに守られてる気がするから!)




...ハハッ面白いな君は)




(お父さんも将棋しますか


私強いですよ!)




(あぁ...










「お母さん...




「美優紀はお母さんによく似てる


だから強い、大丈夫


わしの孫や


なめるなよ、なにわのてっぺんを」




「うん、おじいちゃんも


早くよくなってな?


私に将棋教えて」




「あぁ...












「どーしたんですか


親父さん」




「昔の話をしたら


懐かしくなった」




「アルバム...




「何十年も生きてきたが


こんなノート1冊に収まる


もっと撮ればよかったな」




...




「これはアイツが生まれた時


これはカメラを買い替えて...




...




「凜々」




「はい」




「ほら、見ろ」




...これ」




   【凜々の誕生会】




そこには幼い頃の自分と


彩さん、恵さん、親父さん


あとは組の皆




「これは家族の...




「何言ってんねん


お前はわしの息子やろ


わしの大事な末っ子坊主や」




「っ...




「凜々の写真ももっと撮ればよかったな


お前は可愛くてな


彩は憎たらしかったが


お前は真っ直ぐで


いつも背中にひっついては眠って


夜に1人で泣いてるのを彩が見つけては


わしのとこに来て


なんとかしろってな」




「っ...




「凜々頼みがある」




「何ですか?」




「組のことを頼む」




「え...




「彩を見切ったわけちゃう


ただあいつのことや


治った時にはきっと


違う夢を見つける


自由にしてやりたい」




「でも他にも...




「お前は大事な息子や


お前に大事なものを託す」




「やめてください


そんなの言われたら...




「凜々...頼んだ」




...




ダッ!!...バタンッ!




...ふぅ


ワシだってわかってる


荷が重いこと


でも...もぉ、グッ!!


ハァハァ...




長くない...