「ん...朝、あ」
「ムニャムニャ...」
「口開いてる、半目やし
フフッぶちゃいくやな」
ほっぺをツンツンすると
顔が歪んだけどまた
気持ちよさそうに眠る
「朝ごはん...あれ?あ」
起き上がろうとしたら
彩が服を掴んでる
少しは気に入ってくれたんかな
起こさないように手を離して
ご飯の用意をする
買い物も行かへんとな
二人分の食事を作って
寝室に行く
「あれ?彩は?」
どこいったんやろ
ベランダにもいない
リビングにもいない
ベットには...あ
ベットの奥のすき間に
布団が変に飛び出てる
近づいて布団をめくると
彩が座って震えてた
「彩...?」
「みゆちゃ...?」
「どーしたん
なんかあ...ウワッ!!!」
ギューーーッ
「いた...ばいばい
ちゃうかった」
「え?」
「よかった」
私の服をギュッとつかむ
きっと起きて誰もいなかったから
一人になったと思ったんやな
酷いことしちゃった...
「アホやな
おらんくなるわけないやろ」
「ホンマ...?」
「うん、ホンマ」
「ニッ」
「彩ご飯食べよっか」
「みゆちゃみゆちゃ」
「ん?」
お皿片付けてたら
彩が私の足にひっつく
「なによ」
「んーん」
「...はぁ、よしおしまい
彩ほら、おいで?」
「うんっ!」
軽い体を持ち上げると
私の大好きな笑顔で
見つめてくる
「今日は仕事休みやけど
明日から普通に仕事やからな
彩どうしよ...」
「しゃーちゃまてる!
ママもおしごとっていって
ずっといなかった!
しゃーちゃまてる!」
「...出掛けよか」
「お出かけ?」
「うん、日用品は菜々ちゃんに任せたから
彩が欲しいもの買いに行こ」
「?」
「いくで」
「みゆちゃ...」
来たのは大きなショッピングモール
彩と手を繋いで歩く
さすがに顔はバレるとまずいから
変装してるけど
「おめめ、真っ黒」
「これはサングラス」
「しゃんぐらしゅ」
「ホンマ舌っ足らずやな」
「しちゃちゃら?」
「ええの知らんで
よし、ここにしよう」
「おもちゃ?」
「そ、何欲しい?」
「...いらない」
「いらないって
ええやん買ったら
お金の心配なんか」
「いらない...」
「...そっ、じゃあええ」
「...みゆちゃ、あの」
「ほら、いくで」
結局どの店に行っても
彩はいらないばかりで
遠慮してるのか興味無いのか
何も言わず
イラつきが生まれた
「はぁ...彩あの
あれ?」
いつの間にか離してた手
近くに彩がいると思ったらいなかった
迷子!?
「ど、どこに...
電話...もしもし?」
「あーみるきー?」
「菜々ちゃん今...」
「彩ちゃんならここおるよ」
「えぇ?」
「とりあえず近くのカフェきて」
「うん」
「彩!」
「スースーッ」
「寝てる...」
「さっきまで泣いてたんや」
「え...?」
「今日、彩ちゃんのほしいもの
買いに来たんやろ?」
「うん」
「彩ちゃんはな
お母さんに欲しいもの買ってもらって
そのまま放置されててん」
「え?」
「優しい時と暴力を振るう時
なんかあったんやろな」
「...じゃあ」
「彩ちゃんはみるきーが
いなくなるって思ってるねん
何度言ってもわからへんよ
心の傷が深すぎるんやから」
「私...また」
「子供を育てるのは大変なこと
彩ちゃんはもっと傷を負ってるんやから
大変やで?」
「...」
「どーする?
彩ちゃんのこと
めんどくさくなった?」
「...」
「みるきー...?」
「そんなことない...連れて帰る」
「そっか、じゃあ頼んだで?」
「うん」