「よし、ほら手当するから」

バシッ

「彩?」

「情けない...」

「え?」

「俺、やっぱ無理や」

「何が」

「美優紀と付き合われへん」

「は?」

「守られへんから
だから...」

バシッ!!

「うるさい
早く手当するから
じっとして」

「美優紀...もぉええよ
美優紀やって年上がええって
俺に興味無いって言うてたやん」

「はぁ...」

「イデッ!!!」

「アンタは私が好きなんやろ?
それでええやんじゃあ」

「よくないやろ!」

「何を思ってるか知らんけど
許さへんで
勝手に別れるとか」

「何でやねん...美優紀やって」

「あーうるさっ
私のこと好きちゃうの?」

「好きやで!...あ」

俺は気づかなかった
美優紀が泣いてること
美優紀が震えていること
怖かったんや
アイツに向き合うの
当たり前や、女が男に
しかも自分の身がどうなるか
分からへんのに、それやのに
向き合ってくれたんや

「美優紀...」

「アホちゃうん
何で私が言ったと思ってんの
彩を守りたかったから
彩が...離れるの嫌やから!」

「ごめん...」

美優紀の手をゆっくり掴んで
引き寄せて抱きしめた
ホンマに情けないな
こんな小さな体に全部任せて
逃げてばかりやった
変わらないとアカンよな
このままじゃアカンよな

「美優紀...大好きや
来てくれてありがと」

「ん」

「離れへんよ
そばにおる...1人にせーへん」

「彩...」

「美優紀...」

頬をなでて
唇をなぞって
自分のものと合わせる
幸せの味が広がる
心が軽くなる

「好きやで美優紀...」

「...んっ」

「美優紀?」

「っ...っ...」

ギューーーッ

やっと安心してくれた
しがみついた彼女を
強く抱きしめる
年上?違う
彼女は女の子や
か弱い女の子
守るよ俺がこれから
どんなものからも
もう、逃げない...
君をひとりで戦わせたりしない

「美優紀...あの」

「ベット、いこ」

「へ...」

「嫌...?」

「...そんなわけない」

「フフフッ」

「美優紀...好きやで」

「めっちゃ言うやん」

「俺は言い続けたいからな」

「...フフフッ」

「行こ?」

「うん」