なんで...
「大丈夫だよー!
大きく息吸えるかなー」
なんで今なん...?
「意識レベル問題なし
おそらく食あたりかと」
(はい、ちなみに...)
「難波中央病院の医師です」
(ありがとうございます!)
分かんない、わかんない、
「山本さん...」
「分かんないよ、先生」
「もう先生ちゃうよ
あ、違う意味で先生か」
「なんで笑ってんの
私がどんな思いで...」
「山本さん...?」
「もういい!」
「待って!」
その場から走り出す
先生は後ろから追いかける
「待って!山本さん」
「なんで!わかんない!」
「なにが!」
「連絡してこないで
久しぶりに会って
意味わかんない!」
「えぇ!」
「昨日誕生日やった!
毎年花くるから
楽しみやったのに!
もう忘れたんやろ!
どうでもええんやろ!」
「違う!」
「違わない!」
「山本さん!」
「先生なんか大ッ嫌...」
「結婚しよう!彩!!!!!」
「...え?」
(え、なになに?)
(公開プロポーズ?)
(えーやばいやん)
街のど真ん中
大声で叫んだ先生は
真剣な顔で私を見ていた
「ハァハァ君のこと忘れたことなんか
1度だってなかった
この6年間、毎日君のことだけ考えてた」
「嘘だ...」
「ホンマや」
「じゃあなんで連絡くれへんの」
「見せたくなかったんや
成長してない自分を
中途半端な自分を
折れそうやったから
君に会いたくて会いたくて
医者なんかどうでもよくなって
君の側にいたくなるから!
だから!会えなかった」
「そんなの、言い訳や」
「そうかもしれへん
君を苦しめたのは確かや
縛り付けたことも
最低やと思う
だからこそ成長したかった
頑張って医者になった
君にふさわしくなれるように
自信がついたから迎えに来た
幸せに出来ると思ったから!」
「もう、遅い...
彼氏だっておるし
先生のことなんか
どーでもよかった」
違う
「ただムカついただけで」
違っ
「あれはいい思い出みたいな」
違う!私は...
「そっか...ごめん
今更やったやんな
山本さん綺麗になったし
彼氏おるよな
ごめんな僕勝手に君へ
自分勝手な理想押し付けてた」
先生...違う
「じゃあ僕は消える」
なんで言えないん?
好きやって
側にいて欲しいって
なんで、言えないん
「...なんていうと思った?」
「え...?」
「僕は君の彼氏や
山本さ...彩ちゃんの言いたいことなんか
分かるねん」
「先生...」
「もう先生はやめてや
禁断の恋は終わりやで?」
先生は笑いながら
私の前にひざまずいた
そして小さな箱を取り出して
中を開けると
綺麗なリングが顔を出す
「花を送らなかったのは
これを届けるためや
誕生日おめでとう
これから先ずっと
お祝いさせて欲しい
僕は彩ちゃんが好きや
どうか僕と
結婚して欲しい」
視界がゆがむ
こんな時ドラマなら
抱きついて喜んで
そんなんなのに私は泣くだけや
すると先生はまた少し笑って
近づいて涙を拭う
「反応見て返事は分かるんやけど
さすがに言うて欲しいなぁ」
「いえっ、ないっ...」
「じゃあ僕が治してあげましょう」
「え?...ンッ」
(ヒューヒューッ!!)
(いぇーいっ!かっこいいー!)
「...せんせ」
「だから先生じゃない」
「優紀くん...」
「もう治ったやんな?」
「...うん」
「彩ちゃん
僕のお嫁さんになってくれますか?」
「...はいっ」
「よく出来ました」
周りからは拍手をされて
なんか恥ずかしいけど
でも幸せやった
「だからってなんでこうなるんよ...」
「えー返事OKなん分かってたし」
「いやそれでも勝手に
人の家にダンボール送り付けるかなぁ」
「荷造り付き合うやん」
「急すぎるでしょ!」
「だってぇずっと一緒にいたいんやもん」
「離れたんは誰や...」
「うわぁ!それ言うたらアカンのに!」
「事実やんか!」
「僕ショック...」
「なんでなんよ...
ちょっと優紀く...ンッ
も、もぉ///」
「ヘヘヘッそれより幸せ」
「顔ニヤケすぎやし」
「6年分のニヤけ?」
「うえ...」
「ひどいっ」
「フフフッ...なぁ優紀くん」
「んー?」
「私のこと幸せにしてくれる?」
「...フフフッそれはもちろん
僕に任せて」
END