(山本!早く行くで)
「は、はいっ」
卒業して6年
私は弁護士になった
と言ってもまだ見習いやけど
大手事務所に就職できて
今は毎日学ぶことばっかり
でも楽しくて仕方がない
辛いこともあるけど
でも何より
笑顔がそこにあるから
頑張りたいんや
(山本さんご飯行きましょ)
(山本さんよかったら...)
「ごめんなさい
相手...いるので」
そろそろ結婚を意識出す
周りも結婚しだしたし
まーちゅんも結婚した
今は新婚さんで愚痴もよく言うてるけど
なんか幸せそう
「ふぅ...疲れたぁ」
家に帰ってソファーに寝転ぶ
いつも寝落ちちゃうねんなぁ
時計を見ると0時になっていた
「ハッピーバースデートゥーユー...」
7月14日私の24回目の誕生日
誕生日ってことは朝に花が届く
先生からの1年に1回だけのプレゼント
職場へ実家から通っているのも
花を待つため
早く朝にならへんかな...
そう願ったのに...
花はその日1日来なかった
「はい、その件はこちらで
えぇ...はい、失礼します」
(山本さんもうアポ取れたん?)
「えぇなんとか」
(さすがやなぁ)
「そんなことないです」
(なんか昨日から元気ないなぁ
誕生日祝ってもらったんちゃうん?)
「地元の友達が
フフフッあー二日酔いですかね」
(あーそっか
今日は早めに帰ったら?)
「大丈夫です仕事あるし」
(ええから大丈夫
最近頑張りすぎやで
あとは
僕に任せて)
「っ...」
(僕に任せて)
(彩ちゃん)
(君を守るから)
(山本さん?どうし...)
「ごめんなさいっ...
ちょっと休憩してきます」
近くの公園
ブランコに座って
コーヒーを飲む
「アホやん迷惑かけて
こんなことで...」
花が来ないくらいで
なに仕事放棄してんねん
大きくなるんやろ
ふさわしくなるために頑張ったやん
...でも先生は私のこと
もう、忘れたんやろうか
誕生日なんかもうよくて
私なんかもうよくて
誰かと一緒におるんやろうか
迎えに来てくれないんかな
「もう...待てないよ...先生」
(お姉ちゃん泣いてるの?)
「え、あぁ...」
(泣かないで)
「フフフッありがと
僕、ママは?」
(ママはあっち!)
「そっか気をつけてね」
(うんっ
お姉ちゃんも泣かないでね)
「うんありがと」
(僕かえっ...痛いっ)
「え?どうしたん?」
(分かんない...お腹が痛い…)
「えぇ?」
(痛いっ)
「うわっ、ちょっと!!」
突然倒れた男の子は
とても苦しそうやった
何とかせーへんと
「すみません!救急車呼んでください!」
(あ、はい!)
「応急処置か、なにか
どうしたら...」
(痛い...痛いよっ)
「...こんな時、どうしたら」
ザッザッザッ!!
「慌てない...」
「え...」
「大丈夫や山本さん
後は
僕に任せて」