あれから先生は
姿を消した
家も空になっていた

ガチャッ
「やっぱりいた」

「山田...」

「ここ、来週には
新しい人入るから
来られへんくなるよ」

「うん、知ってた」

「よいしょっと
どう?慣れへん?」

「なんやろ...一緒におる日は短くて
今まで生きてきた中のほんのちょっとやし
それやけど
アホみたいに
今までどーやって生きてきたか
分からんくらい...つらい。」

「彩...
んーこれは内緒やってんけど
渡辺先生に言われたんよ」

「え?」





「もしもし山田さん?」

「あー渡辺くんどうしたん?」

「んー、知ってるやんな
僕達のこと」

「あー校長慌ててたし
噂で聞いた
バレたんやな」

「うん...気をつけてたつもりやけど
ごめん、僕の甘さや」

「謝らんとって
彩は幸せそうやで」

「山田さん僕な
全部言おうと思う」

「...嘘つかへんの?」

「うん、なんかさ
誤魔化せば
彩ちゃんへの気持ちも
嘘ついてるみたいやから」

「...そっか」

「ごめんみんなの前で話したら
僕は彩ちゃんの前から
姿を消して、それで...」

「そのまま別れたままとか
せーへんよな」

「...ごめん」

「いい加減にし
彩のこと分かるやろ
あの子はきっとずっと
アンタを思い続けて
そして、自分を責め続ける」

「...でも!」

「迎えにきぃや
彩やってずっと子供ちゃう
大人になる卒業する」

「彩ちゃんには未来がある
きっと僕以外の」

「それ、耐えれんの?
彩が渡辺くんのこと忘れて
違う男に抱きついたり...」

「っ...」

「キスしたり」

「...」

「そのまま行けば体...」

「やめろっ!...やめて」

「やろ?なら分かるやん」

「教師をやめたら
僕は家を継ぐ
医者になる
それには時間がかかるんや
彼女を待たすことになる...」

「彩なら待てるよ
来るって言うなら
たとえ何十年でも」

「...山田さん
僕には自信が無い
彩ちゃんには
僕に任せてなんて言うけど
でもないんや」

「自信なんかいらんよ
彩を好きって気持ちだけで
なぁ言うて?
迎えに来る?こーへんの?」

「...行くよ」

「約束やで?」

「約束や...
だから山田さん
彩ちゃんのこと...お願いします」

「分かった、任せて」

「ありがとう」






「って言うてた
まぁこれ言ったら
フフフッ、ほらやっぱり
そんな顔すると思ったから」

「先生は来てくれるんや...」

「当たり前やん
来るよ
でも彩想い続けるのはいいけど
今みたいなってたらアカン
渡辺くんは
もっと大きくなって迎えに来るで?
なら彩も...」

「いひゃいっ...なんひゃねん
(痛いっなんやねん)」

「もっとおっきくなるんや」

「私は...」

「難波大受けてみ?」

「え...」

「弁護士になるんやろ?」

「なんで、知ってんの?」

「渡辺くんがな
彩が本屋で見てるの見たって
諦める必要なんか
ないと思うで?」

「でも陸上もあるし
それに...」

「両方やったり!
自分のキャパ超えたらええねん
渡辺くんやって
高いハードルやで?
彩が甘えてどーすんの」

「...ったく
簡単に言うなぁ山田のくせに」

「くせにってな...」

「ありがとっ...」

「っ...彩可愛っー」

「うるさいっ///」