学校が終わり
先生の部屋で待つことに
いつもドキドキするけど
今日はもっとドキドキする
だって、バレたってことは
そーいうことやもん
ガチャッ
「あ、先生...」
「家やで?」
先生の目は冷たかった
と言うよりは怯えていた
いつもみたいに暖かくない
「優紀くん...?」
ガバッ!!ギューーーーッ
「...」
「ごめん、ごめん...」
「なんで謝るん」
「君に迷惑かけた
まだ学生やのに
分かってるのに」
「優紀くん...」
「ただ僕は君が好きなだけなのに
それ、だけやのに...」
苦しそうに何度も呟き
何度も謝る
違う、優紀くんは悪くない
私やって悪くないよ
だって人が人を好きになってる
それのどこがアカン事?
「私は優紀くんが好き」
「僕も好きや」
「狂っちゃうくらい好き」
「僕はもう狂ってる
毎日考えてる
君のことしか考えてない
出会うまでの僕は
何してたかわからなくなるくらい
ずっと...」
「うん」
「分かってるのに
僕は...わかってたのに」
「気にせんとって?
ただ私は優紀くんが心配」
「え?」
「私は大丈夫
でも優紀くんは顔出てるし
まぁ誤魔化せば」
「...」
「校長先生も優しいなぁ
これから一緒におれること
減るとは思うけど、でも
大丈夫
卒業やってもうすぐやで?
卒業したら思う存分いれるなっ」
笑顔でいうと
優紀くんは少し困ったように
笑ってうなづいた
「誤解やって言お?
全部嘘ですって
それなら大丈夫
元通りやんか」
「そう、やね」
「優紀くん?」
「んーん...」
「...怖い?」
「いや、違う...ちょっとね」
「ん?」
「彩ちゃん」
「なに?」
「僕はずっと君が、君だけが好きや
ちゃんと想ってるから」
「ありがとっ」
「うん、だから僕に任せて」
「任せるって...」
「ん?ほら集会
僕が喋るからさ」
「そーやんな、頑張って」
「うん、ありがと」
(では、渡辺先生から)
全校集会の最後
校長が先生の名前をいうと
先生は舞台に上がる
その最中聞こえてくる
生徒のヒソヒソ声に泣きそうになった
「えー貴重なお時間
頂戴してごめんなさい
皆さんご存知と思いますが
最近写真が出回ってて
そこに僕とある生徒が抱き合ってる
写真やったと思います
しかしそれは誤解で
体調の悪い彼女を支えてただけです」
(なんや)
(そーやったん?)
(まじかぁ)
これでよかった
私は先生を見ると目が合う
そしたら悲しそうに笑う
なんで?そんな顔?
「...って言おうとしたんですけど
ほんと、さっきまで」
「先生...?」
「でも僕、この気持ち
例え自分の身が危ないからって
それだけで隠したくないし
誤魔化したくない
バカだと思うし裏切りやとも思う
それでも嘘はいけないって
それこそ失礼やと思うから
僕は写真に映ってる彼女が
好きです」