瞬く間に噂は広まり
女に囲まれた
昔と同じ光景や
頭が痛い

ホンマは俺やって
ちゃんと名前で呼んで
文化祭っていうイベントやから
き、キスとか
したいとか思ってた
だけど今俺の側にいるのは
あいつじゃない

「通して」

(山本くんイケメンすぎる)
(なんで隠してたんよ)

「...」


結局帰りまで囲まれて
渡辺に話すことは出来ず終いや
帰り道も追いかけたけど
先に帰ってて
電話もLINEも返してくれへん

そして次の日



「通して...」

(山本くん今日出るんやんな)
(楽しみー!)

また囲まれてしまう
追い払うのもしんどい
また昔みたいになるんか...?
俺、また...



「彩」

「上西」

「顔死んでるで
せっかくミスター難波出るんやから
もっと決めろって」

「そーいう気分じゃ...」

「みるきー落ち込んでたで」

「え...?」

「彩のことバレたのは
自分のせいやって
ホンマは彩が悪いんやろ?
そんなん言わせてええん?」

「...」

「せっかくのチャンスやで?
みんなの前で
守ったれば?」



そしていよいよイベント開始
出場者は舞台裏に集まる
もちろん渡辺もいるけど
口は聞いてくれない

「渡辺...」

「...」

「悪かった...俺は」

「...ええよ、ごめん
私が悪かったから
謝らなくていい」

「渡辺...」

守ったれば?...やんな



(渡辺美優紀!山本彩ペアー!!)

名前を呼ばれ外に出ると
歓声はものすごい
渡辺は笑ってるけど
目は笑ってない
決めないとな

ステージ中央を歩いて
あとは戻るだけやけど
俺は司会からマイクを奪った

「美優紀!」

「...え?」

「俺、お前のこと大切にしたいから
だからわかってほしい」

「何を...」

「すぅ...」

マイクを捨て
美優紀に近づいて
そのまま唇を重ねる
すると客席からは悲鳴が上がった

「なに、してんの///」

「カッコつけたくて...」

「アホやん...でもありがと
嬉しいっ」

一回したせいか
もう一度したい
しかし周りの目がすごい

「...美優紀行くぞ」

「え?ちょっと」

「俺の家行くから」

「え、ちょっとちょっとぉ...」