「...」

「おはよ美優紀ちゃん」

「ッ!!...おはようございます」

「...まだ怖いやんな」

「ごめんなさい」

「謝ることとちゃうよ
大丈夫、焦らんでもよくなるよ」

菜々さんは
優しく笑ってくれる
その笑顔に少し安心した

「仕事行ってくるな?
もうすぐ彩が学校から
帰ってくると思うから
ひとりにはならへんから」

「...ごめんなさい」

「フフッ」

菜々さんの手が
私の頬を包む

「謝ってばっかり
笑って?
彩が美優紀ちゃんの笑顔
可愛いって言うてたから
見たいんやけどなぁ」

「山本が...?」

「うん
あの子美優紀ちゃんのこと
ホンマに好きみたいやね」

「...そんなんじゃ」

「まぁそれは本人に聞かへんとな?
行ってきます」

「あ...」

「ん?」

「何もないです」

「フフッ...よし」

ギューーーッ

「大丈夫、1人じゃない
怖くなったら私も彩もいる
だから安心して」

「...はい」



菜々さんが仕事に行って
山本が帰ってきた
私の部屋に入ろうとしてたけど
多分手を払ったのを気にして
入ってこない

「山本...?」

「おぉ...具合は?」

「うん、大丈夫」

「そうか...」

「あの」

「ん?」

「ありがとう
でもなんで助けてくれたん?」

「...さぁな気まぐれや」

そう言った山本の気配は消えた
気まぐれ?そうやんな
彼にとっては気まぐれやったんやな

「そういう、もんやんな」





(おいもっと喘げや!)
(エロい顔しろって!)

「ハァハァ...ハッ!!!
ハァハァ...夢」

あの時の縛られた
感覚が体中を蝕む
苦しい助けて欲しい

「ハァハァ...」

「大丈夫や」

「えっ!」

声が聞こえて
ドアに目をやると
ドアにもたれかかって
こちらを眺める山本がいた

「心配せんでもええ
俺がここにおる
お前を連れていかせたり
せーへんから」

「山本...」

「だから休め
今のお前に必要なのは
休息や」

「なぁ...なんでそんなに
私に優しいん?」

「別に特別とかちゃう」

「だってもう助けへんって」

「しつこいなぁ
言うたやろ?
気まぐれや」

「私のこと...可愛いんやろ?」

「はぁ?」

「菜々さんが言うてた」

「アイツ、変なことを
そんなこと言うてないわ」

「ふーん」

「何やねんその目」

「むっつりなんかなって」

「はぁ?調子のんな尻...あ」

「ん?」

「いや、今言うことちゃうよな
悪い...」

尻軽って言おうとしたんやろう
それを私の今のこと考えて
言うのをやめた

「なぁ」

「あ?」

「こっち来てや」

「...怖いやろ?」

「大丈夫、来て?」

「おぉ...」