「彩ぁー野菜切っててー」

「分かったー!」

山へ遠足にやってきた
先生のおかげでバスは
まーちゅんと隣になれて
班活動も先生達の監視の元になり
私の憂鬱は少し晴れた

「山本さんどう?」

「はい、切れてますよ」

「そっか怪我しないようにな?」

「そんなに不器用に見えますか?」

「ちゃうよ
君が怪我したら
 困るからさ」

「そっか」

「ハハッ」

先生は笑いながら
他の生徒の見回りに行った

「なにー?先生と仲良しやん」

「んーまぁ」

「最初好きちゃう言うてなかった?」

「そーやけど
でも、いい先生やと思ったから」

「そっか
そーやんなぁ
あー茉由、あんな人と付き合いたいな」

「付き合う?」

「そっ、高2やしさぁ
そろそろ恋愛もしたいっ!
渡辺先生って優しいし
包容力ありそうやん
どんな人がタイプなんやろー」

(一目惚れです!)
(顔がタイプっていうか)

「...///」

「彩?」

「なんもない!」

「ん?」

バシャーーーーンッ!!
(キャッ!!)

「あ!」

音がした方に目をやると
クラスの子が
鍋を倒していた
そこに渡辺先生もいて
その子を支えてる

「大丈夫!?火傷は!?
一応冷やそう!」

先生はその子を抱き抱える
力なさそうやけど
意外とあるんやなぁ

幸いその子は
火傷はなかったみたい
先生は心配やからって
一応氷で冷やすように
命じていた

「いやぁやっぱり渡辺先生やな
あんなんカッコよすぎる
抱っこされるんやで」

「そーやな」

「どーしたん彩」

「んー...なぁ渡辺先生は?」

「え?あーどっか行ったみたい
本部にもおらへんし」

「...林の奥に川あったやんな」

「そーいやあったな」

「ちょっと行ってくる」

「え、彩っ」






「ってぇ...」

「やっぱりいた」

林の奥の川に
渡辺先生がいた
手を冷やしてるみたいで
かなり赤く晴れていた

「先生」

「山本さんっ!?」

「やっぱり火傷してたんですね」

「...なんで分かったん」

「なんか顔険しかったし
お人好しの先生ですからね
隠して1人で何とかすると
思ったんですよ
手を出してください
薬持ってきました」

「ハハッすごいな山本さんは
なんか僕かっこ悪いやん」

「そんなことないです
でも我慢するのはよくないですよ
あの子の為やと思うけど
先生やって怪我したら
困るんですからね?」

「...」

「あ!私個人じゃなくて!
そのみんながですよ!
先生人気やし///」

「そっかありがと」

「いえ...できました」

「ありがと
さすが山本さんやね」

「そんなことないです
ほら戻りましょ」

「あのさ!」

「はい?」

「あ、いや...その
山本さん...少しは
ほんの少しはでええんやけど
僕のこと心配した?」

「...」

「あ、いや
そんなんちゃうよな
みんなの意見やったし
ただアホな僕を」

「心配しましたよ...
当たり前じゃないですか」

「...っ」

「わっ///」

先生に抱き寄せられた
背中に手は回ってなくて
私が先生の胸にもたれかかってる感じ

「ごめん男苦手やのに
こんなことして...
でも我慢出来ひんくてさ」

「...」

ゆっくり離され見つめ合う

「教師失格やな僕は...」

少し悲しげに笑う

「帰ろっか
みんな心配すると思うし
手、ありがと」