「彩ちゃーーーーん!」
「はぁ…集中できひんわ」
「とかいって嬉しそうやん」
「そんなんちゃうわ
ふぅ…」
ダッダッダッ…シュッ
「よし…」
「へぇ彼女見てると
調子いいんやなぁ」
「だからそんなんちゃうって」
美優紀を見ると
ピョンピョン飛び跳ねて
手を振ってる
その姿に自然と頬が緩んだ
「へぇ…いい顔するやん
ホンマに美優紀ちゃんのこと
好きなんやね」
「うっせ…」
「なんか悔しいなぁー
私の時はそんな顔
せんかったで」
「…」
「あぁ、ごめん
別に責めてるわけじゃなくて」
「山田のこと好きやったよ」
「え?」
「ちゃんと好きやった
ただ余裕がなかった
山田に当たる自分も
山田がおらな
なんもできひん自分が
嫌やったんや」
「彩…」
「たぶんな
山田とおる自分は
無理するんや
カッコ良くいたくて
子供に見られたくない
でも、美優紀やと
フフッあいつは
仮面をつけさせてくれへん
許可なく取り外すんや
だから…楽なのかもしれへん」
「フフッええ顔してる」
「やろ?」
「うん、美優紀ちゃんがおれば
彩は大丈夫や」
「あぁ」
「美優紀お待たせ」
「…あぁ彩ちゃん」
「美優紀?」
「ヘヘヘッはしゃぎすぎて
ちょっと疲れたみたい…」
顔色が悪い
きっと具合が悪かったんや
また、無理をさせてた
「タクシー呼ぶわ」
「いい、そんなんええよ
少ししたらよくなるし
彩ちゃん疲れたやろ?
先に帰って…」
「そんなことするわけないやろ
肌寒いし…
よし、美優紀乗って」
「え?無理やって
家までまぁまぁ距離あるし
彩ちゃん疲れてるのに」
「どうせウエイトする予定やったし
そんなに練習してへんから」
「でも」
「ごちゃごちゃ言わんと
はやくのって」
「…」
美優紀は私に乗った
「よし行くで
寝ててもええから」
「彩ちゃん」
「ん?」
「ありがとう」
「ええって」
「彩ちゃん好き」
「うん」
「…ごめんな」
「…」
そこからは何も話さず
家に向かった
「どうや上西」
「まぁ確かに
数値はだいぶ下がってきてる
免疫も…あぁ結構厳しいな」
「負担かからへん程度の
薬とかはないんか?」
「一応処方はしてるけど
あんまり効果出てへんみたいやな」
「そっか…」
「そんな顔するなって
余命宣告した3か月は越した
これもすごいことや
もしかしたら
上手く行くかもしれへん
数値は下がっているけど
急激ではないし
前よりは落ち着いてる
希望を捨てたらアカン」
「そうやんな」
「今の美優紀ちゃんにとっての希望は
山本なんや
お前があきらめたら
美優紀ちゃんやって諦める」
「あぁ…」
「でー」
「なんやねん」
「どうなん?思春期真っ最中の同棲
どんな感じ?」
「は、はぁ!?
不謹慎やぞ!
それでも医者か!///」
「いやぁ気になるやん?
俺はええと思うけどな
そういうことをすることで
美優紀ちゃんにもプラスなことは
あるとは思うで」
「ホンマか!?」
「医学的根拠0やけどー」
「上西…」
「まぁそう重くとらえるなって!
前向きに行こうや
あー俺は朱里の手料理が待ってるから
帰るわー」
「早く帰れ」
「はいはい
じゃーねむっつり」
「誰がむっつりや
帰れー!」
バタンッ
「ハハッ…ふぅ
そうや、山本
今は笑う時や
希望を捨てる時ちゃうで」