「先輩っ帰りましょ」

「あぁ」

あの日当たったのに
渡辺は何も変わらず
次の日も普通に
渡辺は接してくれた
多分私は甘えてるんや
渡辺の優しさに
ずっと変わらずにいてくれるって
少しずつ、確実に
渡辺に依存し始めている
アカンってわかってる
また、傷つくのは自分や
でも…

「その時にねぇー…ヘヘヘッ」

…なんか

「先輩??」

…わかんないけど

「なぁ」

「はい」

「これからどうする?」

「え?あぁ!遊んでくれるんですか?
じゃあ私の家に…」

「毎回悪いから…

家、来るか?」

「え…」

「ま、どっちでもいいけど」

何か恥ずかしくなって
横目で見ると
すごい笑顔

「行くっ!」

「おぅ」


ガチャッ
「ただいま」

(彩ちゃ…あら)

「お邪魔します
彩さんの後輩の渡辺美優紀です」

(こんにちは
初めてやね、お友達連れてくるん
どうぞ?お茶でも…)

「ええから何もしなくて
渡辺、こっち」

「え…あ、はい」


バタンッ

「ええん?お母さんにあんなん」

「ホンマの母親ちゃうから」

「え…」

「ホンマの両親は
私を産んですぐに事故で死んだ
あの人は母さんの妹」

「そう、なんや」

「母さんと父さん
ハイジャンの選手で
私もハイジャンで有名になる
将来に期待して引き取ったんや
ま、今となってはお荷物って
言うてるけど」

「…」

「…悪い、何か取って」

ギュッ

「…渡辺?」

「先輩はずっと耐えてたん?
飛べなくなって苦しかったのに
家でも苦しんでたん?
1人でおったん?」

「…あぁ」

「…ごめんな」

「なんで謝るねん」

「私がもっと早く
先輩に会ってたら
先輩、こんなに悲しい顔
せんですんだのに」

「…」

「なぁ先輩…
何があったん?
何でそんなに苦しそうなん?
何で飛ばれへんの?
聞かへんって言ったけど
知りたいねん
支えたいねん
それでも言いたくなかったら
今度こそもう聞かへん…」

断ったらいい
関係ないと突き放せばいい
アンタに何が分かるんやって
罵ればいいんだ

「…」

「先輩が好き、側にいたい…」

「…」

「迷惑…?」

「…ちゃう」

「じゃあ…」

「…」

「ごめんなさい
嫌、やったよな
あー宿題せーへんと!
先輩教えてくださいよ」

返ってこない愛を
送り続ける彼女
もらってばかりの愛を
受ける私
そんなの…

「渡辺…」

「はい」

「話すから…来て?」



フェアじゃないさ