部屋に入ると
電気は暗かった
「母さん?」
「…」
「ママ?」
「…どういうこと?」
「え?」
バサバサッ!!!
母さんから投げ捨てられた
大量の写真
そこに映ってたのは
俺達二人やった
「前に学校行った時
噂聞いてん
まさか、と思った
そんなわけない
どうしても気になった
安心したかったの!
探偵やとって
調べたら…思ってたのと
違うかった…」
「母さん…」
「なぁ、私がおらん間
何してたんよ
いったい…何してたんよ!!」
「…ち、違うんや」
「触んないで!
気持ち悪い!!」
「…っ!!!」
「育て方が間違えた?
私の育て方が悪かった
だからおかしくなったんや」
「ママ!彩にそんなこと…」
「だいたい
美優紀が悪いんやろ?
彩のことたぶらかして
分かってんの?
あんたのせいで
彩は!」
「姉ちゃんに
何すんねん!!」
ドンッ!!
「あ…」
「…いたい」
「ご、ごめ…」
「っ…っ」
「母さん」
ガチャッ
「彩、美優紀」
「…父さんっ!?」
そこに現れたのは
外国にいるはずの
父さんやった
「母さんに呼ばれたんや
美優紀
向こうに戻るで」
「え…」
「ここにおって
彩といても
誰も幸せになれん
みんな傷つくんや
今、二人が持ってるのは
きっと勘違いなんや
おかしいことなんや
もう一回冷静になれば
きっと…」
「おかしくなんか…ない
俺は、姉ちゃんのことを」
「彩考えろ
もし美優紀といても
美優紀を幸せにできひん
結婚することやって
子供作ることやって
出来ひんねんで
女としての幸せを
お前が奪うんや」
「女としての…幸せ」
「そうや、だから…」
ドンッ!!
「美優紀?」
「勝手に決めんとって
私の幸せ
パパなんかに分かるわけない」
姉ちゃんは
離した手をもう一回
繋ぎなおした
ハッキリとした口調の割には
手が震えていた
俺が答えなきゃ…
俺が…
「姉ちゃん行こう!」
俺は手を引っぱり
家を出た
後ろから
父さんと母さんの声がする
何度も振り返りたくなった
でもアカン
それじゃ姉ちゃんを傷つける
今はただ
先に進むんや