「…しんどい」

屋上で1人呟いた
今は授業中やけど
抜け出して屋上に来た
こんな事をするのは初めて
でもそれくらい参ってる
2週間前くらいに
凜々花に言われた

(おばさん勘づいてるかもしれない)

と…
さすがにまずいから
極力姉ちゃんとは
一緒にいないようにした
一番近くにいるのに
同じ場所にいるのに
会ってないみたいや
触れたい…感じたい
姉ちゃんのもっと近くに…

ギィィ

屋上のドアが開いて
慌てて隠れようとしたら
そこには

「彩…」

会いたくて仕方ない人やった


「姉ちゃん…なんで」

「彩が屋上行くの見えたから
お腹痛いって言って
抜けてきた」

そう言っていたずらっ子みたいに
笑う姉ちゃんがたまらなく可愛い
でも…

「早く戻り…見つかる」

「…見つからへん
授業中やで?
そこの鍵も閉めた
誰もこーへん」

「…でも」

ガバッ…

「彩といたい…
寂しかった
彩は…ちがう?」

背中から抱きつかれた
もう、無理や
前に回った手を
掴む

「ちゃうわけないやん
俺やって
いたかったよ」

振り返って
正面から抱きつく
きつく、きつく
俺の一部になってしまえばええのに
それなら苦しくないのに…

「なぁ姉ちゃん
俺たちはやっぱり」

「言ったら嫌…」

「え…」

「彩…好き」

「ンッ…姉ちゃん、アカン
…抑えられ…」

「抑えんでいい
彩の全てが欲しい
全部ちょうだい
おられへん分
沢山ちょうだい…?」

涙目で俺を見つめる
アカン、これ以上繋がれば
きっと
頭では分かってた
それでも俺は

「さやっ…ンッ」

気づいたら
姉ちゃんを欲していた







「ええん?一緒に帰っちゃって」

「たまたま会ったでええやん
兄弟やしおかしくないやろ?」

屋上での1件から数日
お互い理由をつけるようになった
理由をつけてまで
いないとダメになった
我慢なんか出来ない
いつだってそばにいたいんや

「着替える時になぁこれ
隠すの大変なんやけど?」

「ごめんごめん」

「つけすぎー!」

そう言ってむくれる
姉ちゃんの首には
赤い痕
俺の証…

「今度、いっぱいつけたんねん」

「おぉマジかぁ」

幸せやった
例え認められなくても
でも…

ガチャッ

「ただいまー!」

この扉を開けた時
全てが変わったんや