「木下くん」

「あ、なんでおるん」

「みるきーが山本くんの
サッカー見に来たから
それの付き添い」

「…そう」

「ん?」

「いや、何もない」

「どこ行くん?」

「まだ決めてへん
適当に女引っ掛けて…」

「じゃあついてきて!」

「は、おいっ…」

無理やり手を引かれて
連れてこられたのは
よーわからん行列

「何やねんここ」

「ここのケーキ美味しいねん」

「俺甘いの嫌い」

「だって2人なら
半額やねんもん」

「他のやつ探せよ」

「誘える人おらんねんもん」

「…ッチ」

「でもいてくれるやん」

「っ…近いねん」

「あ、ごめん」



(あれ?楓子)

「え?…ッ!!!」

明らかに楓子の様子が変わった
顔は青ざめてるし
手も少し震えていた

(久しぶりやん
元気やった?
全然連絡くれへんから)

「楓子?」

(あ、彼氏?
へぇーカッコイイやん)

「そんなんちゃう…
てか、アンタ誰?」

(俺?
俺は楓子の家庭教師してた
先生やで)

「家庭教師…」

(そう、まぁクビになってんけど)

「あ、当たり前でしょ…」

(さぁ?何でやろ)

明らかに何かある
それは分かっていた
だからそいつを睨みつける

(怖いなぁ
そんな風に見られたら
俺は何もしてへんで?)

「楓子怯えてんねん
何があったか知らんけど
楓子に近づくな」

(ふーん
まぁええよ
じゃあ楓子またな?)

「…何やねんアイツ
楓子、大丈…」

「っ…っ…」

「お、おいっ!」

楓子が突然泣き出すから
周りは俺を睨む
何もしてへんねんけど…

「あぁ!もぉ楓子行くで!」

手を引っ張って
俺の家まで来た

「なんで泣くねん…」

「っ…」

「あの男と何かあったんやろ?」

「…」

「別に言わんでええけど」

「…付き合っててん」

「元カレ?」

「一応…」

じゃあアイツが
前に言ってた大切な人?

「じゃあ…」

「襲われてん」

「は…?」

「嫌やったのに…無理、やりっ」

「…」

頭が熱い
苛立ちすぎて
熱が全部上に行ってるみたいや
ふざけんなよ

「こんなこと言ったら引く?
汚いやんな
私っ…」

「お前は…汚くない」

「汚いねん!」

「…綺麗や!!」

「っ…」

「こんなこと
今まで言うたことないけど
お前は綺麗や
何にも染まらへんくて
消えそうや
汚いわけないやろ」

「…木下くん」

「だから、泣くな
悪いのはアイツや」

「…」

「だから…」

「じゃあ、木下くんが
消毒して…ください」

「え?」

「木下くんが
好き、です」

「…マジ?
だって嫌いって」

「一緒におるうちに
それに今やって
私、頑張って
木下くんに釣り合うようにするから
遊び相手でもいいから
体、も頑張って…あげる、から」

「…」

「だから、私を
消毒して?
助けて…」

「…アホちゃうん
俺、そういうの苦手やねん
痒くなんねん」

「ごめん…」

「本気になんてなるわけないのに」

「ごめん」

ガバッ!!ギューーーーッ

「責任取れ
俺以外の男みんなよ
俺だけ見とけばええねん
分かったか」

「…はいっ」

「それなら、俺が
助けたる…」