「彩ご飯…」
「スースー」
こんな所で寝たら
風邪引くやんか
机に突っ伏して寝てる
彩に毛布をかけた
久しぶりに顔を見る
距離を置くにも
どう置いていいかわからへんくて
避ける形になった
優しい彩やから心配して
傷ついていたって
美瑠から聞いた
「ごめんな…」
頭をなでると
気持ちよさそうにする
あ、ヒゲ
喉仏も結構出てる
男の子から男性に
変わってきたんやんな
昔みたいに
泣きながら私にひっつく彩は
いなくなったんや
「ねぇ…ちゃ…」
「っ///」
寝言を呟いた
私の夢?
どんな夢?
昔みたいに楽しそうにしてる?
二人で笑いあって
はしゃぎあってるん?
あれ、なんで…
なんで涙が
「ん、んぅ
姉ちゃん…?
姉ちゃん!!どうしたん!
何があった!」
「ご、ごめん
何にもない!」
「待って!」
とっさに掴まれた右腕
昔なら振り払えたのに
今はびくともしない
違う!こんなん
彩とちゃう
「どうしたん?
誰にやられた?」
「違う、ホンマに
何にもないから」
「姉ちゃん
なんかあったなら
俺が守るから
だから…」
「嘘つき…」
「え?」
「そんなセリフ
凜々花にも言うてるんやろ!
結局凜々花のところに
行くんやんか!」
「姉ちゃん?」
違う、違うんや
こんなこと言いたいんちゃう
ホンマなら祝ってあげたい
祝うんやおめでとうって
「凜々花だけに言うたらいいやろ
そんな軽い言葉いらへん!」
あ…
「そんなふうに
思ってたんや…
わかった、ごめん
確かにそうやんな」
「ち、違う彩
あのな」
「…出てけ」
「彩」
「出てけよ!!!」
「…」
彩の部屋を出て
自分の部屋へ
涙が止まらない
なんであんなことを言ったのか
彩はどんな時やって私の味方で
助けてくれて
自分が傷ついても守ってくれる
それやのにあんなこと言って
彼女と比べたりして
彩が怒るのも当たり前や
「何してるんやろ…私は」
結局、彩を傷つけた
ホンマは今日
避けてたこと謝って
凜々花とのこと祝うはずやった
ありがと姉ちゃんって
いつもみたいに笑いかけてもらう
その予定やったのに
彩を前にしたら祝えなくて
一瞬、ほんの一瞬
私やったら…なんて
勘違いやろ?
彩は弟なんやから
じゃあなんでこんなに
おめでとうって言われへんの
なんでこんなに苦しいん!
ガチャッ
「お姉ちゃん」
「美瑠…どうしたん?」
「お姉ちゃん苦しいん?」
「…」
「顔色悪いで」
「大丈夫…」
「熱はないなぁ
なんかあったん?」
「いや、なんやろ
胸が苦しいとか?」
「風邪ひいたんちゃう?
それか恋したか」
「恋?」
「だって苦しいなら
恋か風邪かやで」
「なぁ美瑠!」
「ん?」
「恋って
その人といたいって思ったり
その人がほかの人見てたら
嫌って思ったり
その人の笑顔みたいっておもったり
そういうこと?
ちゃう…やんな?」
「何いってんの?
それが恋やん」